YouTubeインストリーム広告とは?出稿のメリットや費用を解説
YouTubeで見たい動画を再生した時、最初や途中に広告が流れるのを見た方は多いのではないでしょうか。このような広告は「インストリーム広告」と呼ばれ、動画コンテンツの視聴が増えるにつれ、高い需要が見込まれています。
この記事では、YouTubeインストリーム広告の特徴や種類、メリットについて解説します。
インストリーム広告とは
インストリーム広告とは、動画サイトやアプリ上で動画コンテンツの再生前後、もしくは再生中に流れる動画広告のことです。TVコマーシャルと似た視聴スタイルの広告で、YouTubeの他、TVerやABEMAなどの動画サービスでもインストリーム広告を扱っています。
インストリーム広告とアウトストリーム広告の違い
動画広告には、インストリーム広告の他に「アウトストリーム広告」というものがあります。インストリーム広告が動画コンテンツと連続して表示されるのに対し、アウトストリーム広告は動画再生枠以外の広告掲載枠に表示されます。また、アウトストリーム広告は広告枠があれば動画サイト以外のWebページにも掲載することができます。音声オフの状態で再生されるのが一般的で、ユーザーに視聴を強制することはありませんが、画面をスクロールすると表示されなくなります。
インストリーム広告のメリット
インストリーム広告は、動画コンテンツと同じ枠で再生されるため、画面を大きく使った映像と音声で商品やサービスの魅力を伝えることができます。また、放送枠が決まっているTVコマーシャルと違い、年齢や性別、興味関心など細かなターゲティングが行えることも大きな特徴です。
スキップ可能な広告も最初の5秒は必ず視聴してもらえるので、テキストや画像だけの広告よりも、ユーザーの印象に残りやすく、潜在層への認知拡大に適しています。
YouTubeは消費者の購買行動に影響している
YouTubeは単に動画を視聴して楽しむだけでなく、検索ツールとしても利用されています。Googleが2022年に行った調査によると、回答者のおよそ7割がYouTubeをきっかけに商品を購入したことがあると答えました。気になる商品のレビュー動画を参考にするなど、積極的に情報を求めているユーザーに対してもYouTube広告は有効であることが分かります。
テレビでYouTubeを見る人が増えている
近年、インターネットに接続できる「コネクテッドTV」の普及が進み、インターネット動画をテレビで視聴する人が増えています。株式会社ビデオリサーチの調査では、「若い親子世代が動画視聴の中心となり、男女4-12才で4割以上、男女とも35-49才で3割以上が1週間以内にコネクテッドTVで動画視聴している」
という結果が出ています。YouTubeをテレビで視聴する人も増え続け、2022年5月時点で月間3,500万人に到達しました。テレビ視聴はスマホやPCと比べて平均視聴時間が長く、家族や友人など複数人での視聴が多いのも特徴です。
YouTubeは2023年5月、コネクテッドTV向けに30秒のスキップできない広告を導入すると発表しました。テレビのような視聴スタイルでは、長尺の広告でもユーザーはあまりストレスを感じることなく受け入れると考えられています。
YouTubeインストリーム広告の種類と費用
インストリーム広告には、大きく分けると再生途中でユーザーが広告をスキップできるタイプ(スキッパブル広告)とスキップできないタイプ(ノンスキッパブル広告)の2つがあります。YouTube広告では更に、スキップできないが尺自体が短いタイプ(バンパー広告)を選択できます。
費用はどれもオークション形式で決まり、それぞれの広告タイプで異なる課金条件を満たすと、料金が発生します。
スキッパブル広告
スキッパブル広告(スキップ可能なインストリーム広告)は、広告が再生開始から5秒経過すると、ユーザーが広告をスキップできます。広告を視聴するかどうかをユーザー自身が決められるため、広告を視聴するユーザーに対してあまりストレスを与えずに済みます。
動画の長さに規定はありませんが、Google広告はターゲットのフェーズ(認知・検討・行動)に合わせて15秒~3分の長さを推奨しています。
料金はCPCV課金制(完全視聴課金)で、動画が最後まで、もしくは30秒以上視聴された時に課金されます。30秒以内にユーザーが動画をクリックした場合も料金が発生します。ユーザーが途中でスキップしたり、30秒経過する前に離脱したりした場合は課金されません。動画に関心を持つユーザーに対してのみ課金できるため、無駄な費用がかからず、費用対効果が高い広告です。
ノンスキッパブル広告
ノンスキッパブル広告(スキップ不可のインストリーム広告)は、再生されるとユーザーは広告をスキップできません。最大で15~20秒までの動画を配信できます。広告を最後まで確実に見てもらえる一方で、ユーザーは強制的に視聴させられるため、ストレスを感じてしまう可能性もあります。
料金はCPM課金形式で、動画が1000回視聴されるごとに課金されます。
バンパー広告
バンパー広告は、再生時間が6秒以内の短い広告です。ユーザーは広告をスキップできませんが、動画の尺が短いためにあまりストレスを感じることなく最後まで見てもらえます。
料金はCPM課金形式で、動画が1000回視聴されるごとに課金されます。
バンパー広告についてはこちらの記事でも解説しています。
インストリーム広告以外のYouTube広告の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
インストリーム広告が配信されるタイミング
インストリーム広告は、広告が動画コンテンツのどのタイミングで配信されるかで、ユーザーの印象や反応が変わってきます。
プレロール
プレロールは、動画コンテンツが再生開始する前に流れる広告を指します。動画の再生ページを開いて最初に流れるため、ユーザーに最も視聴してもらいやすいのが特徴です。商品やブランドの認知拡大に適しています。
ミッドロール
ミッドロールは、8分以上ある動画コンテンツの再生中に差し込まれる広告を指します。動画の続きを見たいユーザーが多いため、離脱率が低く、視聴完了率も高いのが特徴です。広告を最後まで視聴して欲しい場合に適しています。
ポストロール
ポストロールは、動画コンテンツの終了後に流れる広告を指します。ユーザーは動画を見終わっているので、プレロール・ミッドロールと比べて離脱率が高いのが特徴ですが、適切なCTAが設置されていればユーザーに行動喚起を促し、コンバージョンにつなげやすい点がメリットです。
インストリーム広告の注意点
インストリーム広告では、ユーザーの視聴体験を損なわない工夫が求められます。
ユーザーは動画サイトに広告を見に来るわけではないので、見たい動画の前後や間に流れる広告は、ほとんどのユーザーにとって邪魔な存在です。自分と関連のない広告を見せられると、広告や商品に対してネガティブなイメージを持たれてしまう可能性もあります。ユーザーの興味関心に合わせた細やかなターゲティングや運用設計が重要です。
また、ユーザーに飽きずに広告を見てもらうにはクオリティの高い動画を制作する必要がありますが、専門業者に依頼すると制作費が高くつく場合があり、注意が必要です。
YouTubeインストリーム広告の出稿方法
YouTubeインストリーム広告の出稿方法は、こちらの記事で詳しく説明しています。
YouTubeインストリーム広告の効果を評価するには
YouTubeインストリーム広告は配信開始から約2週間程度、最適化に必要なデータが蓄積されるのを待ってから調整を行います。配信レポートはYouTubeの管理画面とGoogle広告の管理画面で確認することができますが、この記事ではGoogle広告の管理画面で確認する方法をお伝えします。
Google広告の管理画面では、サイドメニューから「動画」→「動画」を選択
各動画を選択すると、その個別のログ解析結果を見ることができます。「視聴者維持率」では、動画が開始してどの時点でユーザーが離脱したのかが分かります。
どの指標で評価すべきなのかは、広告の目的によって変わります。認知拡大が目的であれば、動画の表示回数やユーザー数で評価できます。商品やサービスに興味を持ってもらう、購入を検討してもらいたいのであれば、視聴率や視聴完了数が指標となります。広告に対してユーザーがどれだけ反応したかを評価するのであれば、クリック数や問合せ数、購入数を見ると良いでしょう。
YouTube広告の広告指標についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ
ここまで、YouTubeインストリーム広告の特徴やメリットについて解説しました。どの広告形式、どのタイミングで配信するかは、ターゲットや広告の目的によって変わります。自社の目的やサービスに合った適切なものを選びましょう。
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