【業種別】広告審査完全ガイド!対策と注意点を解説

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「自社の業界は広告審査が厳しいと聞くが、具体的に何に気をつければいいかわからない」
「広告を出稿したのに、審査に落ちてしまった…」

そんな悩みを抱える広告主様や代理店の担当者様は多いのではないでしょうか。

Web広告には、GoogleやYahoo!などの広告媒体(プラットフォーム)による審査が必ず存在します。特に、消費者の生活や財産に大きな影響を与える可能性のある特定のジャンル・業種では、関連法規や媒体独自の基準に基づき、非常に厳格な審査が行われます。

この記事では、広告審査において特に注意が必要とされる主要なジャンル(金融、求人、健康食品・化粧品、医療、中古品販売)を取り上げ、それぞれの分野で遵守すべき法律や、審査でチェックされる具体的なポイント、NGとなりやすい表現などを徹底的に解説します。

この記事を最後まで読めば、業界特有の広告審査の注意点が明確になり、審査落ちのリスクを最小限に抑え、スムーズな広告出稿を実現するための知識が身につきます。

なぜ広告審査はジャンル・業種によって厳しさが違うのか?

まず初めに、なぜ広告審査は取り扱うジャンルや業種によって、その厳しさに違いがあるのでしょうか。

広告審査の基本的な目的は、大きく分けて3つあります。「ユーザー(消費者)の保護」「広告の品質担保」そして「広告媒体(プラットフォーム)自体の信頼性維持」です。不快な広告や詐欺的な広告が溢れれば、ユーザーはその媒体から離れてしまい、結果として媒体の価値が下がってしまうためです。

審査基準は、主に「関連法規」と「媒体独自のポリシー」という2つの大きな要素で構成されています。

「関連法規」とは、国が定めた法律(例:薬機法、景品表示法、金融商品取引法など)の遵守を指します。これはどの広告媒体であっても共通して求められる絶対的な基準です。

一方で「媒体独自のポリシー」とは、GoogleやYahoo!、SNS媒体などがそれぞれ独自に定めているルールです。「ユーザー体験を損う」と媒体が判断する表現や、特定の業界に対する独自の厳しい基準(例:アフィリエイトサイトへの制限など)がこれにあたります。

では、なぜ特定のジャンルは特に審査が厳しいのでしょうか。

それは、それらのジャンルが、消費者の「健康」や「財産」といった非常に重要な事柄(いわゆるYMYL: Your Money or Your Life領域)に重大な影響を与える可能性があるからです。

例えば、健康に関する誤った情報が広がれば、人々の生命や身体に危険が及ぶかもしれません。また、金融商品に関する不正確な情報が、多大な金銭的損失を生む可能性もあります。

こうしたリスクの高い分野では、誤った情報による被害を防ぐため、関連する法律(薬機法、金商法、医療法など)による規制が元々強くなっています。広告媒体は、これらの法律を遵守することはもちろん、自社の信頼性を守るため、さらに上乗せする形で厳しいポリシーを設けているのです。

この記事では、こうした背景から特に審査が厳格化されている以下の「5大ジャンル」に焦点を当てて解説していきます。

  • 金融関連
  • 求人関連
  • 健康食品・化粧品
  • 医療関連
  • 中古品販売・リユース事業

ご自身のビジネスがこれらに該当する場合、あるいはクライアントがこれらの業種である場合は、ぜひこの先の章を読み進めてください。

金融関連の広告審査のポイント

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金融ジャンルは、広告審査において最も厳格なチェックが行われる分野の一つです。投資、貸金(キャッシング・ローン)、保険、FX(外国為替証拠金取引)、暗号資産(仮想通貨)など、顧客の「財産」に直接関わるため、広告表現には最大限の注意が求められます。

この分野の審査は、主に以下の法律に基づいて行われます。

関連法規主な対象主な規制・禁止事項
金融商品取引法(金商法)投資信託、株式、FXなど誇大広告の禁止、リスクの明示義務
貸金業法消費者金融、ローン利率の明示、安易な借入れを助長する表現の禁止
保険業法生命保険、損害保険誤解を招く比較、有利誤認の禁止
消費者契約法金融商品を含む消費者契約全般不実告知、断定的判断の提供の禁止

具体的な広告表現の注意点(NG例・必須表示事項)

これらの法律に基づき、金融ジャンルの広告では以下のような表現が厳しく制限されます。

【NG表現の例】

「元本保証」「確実に儲かる」「リスクゼロ」「たった1ヶ月で資産10倍」
→投資や金融商品に「絶対」はありません。断定的な表現・利益の保証は、金商法などで明確に禁止されています。

「一攫千金」「今すぐ始めないと損」「あなたも億り人に」
→合理的な判断を妨げ、過度な投機を助長する表現はNGです。

「誰でも借りられる」「審査不要」「収入がなくてもOK」
→借入は計画的に行うべきものであり、安易な利用を促す表現は固く禁じられています。

【必須表示事項の例】

リスクに関する記述
→「本商品は元本割れのリスクがあります」「為替変動により損失が生じる可能性があります」など、商品特有のリスクを明確に、かつ分かりやすい場所に表示する必要があります。

手数料・費用
→売買手数料、信託報酬、口座維持手数料など、顧客が負担する費用を明記しなければなりません。

会社概要と登録番号
→広告主の正式名称、住所、そして「関東財務局長(金商)第○○号」や「貸金業登録番号 第○○号」といった、金融庁や都道府県から受けたライセンス・登録番号の明記が必須です。

媒体別の傾向と「投資助言」「比較サイト」の注意点

近年、GoogleやYahoo!などの媒体は、暗号資産や複雑なデリバティブ商品(FXなど)に関する広告ポリシーを特に厳格化しています。また、客観性に欠けるアフィリエイトサイト(金融商品の比較・まとめサイト)に対する審査も厳しくなっています。

「投資助言」にあたる広告とは?

「どこからが“投資助言”にあたるのか?」という点について補足します。金商法における「投資助言」とは、具体的な金融商品(例:「A社の株は買いだ」)の価値や投資判断について助言を行うことを指し、これを行うには専門の登録が必要です。無登録業者がこれを行うことは違法であり、広告審査でも厳しくチェックされます。

「比較サイト」はどこまで許される?

比較サイトやランキングサイト自体が禁止されているわけではありません。しかし、比較やランキングには客観的な根拠が必須です。

「当サイトおすすめNo.1」といった主観的な順位付けや根拠が不明瞭なランキングは、景品表示法における優良誤認や各媒体のポリシー違反とみなされる可能性が非常に高くなります。ランキングの根拠(例:「2025年○月度 申込件数順」など)を明確に表示することが求められます。

このジャンルで最も重要なのは、「ライセンスや登録番号が明記されているか?」そして「リスクや手数料が適切に表示され、断定的な表現で消費者に誤解を与えていないか?」という点です。

求人関連の広告審査のポイント

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求人・転職ジャンルの広告は、個人の「職業選択の自由」や「労働条件の公正性」に深く関わるため、審査基準が厳しく設定されています。

この分野で特に遵守が求められるのは、以下の法律です。

関連法規主な規制・禁止事項
職業安定法「虚偽または誇大な労働条件の提示」の禁止。給与、勤務時間、業務内容などの正確な表示義務。
労働基準法法定の最低賃金、労働時間、休日などの法定基準の遵守。
男女雇用機会均等法募集・採用における性別による差別の禁止。
雇用対策法募集・採用における年齢制限の原則禁止(例外事由の明示が必要)。

具体的な広告表現の注意点(NG例・必須表示事項)

これらの法律に基づき、求人広告では公正さと透明性が求められます。

【NG表現の例】

性別による差別的表現:「男性歓迎」「女性のみ募集」「営業マン募集」
→「営業スタッフ募集」など、性別を特定しない表現に修正する必要があります。

年齢による制限表現:「20代限定」「35歳までの方」
→雇用対策法により原則禁止です。ただし、「長期勤続によるキャリア形成を図るため、○○歳以下の方を募集」といった例外事由を明記すれば認められる場合があります。「20代が活躍中」といった「事実」の記載はOKですが、「20代を求めている」と解釈される「限定」表現はNGです。

国籍や身体的特徴などによる制限:「日本人限定」「○○地方出身者歓迎」「容姿端麗な方」
→業務の遂行に合理的理由がない限り、差別的な表現として禁止されます。

虚偽・誇大な表現:「誰でも月収100万円可能」「楽して稼げる」「クリックするだけの簡単なお仕事」
→職業安定法違反です。具体的な業務内容と、合理的な給与体系を示す必要があります。

労働条件が不明確・違法な表現
→「給与は応相談」(最低額の記載が必要)、「最低賃金を下回る給与提示」、「固定残業代(みなし残業代)の計算根拠や超過分支給の有無が不明確」

【必須表示事項の例】

項目記載内容
業務内容具体的にどのような仕事をするのか
給与月給、時給などの具体的な金額(例:「月給25万円~」)。「応相談」のみはNG
勤務地就業場所
労働時間・休日始業・終業時刻、休憩時間、休日日数など
雇用形態正社員、契約社員、アルバート・パートなど
募集主(会社名)誰が雇用するのかを明確にするため、会社名や住所の記載が必須

求人関連ジャンルのチェックポイントは、「応募資格に不当な制限(性別、年齢など)がかけられていないか?」そして「給与や業務内容といった労働条件が、具体的に、かつ法律を遵守して明記されているか?」という点です。

「主婦歓迎」はOK?年齢制限の例外とは?

実務でよく迷うのが、「主婦歓迎」といった表現です。これは一見、差別意図がないように思えますが、媒体によっては、性別役割分業(家事・育児は女性が担うもの)を助長する表現として、男女雇用機会均等法の観点からNGとされる可能性があります。「扶養内勤務OK」や「未経験者歓迎」など、属性ではなく条件で表現するのが望ましいでしょう。

また、「年齢制限の例外事由」とは、雇用対策法で定められた特定のケースを指します。代表的なのは「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」です。この場合も、「なぜその年齢でなければならないのか」という理由を明記する必要があります。

健康食品・化粧品の広告審査のポイント

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健康食品や化粧品のジャンルは、広告審査において「薬機法(やくきほう、やっきほう)」との戦いと言っても過言ではないほど、非常に厳格な規制が敷かれています。これは、広告内容が人の健康や身体に直接関わるためです。

最重要法規:薬機法と景品表示法

健康食品・化粧品ジャンルの広告で、特に重要となるのが「薬機法」と「景品表示法」です。それぞれの概要を解説します。

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)

薬機法の最も重要なポイントは、医薬品と健康食品・化粧品を明確に区別し、後者が「医薬品的な効果効能」を謳うことを固く禁止している点です。

  • 医薬品:病気の「治療」「予防」を目的としたもので、厚生労働省の承認が必要
  • 健康食品・化粧品:あくまで「健康の維持・増進」や「美容(清潔・美化)」を目的としたもの

健康食品や化粧品の広告で、医薬品でしか認められていない効果効能(例:「病気が治る」「シミが消える」)を標榜した場合、無承認の医薬品を広告したとみなされ、薬機法違反となります。

景品表示法(景表法)

薬機法と並んで重要なのが景品表示法です。これは、消費者を誤解させるような不当な表示を禁止する法律です。主に以下の3点が問題となります。

規制の種類主な内容と具体例
優良誤認商品の品質や効果が、実際よりも著しく優れていると誤解させる表現(例:客観的根拠がないのに「売上No.1」と謳う)。
有利誤認価格や取引条件が、実際よりも著しく有利であると誤解させる表現(例:「今だけ半額」としながら実際には長期間同じ価格で販売している)。
ステルスマーケティング(ステマ)規制2023年10月から施行。広告主が関与しているにもかかわらず、それを隠して(広告と明示せず)商品を紹介することを禁止する。広告には「#PR」「#広告」などの明記が必須。

具体的な広告表現の注意点(NG例・OK例)

薬機法の規制は非常に細かく、以下の表現は原則としてNGとなります。

【NG例】

病気の治療・予防
→「飲むだけで痩せる(肥満の改善)」「免疫力アップ(病気の予防)」「生活習慣病の予防」「血液サラサラ」

身体の変化
→「体脂肪が燃焼する」「腸内環境が改善する」「シミが消える」「シワがなくなる」「肌が再生する」「リフトアップする」

アンチエイジング
→「若返る」「老化を防ぐ」

【OK例】

健康食品
→「毎日の健康維持に」「不足しがちな栄養素を補給」「スッキリした毎日をサポート」

化粧品
→「肌にうるおいを与える」「乾燥を防ぐ」「肌のキメを整える」「(メーキャップ効果により)肌を明るく見せる」

※化粧品では、効果の範囲が56項目に限定されており、例えば「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表現は、実証データがあれば認められています。

ビフォーアフター写真の使用も非常に厳格です。単なる使用感(例:化粧水が肌になじむ様子)を示す程度なら可能ですが、シミが消えたりシワがなくなったりするような、医薬品的な効果を示すビフォーアフターは薬機法違反とみなされます。

トクホや個人の感想ならOK?

トクホ(特定保健用食品)や機能性表示食品とは、国が定めた基準に基づき、特定の保健の目的(例:「お腹の調子を整える」「脂肪の吸収を穏やかにする」)を表示することが許可された食品です。ただし、許可された範囲内の表現しかできず、それ以外の誇大広告(例:「飲めば痩せる」)は当然NGです。

「個人の感想(体験談)」ならOKというわけでもありません。広告実務で最も陥りやすい罠の一つがこれです。「※個人の感想です」という注釈(いわゆる「個人の感想」マーク)を付ければ、どんな表現でも許されると思われがちですが、これは大きな間違いです。個人の感想であっても、それが医薬品的な効果効能を暗示・保証するもの(例:「これを飲んだら長年の悩みがスッキリ!」)であれば、薬機法違反とみなされる可能性が非常に高くなります。

医療関連の広告審査のポイント

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クリニック(病院、診療所)、歯科医院、医薬品情報といった医療ジャンルは、人の「生命」や「健康」に直結するため、広告審査は最も厳しい水準で運用されています。情報の非対称性(患者は専門知識を持たない)が高いため、患者が不利益を被らないよう厳しく保護されている分野です。

最重要法規:「医療法」と「医療広告ガイドライン」

医療広告の最大の特徴は、薬機法や景表法に加え、「医療法」および厚生労働省の「医療広告ガイドライン」によって、“広告可能な事項が限定されている” ことです。

原則として、広告で謳って良いのは、以下のような客観的な事実に限られます。

  • 医師の氏名、経歴、専門医資格
  • 病院の名称、住所、電話番号
  • 診療科目、診療時間、休診日
  • (その他、ガイドラインで定められた事項)

広告が禁止される主な内容

ガイドラインでは、患者を不当に誘引する可能性があるとして、以下の内容を広告することを厳しく禁止しています。

禁止される広告の種類概要NG表現の例
比較優良広告客観的な事実であったとしても、他の病院と比較して自院が優れていると示す表現は原則NG。「日本一の〇〇手術」
「No.1ドクター在籍」
「当院は他の病院よりも優れている」
誇大広告医療に「絶対」はなく、患者に誤った期待を抱かせるため禁止。「絶対安全な手術です」
「必ず治ります」
「100%の成功率」
患者等の主観に基づく体験談患者個人の感想は、他の患者にも同じ結果が当てはまるとは限らず、治療内容の誤認を招くため禁止。(※条件付きで認められる場合は有)「先生がとても優しかったです」
「おかげで(病気が)すぐに良になりました」
術前術後の写真(ビフォーアフター)写真の加工や、特定の良い事例だけを掲載することで、患者に過度な期待を抱かせるため原則禁止。説明が不十分な術前術後の写真
公序良俗に反する内容費用を過度に強調する表現なども禁止。「〇〇治療がたったの500円!」

「広告可能事項の限定解除」とは?

ここまで読むと、「では、なぜ病院のWebサイト(ランディングページ)には、治療内容や費用、ビフォーアフター写真が載っているのか?」と疑問に思うかもしれません。

これが、医療広告の最も複雑なルールである「広告可能事項の限定解除」です。

ガイドラインでは、以下の要件をすべて満たした場合に限り、広告可能な事項の限定が解除され、Webサイトなどでより詳細な情報(自由診療の治療内容、費用、リスク、副作用、ビフォーアフター写真※など)を掲載できるとしています。

  • (1)医療に関する適切な情報提供(問い合わせ先など)が明記されている
  • (2)患者が自ら情報を求めてアクセスするWebサイト等である
  • (3)自由診療の場合、その費用、リスク、副作用などを明確に記載している
  • (4)その他、ガイドラインの要件を満たしている

※ビフォーアフター写真を掲載する場合も、治療内容、費用、リスク、副作用を併記するなどの厳しい条件があります。

重要なポイントは、リスティング広告やバナー広告の「広告文」や「クリエイティブ」自体は、通常(2)の「患者が自ら求める媒体」とはみなされず、限定解除の対象外となる点です。

つまり、「広告文」には原則として広告可能な事項(病院名、診療科目など)しか書けませんが、その「リンク先のWebサイト」では、限定解除の要件を満たせば、より詳細な情報を掲載できる、という違いがあります。

美容医療の広告(自由診療)を行う場合は、この「限定解除」の要件を正しく理解し、Webサイト内に、治療費用の総額、考えられるリスクや副作用を、分かりやすく明記することが審査通過の絶対条件となります。

中古品販売・リユース事業の広告審査のポイント

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中古品販売、ブランド品の買取、リユース事業(遺品整理含む)といったジャンルも、広告審査で注意が必要な分野です。一見、規制が緩そうに見えますが、特定の法律が厳しく関わってきます。

最重要法規:「古物営業法」

このジャンルで審査される理由は、「盗品の流通防止」と「消費者の適正な取引の保護」です。その根幹となるのが「古物営業法」です。

営利目的で古物(中古品)を売買・交換・レンタルするには、事業所を管轄する都道府県の公安委員会(警察)から「古物商許可」を取得することが法律で義務付けられています。

古物商は、自社のWebサイトや広告に、「許可を受けた公安委員会名」「許可番号」「氏名または名称(法人の場合は法人名)」を、見やすい位置に正しく表示する義務があります。

広告媒体の審査ポイント

GoogleやYahoo!などの広告媒体は、中古品販売や買取サービスの広告主に対し、この「古物商許可」の取得を必須条件としているケースがほとんどです。

審査プロセスにおいて、広告主のWebサイトに、前述の「許可番号」「公安委員会名」「氏名または名称」が正しく記載されているかどうかが厳しくチェックされます。これらの記載が確認できない、あるいは記載されていても番号が間違っている場合、広告は掲載不可となります。

「不用品回収」や「遺品整理」の注意点

単なる「中古品の買取」のつもりでも、広告表現によっては他の法律が関わってくるため注意が必要です。

まだ価値のあるものを「買い取る」のではなく、価値のないもの(ゴミ)を「処分する」場合は、「古物商許可」ではなく、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や「産業廃棄物処理業許可」が必要となります。無許可の業者が不用品回収やゴミ処分を謳う広告を出すことは違法であり、広告媒体も禁止しています。

遺品整理において、故人の物品を「買い取る」場合は「古物商許可」が必要です。遺品を「処分する」場合は、上記と同様に「一般廃棄物処理業許可」が必要です。遺品整理サービスを広告する際は、自社がどの範囲の業務を、どの許認可に基づいて行っているのかを明確にしなければいけません。

フリマサイトとの違いや「高価買取」表現は?

「フリマサイトでの個人売買も許可が必要?」という疑問もありますが、個人が自分の不要品を売る場合(営利目的でない、反復継続していない)は、古物商許可は不要です。ただし、利益目的で安く仕入れて転売を継続して行う場合は、営利目的とみなされ、許可が必要になる可能性があります。

また、「高価買取」という表現自体は禁止されていませんが、「地域No.1の買取価格」「他店より必ず高く買い取ります」といった表現は、景品表示法の優良誤認にあたる可能性があります。客観的な根拠がない比較表現は避けるべきです。

まとめ

本記事では、広告審査で特に注意が必要な5大ジャンル(金融、求人、健康食品・化粧品、医療、中古品販売)について、それぞれの関連法規と審査のポイントを解説しました。

どのジャンルにも共通して言えるのは、そこには必ず「消費者(ユーザー)を保護するための法律」と「媒体(プラットフォーム)の信頼性を守るためのポリシー」が存在するということです。広告審査に落ちるということは、このどちらか(あるいは両方)の基準に抵触している可能性が高いことを示しています。

まずは、ご自身の(あるいはクライアントの)広告が、この記事で解説したポイント、特に各ジャンル特有の法律やガイドラインに抵触していないか、広告文やクリエイティブ、そしてリンク先のランディングページを再点検してみてください。

関連法規や媒体のポリシーは、社会情勢や技術の進歩に合わせて頻繁に更新されます。一度審査に通ったからといって安心せず、常に最新情報をキャッチアップし、コンプライアンスを遵守する姿勢が、長期的な広告効果の最大化につながります。

著者(writer)
Sienca 事務局

リスティングをはじめとした運用型広告など、インターネット広告全般の運用サポートを実施しております。BtoCからBtoBまで様々なクライアント様の広告運用により得た知見を基にブログをお届けします。

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