2021年国内動画広告の市場は前年比42.3%増の4,205億円に!今後の動向はどうなる?
2022年1月19日、サイバーエージェントにより2021年国内動画広告の市場調査が発表されました。今回で8回目となる国内動画広告の市場調査によると、国内動画広告市場は2025年に1兆円規模になる見込みとのことです。
調査では、今後特に目立って成長するのはインフィード広告であろうと予測されています。
ここでは、株式会社サイバーエージェントによる「2021年国内動画広告の市場調査」に基づき、動画広告市場の今後について詳しく紹介します。
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2021年国内動画広告の市場規模は4,205億円と予測
サイバーエージェントが実施した2021年国内動画広告の市場調査によると、2021年の動画広告市場は4,195億円に達し、4年後の2025年には1兆円規模に達するとの予測になっています。
2021年の動画広告市場の4,195億円という数字は、昨年対比142%です。コロナの影響により動画配信サービスが好調なこともあり、動画広告市場は急速な成長を見せています。
コンテンツ間表示タイプの広告の伸びが大きい
(引用:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査)
サイバーエージェントの調査によると、2020年から2021年にかけて伸び率が大きかった動画広告は、インストリーム広告とインフィード広告となっています。
インストリーム広告もインフィード広告も、動画配信サービス内にあるネイティブコンテンツの間に入り込むようにして表示される広告です。
例えば、YouTubeのインストリーム広告は、TVでいうところのスポンサー企業のCMのような広告です。動画の最初もしくは動画再生中の特定時期か動画最後に表示されます。
インフィード広告の例をYouTubeとTwitterで紹介します。YouTubeのインフィード広告は、再生されている動画の関連動画として表示される広告のことです。TwitterなどのSNSの場合は、コンテンツとコンテンツの間に表示される広告です。
インストリーム広告もインフィード広告も、「普通の投稿と同じような形式で表示される」という共通点があり、ユーザーがコンテンツを閲覧しているときに表示されます。
広告でありながら通常の投稿に違和感なく溶け込むことで、ユーザーは違和感を持つことなく広告を閲覧してくれます。
もっと詳しく動画広告の種類について知りたいという方は、こちらの関連記事をご参考ください。
動画広告へのユーザーの反応はどうなっているのか
動画広告市場はこれから大きく広がっていく予測が立っています。現在も大きな活況を見せていますが、動画広告に対するユーザーの反応はどうでしょう。
サイバーエージェント以外の調査会社が調査した内容によると、動画広告を視聴するユーザーは増えているものの、必ずしも全てのユーザーが動画広告に対してポジティブなイメージを持っているわけではないようです。
動画視聴サービスは広告があっても無料がいい
まず、動画視聴サービスを利用している最中に広告があってもいいかどうかについて、総務省による平成28年の情報通信白書を参考に見ていきましょう。
平成28年の情報通信白書によるとYouTubeなどの動画共有サービスの利用者は増加し続けています。平成28年はコロナ以前ですが、近年はコロナ禍ということもありYouTube以外の動画配信・サブスクリプションサービスも好調に利用者を伸ばしています。
また、同白書によると、日本は動画共有サービス利用者の全年齢で「有料で広告なし」よりも「無料で広告あり」の方が好ましいと考えている方が多いです。
30代以前の年代では「有料で広告なしの方が好ましい」という割合が多い傾向がありますが、30%に満たず全体としては少数派になります。
参考外部リンク:総務省|平成28年版 情報通信白書|ネット動画視聴の広がり
動画共有サービスはながら見される傾向がある
次に動画サービスの使われ方を見ていきましょう。
株式会社GLAPentertainment(グラップエンターテイメント)が20代から40代の男女869名を対象に実施した「YouTubeと動画視聴に関するユーザーアンケート調査」によると、動画視聴時は、「動画に集中する」と「ながら見する」という回答が60%近い結果になっています。
動画に集中する派とながら見する派に男女差はなく、YouTubeを勉強中や作業中に単に再生させておき、BGM代わりに使うというユーザーが多いという結果になっています。
また、同調査によると、YouTube視聴中の広告は「すぐさまスキップ派」が70%にもなりました。つまり、動画本編への集中もそこそこに、広告が入った場合に手が空いていればすぐにスキップされてしまうという状況ということです。
ただし、興味のある広告であるなら最後まで視聴し、広告サイトへ飛ぶこともあるようなので、ペルソナに合った広告であれば効果が見込めるとも考えられます。
参考:株式会社GLAPentertainment「YouTubeと動画視聴に関するユーザーアンケート調査」
調査内容DL申込ページ:株式会社GLAPentertainment
動画広告に不快感を持つユーザーもいる事実
Webサイトに出現するバナー広告に不快感を持ち、アドブロック機能を利用するユーザーがいますが、動画広告でもそれ自体に不快感を持つユーザーがいます。
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティングが、2020年12月23日から2020年12月24日の2日間、20歳~69歳の男女1000人を対象に実施した「動画広告の接し方」のインターネットリサーチによると、動画広告について「嫌い」「どちらかといえば嫌い」と回答した方は64.2%にもなりました。
同調査によると、動画広告をスキップできるようになるまでの待ち時間についても「広告をしっかり見ることが多い」人はわずか8.0%となっています。
ペルソナ設定されているはずの動画広告について「自分向けだとほとんど感じない」人も60%以上となっており、自分にとって関係のない広告が本編再生を邪魔するために入ってくると感じているユーザーはかなりの数になりそうです。
この結果は、広告を見ることで企業イメージが下がる可能性を示唆しています。動画広告もWeb広告同様にユーザーに寄り添った、見ていてストレスを感じない広告作りが重要性を増すことになるでしょう。
参考:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」
利用者急増中のショート動画市場も目を離せない
TikTokに代表されるショート動画市場からも目を離せません。TikTok For Businessが2019年5月から6月と2020年3月から8月の両時期に調査した結果をまとめた「TikTokユーザー白書(2020.11)」を参考にユーザーの利用状況を見ていきましょう。
まず、ショート動画を閲覧する際「目的なく開く」人の割合が、ショート動画の場合、他のプラットフォーム平均の124.6%にもなります。「たまたま面白い動画に出会えるから開く」とした人も、他プラットフォーム平均の181.5%です。
目的を持って開くのではなく、暇つぶしや新しい発見の場としてショート動画を利用しているユーザーが多い様子がわかります。
ショート動画市場に対する広告を配信する場合は、ショート動画市場専用のクリエイティブでの配信が必須ということになるでしょう。
動画広告が重要なポジションを占める時代へ
今後も成長が期待される動画広告市場ですが、動画広告を適切なユーザーに届けCVに至らせるには、テクニックが必須です。
無料で見られるなら広告を許容するというユーザーは多いですが、「広告はないに越したことはない」と考えているユーザーが今後は増えていくでしょう。
購買対象としていないユーザーに広告が届いてしまうために、企業や商品のイメージが悪化してしまう可能性も否定できません。また、長時間鑑賞を基本とする動画と短時間のショート動画ではユーザーの鑑賞目的が大きく異なります。ユーザーの属性に合わせた動画広告運用の難易度も上がっていくことでしょう。
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