Google広告 入札戦略の特徴とは?長所・短所まとめ
Google広告で利用できる入札戦略は、キャンペーンタイプによって複数の選択肢があります。クリック、インプレッション、コンバージョン、視聴など、広告の目的に合わせたが入札戦略の選択が成果へ直結します。この記事では、主要な入札戦略の機能や選び方について説明します。
入札戦略とは?
WEB広告における「入札」とは、広告主同士が検索エンジン上での広告掲載をめぐって互いに競争する仕組みです。Google:広告オークション
「入札戦略」は、どのように入札競争を行うか選択できる機能です。
入札戦略にはさまざまなタイプがあります。各戦略にはそれぞれ長所と短所、キャンペーンとの相性があるため、特徴を理解したうえで、最適な選択ができるよう基本を身につけておきましょう。
入札戦略の決め方
下記では入札方法の決め方の基準を上げていきます。
明確かつ適切な目標をたてる
入札戦略は、広告で達成したい目標と同じである必要があります。
「広告配信によって何を得たいか」というゴールを明確にし、それに合わせた目標値や戦略を設定することが重要です。
Webサイトへの流入を増やす
クリック数またはインプレッション数の最大化に重点を置いた入札戦略を使用する
売上またはコンバージョンの増加
売上または見込み顧客を増やしたい場合、コンバージョンの最大化または広告費用対効果 (ROAS) の目標に重点を置いた入札戦略が向いています。
ブランドの認知度を高める
インプレッションまたは視認可能なインプレッションの最大化に重点を置いた入札戦略
顧客エンゲージメントの向上
動画の再生回数やアプリのインストール数を増やすなど、エンゲージメントの向上が目標の場合は、これらの特定のアクションに、基づいた入札戦略を使用する
予算
入札戦略によっては、他の戦略よりも入札単価が高くなることがあります。
達成進捗状況や単価が変動する外的要因※も考慮しながら、適切な方法を選択しましょう。
※休日、週末、特別なイベント、商品データの変更、オークションでの競合他社といった要因の影響を受ける可能性があります。
業界、ターゲティング
入札競争が激しいジャンルの場合、クリック単価が高くなったりと、ターゲティングによって適した入札戦略があることを留意しておきましょう。
入札タイプ
入札戦略は「自動入札」か手動で設定する「個別の入札」の二つの方法に別れます。
個別の入札戦略
入札単価を手動で設定する入札戦略です。予算が限定的で、金額を細かく制御したい場合や、特定の指標目標に基づいて配信する場合に向いています。また、自動入札戦略の単価が想定より高騰したりと、適切でないと思われる際には、個別の入札戦略に切り替えることも有効です。
自動入札戦略
過去のキャンペーンの収集データをもとに機械学習とアルゴリズムによって予測モデルがたてられ、効果を得られそうな最適なアクションを実行します。
収集データのシグナル(参考とする要素)はコンバージョン実績やユーザーの基本情報、ブラウザ、地域、時間帯、競合他社の入札状況などで構成されます。
また、自動入札機能の中でも、コンバージョンに特化しているものはスマート自動入札と言います。
自動入札戦略は現在入札方法として一般化していますが、共通して下記の特徴がありますので留意した上で設定を行うようにしましょう。
長所
- 手作業を減らし大幅に時間の節約ができる
- 人間では加味できない要素も考慮して最適化される
- パフォーマンスの向上
短所
- CPCが高騰することがある
- 学習期間が2~3週間必要
- コンバージョン蓄積データが無いと機能せず、悪化することがある(直近30日で50件程度が目安)
入札戦略の種類
下記は主な入札戦略の一覧です。
入札タイプ | ビジネス目標 | 影響する指標 | 入札戦略 |
---|---|---|---|
個別入札戦略 | サイトアクセスを増やす | クリック数 | 個別クリック単価制 |
自動入札戦略 | クリック数の最大化 | ||
露出を増やす | インプレッション | 目標インプレッション シェア ※検索キャンペーンのみ |
|
視認範囲のインプレッション単価 ※ディスプレイのみ |
|||
(スマート自動入札) | 売上・見込み顧客の増加 | コンバージョン | 目標コンバージョン単価 |
コンバージョン数の最大化 | |||
利益の向上 | 目標広告費用対効果 | ||
コンバージョン値を最大化 |
目標コンバージョン単価
指定したCPAに対してコンバージョン数が最大化するよう入札金額が自動で調整される機能です。CPAを予算内におさめながらコンバージョン数を最大化できます。
- 特徴
- 自動でCPAを維持しながら、コンバージョンを増やせる
- 単価設定を誤ると配信量が減少することがある
目標広告費用対効果
目標広告費用対効果は、製品やキャンペーンの収益性を維持しながらコンバージョン獲得に向けて最適化されます。サイト上で売上が発生するビジネス(ECサイトなど)や、商品ごとの利益率が大きく異なるサービス等に向いています。
- 特徴
- 収益優先で働きリスクの低い入札単価が自動設定されるため広告費を安定させやすい
- 商品の売上と広告の費用対効果を調整できる
- 他の入札戦略よりも複雑な予算設計が必要なため理解が必要(Google広告の経験が浅いと理解が難しく感じられることがある)
クリック数の最大化
予算内でより多くのクリック数を獲得できるよう入札単価が調整されます。
サイト誘導を増やしたいときや、キャンペーン開始直後でデータの蓄積が無い初期段階の利用に向いています。
- 特徴
- CPCを抑制できる
- データ収集が早くなる
- コンバージョン獲得が促進されるわけではない
- キャンペーン単位で最大化されるため検索クエリが荒れやすい
コンバージョン数の最大化
予算内で最大限のコンバージョン数を獲得できるよう入札単価が調整されます。
とにかくコンバージョン数に特化している方法です。
- 特徴
- 獲得のための調整作業を効率化できる
- コンバージョン単価については考慮されない
- クリック単価が高騰することがある
コンバージョン値を最大化
コンバージョンごとの価値の違い(ルール)を指定し、コンバージョン値の高いものを優先的に獲得するよう調整されます。価値の条件はオーディエンス、地域、デバイスに基づきます。
Google:コンバージョン値のルール
- 特長
- CVごとの費用対効果を最適化できる
- コンバージョン単価については考慮されない
- 設定直後はCV数が減少することがある
目標インプレッションシェア
Google検索の検索結果ページの最上部、上部、または任意の場所に広告を表示できる機会が増えるように、入札単価が自動的に調整されます。広告の表示位置の指定も可能です。
自社の広告が埋もれてしまいがちな競合が多いワードで配信する際に、競合を抑えて自社広告を上位表示することが可能です。
- 特長
- 検索キャンペーンのみ
- 露出に特化しているため認知向上に最適
- 実績データがなくても活用できる
- クリック単価が高騰することがある
視認範囲のインプレッション単価
視認範囲とみなされたインプレッションでのみ料金が発生し、視認範囲で表示される見込みの高い広告枠を重視して、入札単価が最適化されます。
- 特長
- ディスプレイキャンペーンのみ
- 露出に特化しているため認知向上に最適
- 実績データがなくても活用できる
- クリック単価が高騰することがある
最適な入札戦略を選択するために
入札戦略を適用したら、掲載結果を評価するのに十分なデータを収集するため2週間くらい様子をみましょう。この期間に入札戦略の効果が現れてきます。
また、予算都合によりそもそもの配信量が少なく、誘導や表示の実績が中々溜まらない場合は日ごとではなく週ごとに確認しましょう。
目標は時間の経過とともに変化することがあるため、定期的なKPIの見直しと、あわせた入札戦略を考慮する必要があります。入札戦略は常に現在の目標と一致し続けるようにしましょう。