【2024年最新】人気SNS広告比較!国内利用状況、ユーザー層、各広告の特徴
SNSでマーケティング活動を行う企業にとって、どのようなユーザーが何のプラットフォームを使用しているのか、どのタイプのコンテンツが最適に機能するのか把握して広告を選ぶことが重要です。この記事では、日本のSNS利用状況と各SNS広告の独自性、それぞれの最適なマーケティング手法について紹介します。
日本のSNS利用状況
SNSは世界各国で利用状況が大きく異なるため、日本(もしくは広告配信したい国)の利用状況と照らし合わせながらマーケティング戦略を考える必要があります。まずは近年日本におけるSNS利用状況と傾向です。
出典(LINE:2023年9月時点LINE公式より、YouTube:2023年10月時点グーグル日本法人発表、X:2023年1月時点statistaより、Instagram:2023年11月時点MetaMarketingSummitJapan2023発表、TikTok:2023年10月時点statistaより、facebook:2022年2月時点statistaより)
日本は高齢化社会と人口減少のため、SNSの普及率は世界の他の地域に比べて比較的低い
若者をターゲットにしたSNSマーケティング戦略がより重要となります。
2023年9月時点で、日本のSNS全体のアクティブユーザー数は1億200万人以上
2023年の日本のインターネット普及率は約93%に達しており、人口の大多数が何らかの形でSNSを利用していることを示唆しています。
メッセージアプリとして利用されているLINEが長年トップ
強いブランド認知と使い勝手の良さから幅広い年齢層に利用され続けています。
X(旧Twitter)がランク3位であるほど人気なのは匿名が好まれる日本の特徴
ユーザーが社会的なリスクを避けつつ自由に意見交換をするためのプラットフォームとして好まれています。
InstagramやTikTokでは、インフルエンサーマーケティングが依然として増加している
ビジュアルコンテンツの消費は引き続き増加傾向にあります。
アメリカで一番利用者数が多い実名制のFacebookは、日本だと主にビジネス向け
BtoBマーケティングにおいては、Facebookが有効なプラットフォームであることがわかります。
【平成24年~令和4年SNS/アプリ等の利用状況推移】
Facebookのみ令和4年を境に減少傾向だが、主要SNSの利用率は上がり続けています。
【全年代別SNS/アプリ等の利用率】
動画共有系では「YouTube」の利用率が高く、10代から30代で90%を超過。「TikTok」は10代が圧倒的割合を占めます。
出典:総務省-情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査-令和5年度(2023年度)調査結果報告書
SNS広告比較
最近はどのSNSも広告フォーマット(ショート動画広告、ショッピング広告など)やターゲティングが追加・改善され、広告機能における優劣の差をつけがたい状況です。
そのため、ユーザー層やコンテンツ内容の向き不向きを理解することが重要な選定ポイントとなります。
ユーザー層 | 適したコンテンツ | 得意な戦略 | 短所 | |
LINE |
・若年層から中年層 | ・スタンプ広告 ・チャット広告 ・ニュースフィード広告 |
・ダイレクトメッセージ ・リアルタイムプロモーション ・タイムライン広告 |
ユーザー情報が名前と生年月日のためターゲティング精度は低め |
YouTube |
・広範囲の年齢層、ユーザー数 | ・ハウツービデオ ・製品レビュー ・ブランドストーリー |
・SEO最適化された動画コンテンツ ・カスタマージャーニー各ステップに合わせた動画広告 |
スキップ機能による広告の視聴率低下 |
旧Twitter |
・最新ニュースに敏感 ・割引情報を巡回しているユーザー |
・トレンドトピック ・リアルタイムイベント |
・タイムリーなトピック ・ハッシュタグキャンペーン |
急速に流れていくタイムラインの仕様上、広告の寿命が短い |
・ミレニアル世代 ・ファッションやライフスタイルに興味があるユーザー |
・高品質な画像投稿 ・ストーリーズ |
・BtoC ・インフルエンサーコラボ |
高い競争率と広告コスト。クリエイティブな要求が高い | |
TikTok |
10代から20代前半 | ・ショート動画 ・音楽やダンスチャレンジ |
ユーザー生成コンテンツキャンペーン | いまだ若年層に集中している傾向があり他の年代にリーチしにくい |
30代以上のビジネス情報に興味が強いユーザーが多い | ・ニュースフィード広告 ・イベントプロモーション |
・BtoB ・リターゲティング |
オーガニックリーチの継続的な低下 |
【世代区分について】
Z世代:1997年以降に生まれた人々で、2023年時点で26歳以下。デジタルネイティブとしてテクノロジーとソーシャルメディアに精通している。
ミレニアル世代:1981年~1996年に生まれ、2023年時点で27歳~42歳。グローバル化やインターネットの普及を経験してきた世代。
ジェネレーションX世代:1965年~1980年に生まれ、2023年時点で43歳~58歳。バランスを重んじる傾向があり、技術革新の波をリアルタイムで体験してきた世代。
ベビーブーマー世代:1946年~1964年に生まれ、2023年時点で59歳~77歳。戦後の高い出生率により形成された世代であり、経済成長を享受してきたが現在はリタイアメントに向かっている。
LINE広告
日本で最も利用者の多いSNS「LINE」は、国内で9,500万人を超える月間アクティブユーザーがおり、ライフラインの一つとして定着しています。
今ではメッセージアプリとして認知されているLINEですが、もともとは2011年の東日本大震災で通常の通信インフラが使用できず、インターネット接続を使用する通信アプリが必要となり、災害対応アプリとしてスタートしています。
↑若年層から成人にかけて幅広い層に利用され日本国内での普及が著しい
LINE広告の内容・特徴
LINEはニュースに自然に溶け込むタイムライン広告や、公式アカウントページでの直接的なエンゲージメントを促進する広告が特徴です。他、スタンプ広告やリッチメッセージ広告を通じたブランド露出、LINEポイント広告によるユーザー関与を高める仕組みの広告など、バラエティ豊かな広告の種類があります。
2023年10月1日、LINEとYahooが合併し新会社LINEヤフーが発足しました。
両プラットフォームを合わせたユーザー数の大幅拡大や、広告機能のグレードアップが話題です。Yahoo広告からLINEアプリへの広告配信も可能です。
YouTube広告
日本はYouTubeが非常に人気で、グーグル日本法人の発表による2023年10月時点の月間アクティブユーザー数は7120万人であり、世界のYouTube訪問者数第3位です。エンターテイメント目的のアプリとしては国内で実質一番人気のSNSと言えます。
最近はYouTubeショートの再生数が著しく、若年層向けとされていたショート動画をYouTubeならではの幅広い層とジャンルをもって急拡大させています。
また、YouTubeはGoogleに次ぐ第二の検索エンジンゆえの、圧倒的リーチ数とSEO効果も強力です。
↑エンターテイメント、教育、情報提供など多岐にわたる用途により全年齢層で利用者が増加している
YouTube広告の内容・特徴
YouTube広告の特徴は何と言っても多様な動画フォーマットです。縦横長短と様々な種類の動画広告形式があり、動画広告に特化したキャンペーン目的や機能も豊富に取り揃えています。Google広告プラットフォームならではの詳細なターゲティングを自在に組合せ、多岐に渡る動画広告の企画が可能であり、優れた分析機能も相まって詳細な数値管理ができる点も大きな魅力です。
動画広告なら一度は試したいプラットフォームです。
X(旧Twitter)広告
世界で利用者数が減少しているXですが、日本は米国に次いで世界第2位の6,700万人の利用者がいます。
LINEと同様にXの人気のきっかけは2011年の東日本大震災であり、最新の情報源とコミュニケーション手段として活用され、同年Xの日本ユーザー数は33%増加しました。
他に日本でXが人気な理由は、匿名アカウントでの使用にあると考えられます。
日本のユーザーが自由に意見を表明できるXは市場調査員によるソーシャルリスニングに最適なプラットフォームでもあります。
↑一番バランスが良い。Z世代からジェネレーションX世代にかけて均等に分布しており、幅広い年齢層に利用されている
X(旧Twitter)広告の内容・特徴
X広告はトレンドやイベントに合わせたタイムリーな広告がマッチします。
例えば、ワールドカップのサッカー試合中にスポーツ用品の広告を流したり、人気のテレビ番組が放送されている際に、ハッシュタグを使って関連する広告を予約投稿できます。
また、昨今どのSNSにも付属しているアンケート投稿はXが発端であり、高い回答率を得られるのもXの持ち味が成せる技です。
トレンドセクションに自社のハッシュタグを表示させる広告や、検索連動型キーワード広告など、新しい広告がどんどん増えています。
Instagram広告
日本のインスタグラムユーザーは6,600万人で、最大視聴年齢数は 18〜29歳と言われ、月間1億時間以上 Instagramが利用されています。
顕著な傾向として、日本の1日あたりのストーリー数700万件は世界第1位です。エンゲージメント率も非常に高く、世界第2位の4.93%となっています。
さらに、日本のインフルエンサーはどのインフルエンサーカテゴリーでも高いエンゲージメント率を誇っています。
↑Z世代とミレニアム世代の間でほぼ均等な分布を示している
Instagram広告の内容・特徴
Instagram広告は、高品質なビジュアルとユーザー参加型コンテンツによるエンゲージメントの高さが際立っています。ストーリーズ、フィード、ダイレクトなど多様な広告フォーマットによる顧客との関係を築く機能が充実しています。それらの広告機能とインフルエンサーの連携やショッピング機能を活用し、主にBtoCに向けた直接的な製品プロモーションが得意です。
Instagram広告は、特にミレニアル世代やZ世代に強く、最近では男性ユーザーも増えているため様々なサービス形態の広告の成果を期待できます。
Facebook広告
世界で最も人気なFacebookは、 日本ではそれほど普及しておらず、主にビジネス目的で男性に多く使用されていることが特徴です。
しかし、依然として2,000万人以上のユーザーがおり、かつビジネス情報に敏感なユーザーが多いことは、SNSのエンタメ性が合わないサービスにとってはピンポイントの魅力と言えます。
↑唯一ジェネレーションX世代がトップでZ世代が少ない傾向
Facebook広告の内容・特徴
BtoB市場が強いとされているFacebook広告は、業界、職種、職位、関心事などに基づいたビジネス関係者へのリーチが得意です。
専門的なコンテンツやサービスの詳細情報を提供したり、製品デモの予約、資料ダウンロードの促進、ウェビナーのプロモーションにも適しています。
長期的なブランド認知と信頼の構築が進めば、ウェブサイト訪問者や過去のリードに対する再アプローチも行いやすいです。
TikTok広告
比較的新しいショート動画プラットフォームのTikTokは、日本では月間2,500万人のアクティブユーザーがいます。
2017年の日本進出当初は、ダンス動画やリップシンク動画(「歌ってみた」など映像と人物の口の動きとセリフを合わせる)を投稿するアプリとして若年層メインに使用されていましたが、最近ではグルメ情報、料理、ペット、豆知識からビジネス系までコンテンツの幅が広がり、ユーザーの平均年齢は少し上の世代にもリーチできるようになってきました。
↑Instagramと似た傾向の割合。10代が最も多いSNS
TikTok広告の内容・特徴
TikTok広告の中核をなすのは「ハッシュタグチャレンジ」です。
ユーザーが特定のハッシュタグを付けて自分の動画を投稿することで、ブランドのキャンペーンに参加しながら同じタグ付けしているフォロワー同士で繋がり巨大なコミュニティを形成します。
他にもおすすめ欄に表示され一般の投稿と見分けがつきにくい5~15秒の「広告っぽさ」が少ない広告や、アプリの起動画面をジャックする「起動画面広告」など独自の広告タイプがあります。
加えて、TikTokはエフェクトやフィルターなどの様々なクリエイティブ加工ツールがあり、ユーザーとブランドがオリジナルのコンテンツを作成できる環境を整えています。
SNS広告のメリット
インタラクティブなエンゲージメント
- SNS広告はユーザーとの双方向のコミュニケーションを促進し、より深いエンゲージメントを築きます。
- 投稿へのコメント、シェア、いいねなどの形でブランドとユーザーの間の相互作用が生まれます。
- ユーザーの積極的な参加により、ブランドへの親近感と信頼感が高まります。
- コミュニティ内での自然な会話でブランドが語られることで、信頼性が高まります。
視覚コンテンツによる魅力的なストーリーテリング
- SNSは画像や動画を使った視覚的なストーリーテリングが最も生きるプラットフォームです。
- クリエイティブなコンテンツはただの普通な広告の効果を凌駕します。
- 視覚的な魅力はユーザーの記憶に残ります。
- ストーリーを通じて感情的なつながりを築き、ブランドへの関心を深めましょう。
ストーリーテリング
伝えたい思いやコンセプトなどを、それを想起させるような印象的な体験談やエピソードなどの「物語」を引用し、例示することで印象付ける手法
リアルタイムのトレンドとの同期
- SNSはリアルタイムのトレンドや話題に素早く反応し、広告キャンペーンを即座に調整できます。
- 時事ネタや流行りの話題を取り入れた広告が可能かつ効果的です。
- 時流に乗ったトレンドを活用することで、より関連性の高い広告を展開できます。
- ユーザーの関心を引きやすく、SNSならではのフレッシュな広告体験を提供しましょう。
ユーザー行動に基づくパーソナライズド広告
- SNSはユーザーの興味や行動に基づき、パーソナライズされた広告を提供することができます。
- 個々のユーザープロフィールと相互作用を基にした細分化されたターゲット設定が可能です。
- ユーザー一人ひとりに合わせたメッセージで、より関連性の高い広告を展開できます。
- パーソナライズされた広告はユーザーにとって価値が高く、反応率が上昇します。
まとめ
利用者数ランキングは参考の一つであり、利用者層と追随した効果の高い広告は常に変動します。SNS広告の進化のスピードはめざましく、日頃から最新の情報を得て比較・検討する必要があります。自社とのSNSの相性をお悩み、ご検討の方はお気軽にご相談ください。