【初心者向け】コンテンツマーケティングとは?基礎知識や手法を解説
コンテンツマーケティングは価値のあるコンテンツを提供し、見込客に認知や商品理解を促し、購買やファン化につなげる一連のマーケティング施策です。
従来型広告の効果が薄れ、消費者の購買行動が変化していることから、最近ますますコンテンツマーケティングの重要性が増しています。
この記事ではコンテンツマーケティングの概要から、企業がコンテンツマーケティングを実施するメリット・デメリットを中心に説明します。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに価値あるコンテンツを提供し、見込客を商品購買やファン化につなげる一連のマーケティング施策を指します。
特にコンテンツマーケティングでは、以下の3点が重要なポイントとされています。
- 価値のあるコンテンツ作り
- 顧客ナーチャリング
- 顧客ロイヤルティ向上
購買意欲やニーズが顕在化している「今すぐ客」ではなく、価値あるコンテンツにより潜在顧客へ認知を広げ、以下のように段階的に購買や顧客ロイヤルティ向上につなげていきます。よって一時的な売上増加ではなく、中長期的な観点での利益向上を目指すのが特徴です。
1 | サイト流入 | 潜在顧客への認知を広げる段階 |
2 | 見込客獲得 | 見込客を獲得し、見込客の興味・関心を深める段階 |
3 | 見込客育成 | 見込客との関わりを継続し、他商品との優位性を訴求する段階 |
4 | 購入 | 見込客が商品・サービスを購入する段階 |
5 | リピーター・ロイヤルカスタマー化 | 顧客のリピート購入や顧客単価向上につながる施策を行う段階 |
コンテンツマーケティングが注目される理由
2010年初頭より、世界中で実施されているコンテンツマーケティング。一説にはアメリカの9割以上もの企業が、コンテンツマーケティングを実施しているとされています。
日本でも大手企業を筆頭にコンテンツマーケティングに取り組む企業が続々と増えていますが、なぜここまでコンテンツマーケティングが注目されているのでしょうか。
コンテンツマーケティングが注目される理由は、主に以下2つの理由が挙げられます。
売り込み型広告の限界
インターネットが普及し、誰でも容易に情報が手に入る現代において、従来型の売り込み型広告(テレビCMなどのマス広告)の効果が薄れています。
こうした売り込み型広告の反響が薄れてきた背景には、顧客は提示された商品やサービスを受動的に受け取るのではなく、自ら積極的に情報を探し、主体的な意思決定を行いたいと考える人が増えていることが要因の一つとして考えられます。
また売り込み型広告はボタン一つで容易にスキップできる場合も多く、配信しても閲覧すらされない状況が増えていることも、効果が薄れている大きな要因といえます。
その点コンテンツマーケティングでは、企業側の主張ではなく、見込客の関心・興味に寄り添った価値あるコンテンツを配信します。
したがって「売り込みだ」と敬遠されることなく、自然と見込客へ認知を広げやすいコンテンツマーケティングに注目が集まっています。
消費者の購買行動変化(ZMOT)
他にもZMOTと呼ばれる、消費者の購買行動モデルが変わってきたことで、実態に即したマーケティングを行うためにコンテンツマーケティングが注目されています。
ZMOT(Zero Moment of Truth、ジーモット)とは、「顧客は店舗を訪れる前にインターネットで情報収集し、購入する商品を決めている」というマーケティング理論です。
ZMOT以前に広く普及していたFMOTは、刺激と棚・体験の3ステップから構成され、特に消費者が店頭等で実際に商品やサービスと対面する瞬間(棚の段階)を重要視していました。
しかしウェブ時代における消費者の購買行動を調査すると、消費者は情報収集段階で商品に関する多くの情報を集めており、これらの情報収集が購買決定に多くの影響をもたらしていることが判明しました。
こうした背景から、ZMOTと呼ばれる新たな購買行動モデルが2011年にGoogleから提唱されました。ZMOTでは、刺激と情報収集・棚・体験の4ステップから構成されており、実際に店頭に足を運ぶ前の情報収集段階を重要視しています。
このように消費者の購買行動の変化から考えても、コンテンツが消費者に与える影響は増しており、コンテンツマーケティングの重要性が高まっています。
コンテンツマーケティングに適したメディア
コンテンツマーケティングでは見込客や顧客に価値あるコンテンツを配信するのが目的ですが、配信するメディアは以下のようにさまざまです。
- SEO
- 動画
- メール(案内メールや定期配信メルマガなど)
- SNS(TwitterやTiktok、Instagramなど)
- オフライン(セミナーや交流会など)
どんなメディアで配信するにせよ、核となるコンテンツの作成が重要です。コンテンツマーケティングでは配信メディアを一つに絞らず、最低2-3個のメディアを活用し行うのが一般的です。
SNSは認知、動画は顧客ナーチャリングなど、メディアの特性に合わせて適したコンテンツを配信すると、より高い効果が見込めるでしょう。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
コンテンツマーケティングを行う上で考えうる、メリット・デメリットを紹介します。
メリット
コンテンツマーケティングを行うことで得られるメリットは、以下3点が挙げられます。
- 費用が広告費と比較すると安い
- 顧客ロイヤルティを育みやすい
- コンテンツが自社の資産となる
広告を投稿するには毎回広告費が発生し、短期的に認知を広げる効果はあるものの、中長期的な効果は見込めません。
おまけに広告は一度発信したらパッケージを作り直す必要があり、陳腐化されやすい傾向があります。
しかしコンテンツマーケティングは、配信したコンテンツがWeb上に蓄積されていくため、コンテンツの情報価値を保ち続ければ、長期的に効果を発揮し自社の資産になります。
コンテンツを継続的に配信することで、見込客や顧客と関係性を維持できるため、企業に対するイメージアップや、顧客ロイヤルティ向上にも寄与しやすいメリットもあります。
コンテンツ制作費も広告費より安く済む場合が多いのが特徴です。
コンテンツを自社で内製すれば外注費もかからないため、初期費用をかけず始められるのもメリットだと言えるでしょう。
デメリット
一方、コンテンツマーケティングのデメリットには、以下が考えられます。
- 効果が出るまで時間がかかる
- 継続的なコンテンツ配信が求められる
コンテンツマーケティングは、価値あるコンテンツを配信し、顧客ナーチャリングを実施していきます。
したがって広告のように即効性がある施策ではなく、コンテンツ配信後の改善や分析も含め、中長期的な観点で取り組む必要がある施策です。
仮に一定のPV数が獲得できても、すぐにコンバージョンにつながるとは限らず、ROI(投資対効果)が予測しにくい点もデメリットといえます。
また見込客が求めているコンテンツを配信し続けるために、定期的なコンテンツ配信はもちろん、見込客のニーズ把握や分析が不可欠です。
日々変化する見込客のニーズに沿ったコンテンツを継続的に配信するために、社内で十分な体制を整える必要があります。
コンテンツマーケティングにはSEO対策が必須
ここまでコンテンツマーケティングの概要から、コンテンツマーケティングが注目される理由などを開設しました。
企業がコンテンツマーケティングを実施するのは、費用を安く抑えながらマーケティング施策が行える点や、作成したコンテンツが蓄積され自社の資産になる点など、さまざまなメリットがあります。今回の記事を参考に、自社のマーケティング施策にお役立ていただければ幸いです。