Web広告の効果測定で押さえるべき指標を解説|おすすめ解析ツールも紹介
Web広告を出稿しているものの、本当に効果が出ているのかわからない、費用対効果が合っているのか不安、といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
Web広告は、適切な効果測定と分析を行うことで費用対効果を最大化させ、ビジネスの成長を加速させる強力なマーケティングツールへと進化します。
本記事では、Web広告の効果測定で必ず押さえておくべき指標や、効果的な測定方法、そして分析に基づいた改善のポイントまでを網羅的に解説します。
- Web広告の効果測定をする際に基本となる指標5つ
- Web広告の効果測定をする際のポイント6つ
- Web広告の効果測定後の振り返り
これを読めば、Web広告運用におけるPDCAサイクルを回し、着実に成果を上げていくことができるでしょう。
株式会社クロスリスティングでは、BtoC、BtoB問わず、様々な業種業態での広告運用で得た知見に基づき、最適な広告プランニングを提供します。広告運用やデジタルマーケティングにお困りの際はお気軽にご相談ください。
⇒ サービス紹介資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果を測定する為に必要な指標を体系的に解説。Web広告の3つの効果を正しく理解し、目標達成に導く指標の選び方が分かります。ダウンロードは無料です。⇒ 解説資料のダウンロードはこちら
Web広告効果測定における主要指標

Web広告の効果測定ではさまざまな指標を確認しますが、特に重要な基本指標としてCTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、CPC(クリック単価)、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)が挙げられます。以下の表に各指標の計算式と意味・活用法をまとめます。
CTR(クリック率)
広告が表示された回数のうち何%がクリックに至ったかを示す指標。CTRは広告の誘導力や魅力を測定するために非常に重要な指標であり、広告がユーザーの興味を引けているかどうかの判断材料となります。
計算方法:CTR=クリック数÷インプレッション数×100%
CTRが高いほど、ユーザーがその広告に対して関心を持ち、次のアクション(クリック)を起こしていることを示します。主にクリエイティブやターゲティング設定の良し悪し、広告文やビジュアルの訴求力などを評価するのに活用されます。
例えば、インプレッションが10,000回でクリック数が500件の場合、CTRは5%となり、比較的高い関心を集めたといえます。逆にCTRが0.5%以下など極端に低い場合は、広告の見直しや改善が必要です。
でクリック数が500件の場合、CTRは5%となり、比較的高い関心を集めたといえます。逆にCTRが0.5%以下など極端に低い場合は、広告の見直しや改善が必要です。

CVR(コンバージョン率)
広告経由でサイトを訪れたユーザーのうち、目的の成果(コンバージョン)に至った割合を示す指標。購入や申込、資料請求、無料登録、会員登録など、様々なアクションが「コンバージョン」として設定されます。
計算方法:CVR=コンバージョン数÷クリック数×100%
CVRが高いということは、ランディングページやサイトの訴求力が高く、訪問者をしっかりと成果に導けていることを意味します。
この指標は広告の最終的な効果を測るうえで極めて重要であり、サイト改善やオファーの見直しなどの判断材料にもなります。例えばクリックが2,000件あり、コンバージョンが100件あった場合、CVRは5%になります。CVRが低いと感じた場合は、フォームの設計や導線、コンテンツ内容の見直しを行う必要があります。

CPC(クリック単価)
1クリックあたりにかかった平均コストを示す指標。
計算方法:CPC=広告費用÷クリック数
クリック課金型(PPC)広告では、クリックのたびに費用が発生するため、CPCは広告費の消費ペースや効率に大きく影響します。CPCが高い場合、同じ予算でも得られるクリック数が少なくなり、費用対効果が悪化する可能性があります。
例えば、広告費が10万円で2,000クリック獲得した場合、CPCは50円です。CPCを下げるためには、広告の品質スコア向上やターゲット精度の見直し、不要なキーワードの除外などの調整が必要です。広告配信戦略を練る際の予算配分にも直結する重要な指標です。
CPA(顧客獲得単価)
1件のコンバージョン(顧客獲得)に要した費用を示す指標。CPAが低いほど、効率よく顧客を獲得できていると判断されます。
計算方法:CPA=広告費用÷コンバージョン数
例えば、広告費50万円で500件のコンバージョンを得た場合、CPAは1,000円です。適正なCPAは商材や業種によって異なりますが、目標CPAを設定することで運用の目安になります。
また、CPCやCVRなどの指標と合わせてCPAを見ることで、どこに改善余地があるかが明確になります。たとえばCPCが高くてもCVRが高ければCPAが抑えられるケースもあり、単独の数値ではなく複合的な視点が必要です。

ROAS(広告費用対効果)
広告費に対してどれだけの売上を上げたかを示す指標。%で表され、100%が費用回収の分岐点(損益分岐)となります。
計算方法:ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100%
例えば、広告費20万円に対して売上が80万円であれば、ROASは400%となり、投資対効果が非常に高いことを示します。
ROASは、広告の費用対効果を一目で把握できる便利な指標であり、キャンペーンや施策ごとの評価に役立ちます。ROASが低い場合は、広告内容や配信先、商品構成などの見直しが必要です。ROASを高めるには、LTV(顧客生涯価値)の向上や、利益率の高い商品を積極的に訴求する戦略が有効です。

上記の指標は相互に関連しています。例えば、CTRが高くてもCVRが低ければ最終的な成果は伸び悩みますし、CPAやROASなどの費用対効果系指標はCTRやCVR、CPCの組み合わせで決まります。表を参考にしつつ、各指標をバランスよく分析することが重要です。
他にもインプレッション数(IMP)(広告の表示回数)やリーチ(広告に接触したユーザー数)、エンゲージメント率(SNS広告でのいいね・シェア等の反応率)など、広告種類や目的に応じて注目すべき指標があります。
例えばブランディング目的のディスプレイ広告ではCTRよりもインプレッションやリーチ、動画視聴完了率などを見ることもあります。
株式会社クロスリスティングでは、BtoC、BtoB問わず、様々な業種業態での広告運用で得た知見に基づき、最適な広告プランニングを提供します。広告運用やデジタルマーケティングにお困りの際はお気軽にご相談ください。
⇒ サービス紹介資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果を測定する為に必要な指標を体系的に解説。Web広告の3つの効果を正しく理解し、目標達成に導く指標の選び方が分かります。ダウンロードは無料です。⇒ 解説資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果測定をする際のポイント6つ

ここからは、Web広告の効果測定をする際のポイントを6つご紹介します。
▼Web広告の効果測定をする際のポイント ターゲット層を意識する 明確な目標を立てる 計測ツールを活用する 外的要因を把握する 商材の市場規模を把握する 目的に応じて追う指標が異なる |
ターゲット層を意識する
効果測定では、想定したターゲット層を念頭に置いてデータを分析します。狙った層によって重視すべき指標や適した広告手法が異なるためです。
例えば若年層向けの広告ならSNSでのエンゲージメント率や動画視聴率なども重要になりますし、高齢層向けであればCTRやCVRといったクリック・成約率に注目するとよいでしょう。
ターゲットごとに響くクリエイティブも異なるため、測定結果を見る際も「誰に届いた結果か」を意識し、必要に応じて年齢・性別・地域などセグメント別の分析も行います。
明確な目標を立てる
計測前に具体的なKPI目標を設定しておくことが不可欠です。
目標がないと結果を評価できず改善策も立てられません。例えば「CVR◯%に向上」「CPA◯円以下に抑える」「コンバージョン◯件獲得」など、測定可能で現実的な目標値を事前に定めます。
効果測定では、この目標に対して実績がどうだったかを比較し、達成度合いや課題点を把握します。
計測ツールを活用する
適切なツールでデータ計測・分析を行いましょう。ウェブ解析にはGoogleアナリティクス(GA4)などが代表的で、広告プラットフォーム側の管理画面(Google広告、Yahoo!広告、Facebook広告マネージャ等)のデータも組み合わせて活用できます。
ツールを使うと流入経路ごとのユーザー行動やコンバージョンを詳細に追跡でき、どの広告が成果につながったか効果測定が容易になります。
適切なUTMパラメータの設定やコンバージョントラッキングの導入など、測定環境を整えることも重要です。
外的要因を把握する
広告の成果には季節や時勢、競合動向など外部要因も大きく影響します。
例えば一時的なトレンドや口コミ拡散で広告とは無関係に売上が伸びることがあるため、そうした要因も考慮して評価する必要があります。同業他社の新商品リリースや大型キャンペーンがあれば自社広告のCTRやCVRが影響を受ける場合もあります。
季節性(例:夏場に需要増の商材)は過去データやGoogleトレンドを参照し、予め織り込んだ目標設計や分析を行いましょう。このように効果測定の際は時期ごとの外的環境を把握し、結果を鵜呑みにせず必要に応じて補正する視点が重要です。
商材の市場規模を把握する
自社の扱う商品の市場規模も念頭に置きます。市場が大きい商材なら多くの潜在顧客にリーチできる反面、競合も多く入札単価が上がりやすいでしょう。
一方でニッチな市場の商材は広告でリーチできる母数自体が限られるため、広告で得られる成果も限定的になりがちです。市場規模によって適切な目標値も変わってきますので、「この数値は市場規模に照らして妥当か」を意識します。
ニッチ市場では限られたユーザーに確実に訴求する戦略、大市場では競合差別化や大量露出の戦略など、市場に応じた広告戦略の効果指標を見極めましょう。
目的に応じて追う指標が異なる
広告の目的に合った指標を追うことが大切です。
例えばブランド認知度向上が目的ならインプレッション数やリーチ、エンゲージメントなど露出や反応の指標を重視します。一方、サイト誘導や販売促進が目的であればクリック数・CTRやコンバージョン数・CVR、CPAなど成果に直結する指標を重視すべきです。
目的と指標がずれていると正しい効果測定ができないため、キャンペーン開始前に「何を最優先KPIとするか」を明確に決めておきます。目的別に適切な指標を見ることで、施策の成功度合いを正しく評価できるようになります。
株式会社クロスリスティングでは、BtoC、BtoB問わず、様々な業種業態での広告運用で得た知見に基づき、最適な広告プランニングを提供します。広告運用やデジタルマーケティングにお困りの際はお気軽にご相談ください。
⇒ サービス紹介資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果を測定する為に必要な指標を体系的に解説。Web広告の3つの効果を正しく理解し、目標達成に導く指標の選び方が分かります。ダウンロードは無料です。⇒ 解説資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果測定後の振り返り

広告の配信期間が終わりデータが出揃ったら、振り返り(レビュー)を行いましょう。測定結果を分析して得られた知見を次の施策に活かすことで、広告運用の精度を高めていけます。振り返りの主なステップは以下のとおりです。
▼Web広告の効果測定後の振り返り KPIと実績の比較 A/Bテスト結果の分析 改善アクションの洗い出し |
KPIと実績の比較
まず当初設定したKPI(重要目標指標)に対して、実際の成果がどうだったかを比較します。
例えば「月間〇件のコンバージョン」という目標に対し達成率は何%か、CPA目標○円に対し実績は上回ったか下回ったか、といった具合です。目標を上回った場合は成功要因を分析し、下回った場合は要因となりうる指標(CTRが想定より低かった、離脱率が高かった等)を洗い出します。
広告施策ごとに目標達成度を整理することも重要です(リスティング広告とSNS広告では目的指標が異なるため、それぞれ評価)。KPIとの比較によって、どの施策が順調でどこに課題があるかを明確にします。
A/Bテスト結果の分析
配信中にA/Bテスト(複数パターンの広告クリエイティブやLPを試すテスト)を行った場合は、その結果も振り返ります。どのパターンがより高いCTRやCVRを達成したか、統計的に有意な差が出たかを確認しましょう。
例えば画像Aの広告は画像BよりCTRが+20%高かったがCVRは同等だった、といった知見は次回以降のクリエイティブ選定に活かせます。定期的にA/Bテストを実施し、その結果を分析してより効果の高い方を採用することで広告効果の継続的な改善につなげることができます。
改善アクションの洗い出し
データ分析から見えてきた課題に対する改善策を具体的にリストアップします。
例えば「CTRが低かった→見出しやクリエイティブを改善」「CVRが低かった→ランディングページの導線を見直し」など、指標ごとに原因を推測してアクションを考えます。CPAが想定より高ければターゲティングの精度向上や入札単価調整、予算配分の変更も検討します。
また、改善策を講じる際にも小規模なテストを取り入れましょう。クリエイティブや広告文を変更する場合は複数案でテストし、効果が高い方を本採用することでリスクを減らしつつ成果を最大化できます。このようにPDCAサイクルを回しながら、得られた知見を次回のプランニングに反映していくことが大切です。
以上のように、Web広告の効果測定では適切な指標の理解と活用、そしてデータに基づく振り返りと改善の徹底が成功のカギです。主要指標であるCTR・CVR・CPA・ROAS等の数字を正しく読み解き、ターゲットや目的を踏まえて考察することで、広告運用の精度を高めることができます。測定・分析した結果を次の施策に活かし、継続的にPDCAを回していきましょう。
株式会社クロスリスティングでは、BtoC、BtoB問わず、様々な業種業態での広告運用で得た知見に基づき、最適な広告プランニングを提供します。広告運用やデジタルマーケティングにお困りの際はお気軽にご相談ください。
⇒ サービス紹介資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果を測定する為に必要な指標を体系的に解説。Web広告の3つの効果を正しく理解し、目標達成に導く指標の選び方が分かります。ダウンロードは無料です。⇒ 解説資料のダウンロードはこちら
Web広告の効果測定におすすめのツール
実際に広告の効果測定をする際は、ツールを使用します。以下に、代表的な計測ツールを挙げてみました。
Googleアナリティクス(GA4)
Googleアナリティクス(GA4)は、Webサイトの訪問者行動を詳細に分析できるGoogleの無料解析ツールです。
広告から流入したユーザーがどのページを閲覧し、どのくらいの時間滞在し、どこで離脱したのかといった行動パターンを追跡できます。特にGA4では、従来のセッションベースからイベントベースの計測に移行しており、ユーザー単位の分析がより柔軟になっています。
広告クリック後の流入元や経路分析、CVへの到達状況などをビジュアルで確認できる機能もあり、施策改善に直結するインサイトを得ることが可能です。また、Google広告との連携により、広告キャンペーンの効果をサイト内の動きとセットで確認できるため、媒体横断での分析にも強みを持ちます。
Google広告・Yahoo!広告の管理画面
Google広告とYahoo!広告の管理画面では、広告の成果をリアルタイムにモニタリングし、主要な指標であるCTR、CVR、CPC、CPA、インプレッション数などを即座に確認できます。キーワード単位、広告グループ単位、デバイス別、時間帯別など、多角的な切り口から分析でき、配信の最適化に役立ちます。
また、各管理画面ではレスポンシブ広告の作成や自動入札戦略の導入といった機能も搭載されており、より戦略的な広告運用が可能です。キーワードの品質スコアや、ユーザー属性ごとのパフォーマンスも可視化できるため、きめ細かい改善を行いたい広告担当者にとって不可欠なツールです。
Meta広告マネージャ(旧Facebook広告マネージャ)
Meta広告マネージャは、FacebookやInstagramなどのSNS上に出稿する広告を一元管理できるツールです。リーチ、インプレッション、エンゲージメント率、クリック数、コンバージョン数といった主要指標を網羅しており、ビジュアルやフォーマットごとの成果を詳細に分析できます。
特にユーザー属性(年齢、性別、地域、興味関心)ごとのセグメント分析が得意で、ターゲティング精度の検証や調整にも活用されています。動画広告やストーリーズなどSNS特有のフォーマットに対する反応も数値化されるため、ブランディングからダイレクトレスポンスまで多用途に対応できます。
Looker Studio(旧Google データポータル)
Looker Studioは、Googleが提供するダッシュボード作成ツールで、Googleアナリティクス、Google広告、BigQuery、Googleスプレッドシートなどと連携し、複数のデータソースを統合的に可視化できます。ドラッグ&ドロップでグラフや表を作成でき、ノーコードでのカスタマイズが可能です。
マーケティング部門や経営層向けにKPIを整理したレポートを作成したり、複数の広告媒体を横断したパフォーマンスを一画面でモニタリングするなど、社内共有やレポーティング業務の効率化に大きく貢献します。更新もリアルタイムで反映されるため、常に最新の状況を把握できます。
ヒートマップツール(例:Microsoft Clarity、Hotjarなど)
ヒートマップツールは、LPやWebサイト上でのユーザーの行動(クリック、スクロール、ホバー、滞在時間など)を色や図として視覚的に表示し、UI/UX改善に役立つインサイトを提供します。たとえば、よくクリックされている箇所は赤く表示され、逆に無視されているコンテンツも一目瞭然です。
また、セッションリプレイ機能により、実際のユーザーがどのようにサイトを操作しているかを動画で確認することもでき、直感的な課題発見が可能になります。これにより、CVR向上のためのボトルネック解消やCTA配置の最適化など、具体的な施策に結びつけやすくなります。
まとめ
今回の記事では、Web広告の効果測定で必ず押さえておくべき指標や、効果的な測定方法などをご紹介しました。
Web広告にはさまざまな種類があり、それぞれの広告に合わせて適切な指標を見る必要があります。
Web広告の効果を高めるには、広告の目的に応じて適切に効果検証を行い、PDCAサイクルを回すことが重要です。優先すべき指標を定め、測定・分析・振り返りし、Web広告の効果を最大化しましょう。
広告運用を自身で行うのが不安な方は、プロの手を借りてみるのも一つの手です。クロスリスティングでは、プロダクト提供だけでなく、リスティング広告を含めた広告運用コンサルティングも提供しています。
広告運用による集客だけでなく、集客からの分析や顧客育成の領域まで、デジタルマーケティング全般を網羅したサポートが可能です。無料相談も行っておりますので、広告運用やデジタルマーケティングにお困りの際はお気軽にご相談ください。