Googleコアアップデートとは?検索結果への影響や傾向と対策を解説
Googleの検索結果は、さまざまなアルゴリズムの組み合わせによって、自動的に順位づけが行われています。このアルゴリズムのルールや仕組みは、常にアップデートを繰り返しているのです。なかでも「コアアップデート」と呼ばれるアップデートは、検索順位に大きな影響を与える更新が行われるとされています。
本記事ではGoogleのコアアルゴリズムアップデートの仕組みやアルゴリズムの基本、概要について解説します。これまでに行われた有名なアップデート内容や、アップデート実施に関連した対策や対処法にも触れていきますので、Webサイト管理やSEO施策の参考にしてください。
Googleコアアップデートとは
「コアアップデート」とはGoogleの検索エンジンの順位づけに関する、さまざまなルールやアルゴリズムの大幅な見直しが行われるアップデートのことです。コアアップデートは年に数回実施されているため、決して珍しいことではありません。
しかしアップデート実施に伴い順位に大きな変動が起こるなど影響が大きいことも多いため、その動向には注視しているという人も非常に多いのです。
Googleアルゴリズムの基本
Googleのコアアップデート対策を講じるためにも、まずはGoogleアルゴリズムについて理解しておくことが大切です。Googleでは検索エンジンの順位づけを行うために、さまざまなアルゴリズムを用いています。アルゴリズムとは検索結果を自動的に生成するための仕組みやルールのことです。
Googleがアルゴリズムに変更や改善を加えるのは、検索ユーザーの役に立つよう、関連性の高い情報を検索結果に表示することを目指しているためです。数多くのアルゴリズムが存在しますが、基本的には以下のような項目に基づき、順位づけのルール設定が行われていると考えるとよいでしょう。
- 検索意図やコンテンツの関連性
- コンテンツの質の高さや文脈の理解度
- Webサイトのユーザビリティ
- コンテキストと設定
- セキュリティ保護
これまでに実施されたGoogleアルゴリズムアップデート例
コアアップデートは1年に何度か行われているため、決して珍しいことではありません。しかし評価の基準が大幅に変更されることにより、検索結果の順位にも大きな変動が起こった例もいくつかあります。これまでに実施されたアルゴリズムのアップデートのなかで、変動が大きく話題となった例をいくつか紹介します。
2011年2月 パンダアップデート(Panda Update)
パンダアップデートとは、コンテンツの質を重視したアップデートです。それまで乱立していた低品質なコンテンツの評価を下げ、高品質なコンテンツを適切に評価するような変更が行われました。パンダアップデートの「パンダ」は、Googleのエンジニアであるナヴニート・パンダ氏の名前に由来しています。
このアップデートでは「重複コンテンツ(コピーコンテンツ)」や「スクレイピングサイト(盗用サイト)」、「ユーザーにとって付加価値の低いサイト(内容の薄いサイト)」など、いわゆる低品質なコンテンツが評価ダウンの対象となっています。
逆に丁寧な調査が行われているサイトや詳細なレポート、独自性の高いコンテンツなどが含まれたコンテンツは、高品質のサイトとしてランキング向上につながりました。パンダアップデートに伴うアルゴリズムの変動により、クエリの11.8%に影響があったとされています。
なおこのアップデートは、2年間にわたり毎月1度の頻度で更新が継続されていました。
2012年4月 ペンギンアップデート
ペンギンアップデートもまたパンダアップデートと同様、低品質なコンテンツの評価を下げ、高品質なコンテンツの評価が高まるよう変更が行われたアップデートです。名称の由来には諸説ありますが、4月25日の「ペンギンの日(World Penguin Day)」の前日(4月24日)に実施されたからだという話もあります。
低品質コンテンツに加え、「SEOスパム」や「低品質な被リンク」など、いわゆる「ブラックハットSEO」を低評価の対象としています。ユーザーファーストからかけ離れた、Googleガイドラインの定義項目に抵触するコンテンツに対し、ペナルティを課すような内容になっている点も大きな特徴です。
ペンギンアップデートもまた数年にわたって複数回更新を続けており、確認されているだけでも計7回のアップデートが行われたとされています。
2017年3月 フレッドアップデート
フレッドアップデートは、Googleからの公式のアナウンスがなく実施されたアップデートです。大きな変動が起こったアップデートでありながら、名称(コードネーム)やアナウンスが一切なかったため、Googleのエンジニアが暫定的につけた「フレッド」という名前がそのまま現在も使われています。
フレッドアップデートは1つの更新ではなく、さまざまな要因による複数アルゴリズムの同時実装だとされています。パンダアップデートやペンギンアップデートのようなクエリを対象としたアップデートではなく、多角的にサイトの品質を評価しているのが特徴です。
評価ダウンの対象となったのは主に「低品質コンテンツの量産」などです。またアドセンスやアフィリエイトによる広告コンテンツなども、対象となりました。
2017年12月 医療・健康アップデート
2017年12月に実施された医療・健康アップデートは、医療や健康に関するコンテンツを対象に実施されたアルゴリズムの更新です。Googleではこのアップデートの実施は、関連クエリの60%に影響したと公表しており、実際多くの医療健康関連コンテンツが大幅な順位変動などの影響を受けました。
このアルゴリズム更新の背景には、医療や健康に関する誤った情報やコンテンツが、検索結果に多く上っていたことなどが関係しています。医療・健康アップデートを実施したことにより、信ぴょう性の低い医療健康コンテンツは評価を下げ、逆に権威性や信用度の高い医療コンテンツなどの掲載順位が上がりました。
具体的には、医療機関や医療従事者などの有資格者のサイト、実店舗のあるサイトなどの評価が高くなった形です。
医療・健康アップデート以降、情報の信ぴょう性や品質の高さに関する、Google検索品質評価ガイドラインが定義されたジャンルがいくつかあります。これらのジャンルは「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼ばれています。
YMYLジャンル
健康や安全
精神的、身体的、感情的な健康や、身体的な安全、オンライン上の安全など、あらゆる安全が損なわれる可能性のあるトピック。
経済的な安全性
自分や家族を養う能力を損なう可能性があるもの。
社会
人々の集団に悪影響を及ぼす可能性のある話題、公共の利益の問題、公的機関の信頼など。
その他
人を傷つけたり、社会の福祉や幸福に悪影響を与える可能性のあるテーマ。
Googleコアアップデートが実施される理由
コアアップデートは、年に複数回実施されているGoogleアルゴリズムのアップデートです。決してGoogleや多くの企業などの利益のためではなく、あくまでもユーザーファーストでアルゴリズムの更新を行っています。ユーザーが安全に検索エンジンを利用でき、ユーザーが信頼できる最良の検索結果を提供できるよう改善を行う目的で実施されているのです。
このほかにも変化を続けるインターネット環境への対応や、新たな技術に対応する目的などもあります。いずれもユーザーが快適に検索エンジンを利用し、必要とする情報が適切に得られるよう、品質維持や改善を続けているのです。
Googleコアアップデートによる検索結果への影響は?
コアアップデートが実施されると、検索結果になんらかの変化や影響が表れることがあります。変動の仕方によっては、SEOにおいても大きな影響を受けることとなるでしょう。
- 検索クエリの順位の大幅な上昇や下落
- 特定のジャンルで上位表示が難しくなる
- 大幅な検索順位の入れ替わりが起こる
「変動」という言葉のとおり、アップデート前と後では、順位ががらりと変わってしまうこともあるのです。1位に掲載されていたクエリが、一夜にして圏外へ飛んでしまったというケースも、決して珍しくはないのです。
Googleコアアップデートの実施はどのようにして確認する?
コアアップデートに備えるためには、実施に関する情報にしっかりとアンテナを立てておくことが重要です。Googleコアアップデートに関する情報は、さまざまなところで確認できます。
Google公式のアナウンスをもとに把握する
Googleコアアップデートは、年に数回実施されている公式なアップデートです。多くの場合、事前にどのようなアップデートを行う予定なのか、公式にアナウンスしています。
Google検索セントラルブログでは、コアアップデートに限らずさまざまなアップデート情報を日々更新しています。
出典:Google 検索セントラル ブログ
また公式Twitterアカウントでも事前の告知や、正式リリース後にアナウンスがなされることも多いので、関連アカウントをチェックしておくのも有効です。ほかにも公式アカウントではなく、Googleのエンジニアや有識者のアカウントなどで、アップデート情報に触れるツイートなどが発信されるケースも多いです。
アップデート情報をアナウンスしているサービスを活用
「namaz.jp」などのGoogleのアルゴリズムの変動をモニターしているサービスなどでは、ちょっとした変動の際にも通知をしてくれる場合があります。こうしたサービスのメールマガジンを登録しておくと、アルゴリズムの変動が予測される際に情報提供される場合もあるのです。こうした情報をチェックしておくと、すばやくコアアップデート情報を得られるでしょう。
アクセス解析やGRCなどの変動をもとに探る
アクセス解析ツールやGRCのような検索順位チェックツールを導入しておくと、順位の変動があった際にもスムーズに状況把握が可能です。ただし変動が起きてから知ることとなるため、事前の対策や準備などは難しいのがネックです。こうしたツールで日々の順位などをモニターしつつ、変動が見られた際にはGoogleの公式情報をチェックするという方法もあります。
Googleコアアップデートに向けた対策
Webサイトを管理運営していると、アルゴリズムの変動による検索順位の変動に不安を覚える方も多いでしょう。Googleコアアップデートに向け、どのような対策ができるのかまとめました。
日ごろからGoogleガイドラインに沿ったサイト運営が重要
Googleはあくまでもユーザーの利便性や有用性のために、アップデートを実施します。多くの場合ユーザビリティが低く、低品質なコンテンツなどが検索順位低下の対象となるため、コンテンツの品質を高めておくことがとても重要です。
このことから、ガイドラインに沿った運営をしていれば大きく影響を受ける心配はなく、むしろ高評価につながると考えられます。アルゴリズムの変動に変におびえることなく、常にユーザー目線で高品質なコンテンツ提供を心がけていれば、何も心配することはないのです。
慌てず情報収集を行う
Googleのコアアップデートの際は、慌てずに対応することがとても重要です。事前情報だけを頼りにあれこれ対策を行っても意味がないばかりか、かえって順位を落としてしまうこともあります。
まずはどのような項目でどういったアップデートを予定しているのか、しっかりと情報収集を行うことが大切です。事前に大掛かりな対策や施策は行うのではなく、アップデート実施後に得た情報をもとにして改善を行ったほうが適切な対応ができます。
なお、ガイドラインに沿って質の高いコンテンツを提供している場合でも、アルゴリズムの変動に伴い順位が変動することがあります。これは多くのクエリ変動に伴う一時的な変動であることが多く、時間の経過とともに適切な順位に修正されていくことも珍しくはありません。このような場合にも慌ててあれこれ対策を行うのではなく、まずはアップデートの内容やGoogleの目的・意図などを把握することがとても重要なのです。
コンテンツの見直し
Googleがコアアップデートを行うのは、検索結果をより良いものとするためです。多くの場合、低品質なコンテンツは評価を下げ良質なコンテンツが評価されます。評価を下げてしまうような品質の場合は影響を受ける可能性も高いため、コンテンツの見直しを行うことこそが、有効なコアアップデート対策となるのです。
ユーザビリティを高めることはもちろん、コンテンツの中身や情報の正確さなど、見直しができるところはしっかりと見直しておくことも大切です。検索品質評価ガイドラインのE-E-A-Tを意識して、リライトを行う方法も有効だといえるでしょう。
裏技的な対策は恒久的な効果にはつながらない
「SEOに有効」だとされるテクニックの中には、Googleの検索品質評価ガイドラインを無視するような、なかば強引な方法などもあります。その場限りの裏技的な対策は、新たなアップデートでよくない影響を受ける結果となることもあるため注意が必要です。
コアアップデートは、ユーザーに有益な情報を届けることが目的で実施されるものです。Googleの検索品質評価ガイドラインなどをベースに優良なコンテンツをつくり、適切にGoolgleに伝えることが最良のSEOとなります。ブラックハットな手法や裏技的な対策は、恒久的な効果にはつながらないと理解し、コンテンツの品質を高めることに注力したほうが効果的だといえるでしょう。
Googleコアアップデート対策は意図や目的を理解することがポイント
コアアップデートが実施されるときは、さまざまな憶測などが飛び交い動揺してしまうこともあるかもしれません。しかしどのようなコアアップデートでも、根本的な目的はユーザーの利便性や安全性の向上のためです。大きな変動が起こることもありますが、翻弄されず落ち着いて対処することが大切です。
なぜ実施されるのかその意図や目的を理解し、ガイドラインに沿った対策や改善を目指しましょう。