Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?特徴やメリット、広告の始め方を解説

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Microsoftと言えば、OS(オペレーティングシステム)のWindowsシリーズや、Word、Excelなどのオフィスソフト(Microsoft 365)が有名です。仕事でMicrosoftの製品を1度でも利用したことのある、という方は多いのではないでしょうか。そのMicrosoftが手掛けるMicrosoft広告(マイクロソフト広告)は、検索広告やディスプレイ広告の機能を備え、Google広告、Yahoo広告に次ぐ新たな広告媒体として注目を集めています。

この記事では、Microsoft広告は他の広告サービスとどんな違いがあるのか、特徴やメリット、Google広告のアカウントからデータをインポートする具体的な手順について詳しく解説します。

Microsoft広告とは

Microsoft広告は、Microsoft社が提供する広告配信のプラットフォームです。日本では、2022年5月からサービス提供が開始されました。Google広告やYahoo広告と比較して後発のMicrosoft広告ですが、先行してサービス開始している海外では、2021年度の広告収入が100億ドル(日本円にして1.26兆)の規模に成長しており、日本国内でも高い関心が寄せられています。

Microsoft広告の配信面

Microsoft広告は大きく分けて検索広告とオーディエンス広告(ネイティブ広告・ディスプレイ広告)の2つがあります。

マイクロソフト広告の掲載面

検索広告は、Microsoft社独自の検索エンジン「bing」の検索結果に表示されます。オーディエンス広告は、Microsoft社のポータルサイト「MSN」や、ブラウザ「Microsoft Edge」のスタート画面、無料アカウントのOutlookに広告が表示されます。2022年7月には、Microsoft広告とNetflixが提携した広告付きの低価格プランを提供すると発表されました。海外では提携サイトへも広告を展開しており、今後は日本でも優良な提携サイトを増やしていく方針です。

Microsoft広告の種類

Microsoft広告には、日本未提供のものも含めて下記の広告メニューがあります。

  • レスポンシブ検索広告
  • 動的検索広告
  • Microsoft オーディエンス広告
  • ショッピング広告
  • バーティカル広告(一部業種のみ)

※以下日本未展開

  • マルチメディア広告
  • アプリ インストール広告
  • bing スマート検索での Microsoft広告

このうちショッピング広告はbingの検索結果に表示されるもので、他の広告媒体では扱っていない、Microsoft広告のみ出稿可能な広告枠です。バーティカル広告はMicrosoft独自の広告メニューで、登録されたデータフィードを元に、業種に特化した専門性の高い広告を動的に生成し、表示させることができます。

この他、広告メニューを跨いで広告配信ができるPerformance Max キャンペーンを作成することもできます。

Microsoft広告のメリット

Microsoft広告には、長年OSやアプリケーションを提供してきたMicrosoft社だからこそ出せる強みがあります。Microsoft広告のメリットについて、特に以下の4つを挙げて詳しく解説します。

  • Microsoft社が持つファーストパーティデータを活用したターゲティングができる
  • 購買力の高いビジネスパーソンへアプローチできる
  • Windows標準のブラウザ「Microsoft Edge」へ広告を配信できる
  • 他の広告媒体から配信設定をインポートできる

Microsoft社が持つファーストパーティデータを活用したターゲティングができる

Microsoft広告では、日本でも圧倒的なシェアを誇るWindowsや、Microsoft365利用者のユーザー属性や行動履歴を利用できます。これらのデータはMicrosoft社の製品を購入したユーザーが保有するファーストパーティーデータです。

広告配信では、これまで主にサードパーティーデータが利用されてきましたが、近年は個人情報保護の観点から利用が制限され、ユーザーの行動履歴を取得しづらくなっています。Microsoft広告は、サードパーティーデータに依存せず広告を配信できる強みがあります。

また、Microsoft社が傘下に持つ、ビジネス特化型のSNS「LinkedIn」のファーストパーティーデータも利用できます。LinkedInは多くのユーザーが実名で利用しているため、Microsoft製品利用者と合わせて精度の高いターゲティングが行えます。

購買力の高いビジネスパーソンへアプローチできる

Microsoft広告のオーディエンスは、他の広告媒体と比較して16〜24歳の若いユーザー層と、45歳以上の購買力のあるユーザー層が多いのが特徴です。特に購買力のある45歳以上は企業内でも決裁権を持つ人が多く、BtoB商材に向いています。

近年、コロナ禍で在宅勤務をする人が増え、仕事とプライベートを明確に区別しないライフスタイルが普及しつつあります。Microsoft社とフォレスター社が行ったアンケート調査によると、回答者の61%「勤務時間中に商品やサービスを定期的に検索・購入している」と答えました。こうした人々は「ワークデイコンシューマー(Workday Consumer)」と呼ばれ、新しい消費者層として注目されています。

ワークデイコンシューマーは仕事用のツールでプライベートな用事を済ますことも多く、興味のある製品やサービスを見つけると、勤務時間中でも購入につながりやすくなります。

Windows標準のブラウザ「Microsoft Edge」へ広告配信できる

2023年5月現在、日本国内のPCブラウザ利用率はChromeが62.7%、Edgeが20.6%です。日本では職場でのWindows普及率が高く、Windowsの標準ブラウザであるEdgeの利用者もかなりの数に上ります。

2023年5月のPCブラウザ利用率は、Chromeが62.7%、Edgeが20.6%
2023年5月のPCブラウザ日本国内利用率(引用元: StatCounter Global Stats

また、日本国内の検索エンジンの利用率も、PCだけで見るとbingは16%の高いシェアを持っています。先述のワークデイコンシューマーは仕事用のパソコンで検索や買い物をすることが多く、Microsoft広告と親和性が高いと言えます。

2023年5月の、日本国内の検索エンジンの利用率は、Googleが72%、bingが16%
2023年5月の検索エンジン日本国内利用率(PCのみ、引用元: StatCounter Global Stats

他の広告媒体から配信設定をインポートできる

Google広告やFacebook広告で既に広告を配信している場合、Microsoft広告のインポート機能を使えば数クリックで配信データをインポートできます。Google広告は検索広告やショッピング広告の他、P-MAXキャンペーンをインポートすることも可能です。

インポート機能を使えば細かい配信設定を省略できるため、掲載開始までのハードルが低く、他の媒体と併用して利用しやすいのがメリットです。

Microsoft広告の始め方

ここでは特に、Google広告からキャンペーン情報をインポートする手順をお伝えします。事前にMicrosoft広告のアカウントを作成してください。

Google広告からキャンペーン情報をインポートする

Microsoft広告の管理画面を開き、「インポート」→「Google広告からインポート」を選択します。

マイクロソフト広告のインポート機能を使用する

サインインを求められるので、Google広告と紐づけられたGoogleアカウントでサインインしてください。インポートしたいGoogle広告のアカウントを一つ選びます。

インポートするアカウントを選択する

インポートの準備が完了した旨が表示されますが、「インポート開始」をクリックせず、「詳細なインポート」をクリックしてください。

インポート準備が完了してもインポート開始しないで、詳細設定の画面を開く

次の画面で、インポートするキャンペーンを選択できます。インポートしたい一部のキャンペーン・広告グループにチェックを入れ、「次へ」をクリックします。インポートする為の細かい設定が出来るので、必要に応じて設定します。画面をスクロールすると「その他のオプション」が表示されますので、クリックして開いてください。

インポート設定の詳細画面で、その他のオプションを開く

「キャンペーンオプション」→「新しくインポートされたキャンペーンを一時停止する」にチェックを入れてください。インポート元のキャンペーンが現在配信中の場合、そのまま設定をインポートするとMicrosoft広告も設定完了後に広告配信が始まってしまいます。配信開始をコントロールしたい場合はこの項目を忘れずチェックしましょう。

新しくインポートされたキャンペーンを一時停止にする、にチェックを入れる

次の画面では、インポートする日時を設定できます。Google広告から定期的にデータを反映させることもできますが、Microsoft広告とは細かい設定が違うので、あまりお勧めしません。最初の1回のみインポート機能を利用し、その後は配信実績を見ながらMicrosoft広告に合った調整を行うことをお勧めします。

配信データののインポートを実施するスケジュールを設定する

Microsoft広告には広告エディタがある

Microsoft広告には、Google広告やYahoo広告と同様に広告エディタがあります。Google広告エディタとよく似た画面構成と操作性なので、Google広告エディタを使った事のある方には使いやすいツールです。

Microsoft広告エディタダウンロードサイト

広告エディタの画面
広告エディタの画面

まとめ

ここまで、Microsoft広告の特徴や種類、メリットについてご紹介しました。日本ではまだスタートしたばかりのMicrosoft広告ですが、豊富なデータ量と多彩な広告メニューで、Google広告やYahoo!広告とは違う消費者へのアプローチが可能になります。この機会に始めてみてはいかがでしょうか。

著者(writer)
Sienca 事務局

リスティングをはじめとした運用型広告など、インターネット広告全般の運用サポートを実施しております。BtoCからBtoBまで様々なクライアント様の広告運用により得た知見を基にブログをお届けします。

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