YouTubeアナリティクスの基本的な見方を解説!何がわかるのかや分析方法も
YouTubeチャンネルの成果を伸ばすには、動画を投稿して終わりではなく「データ分析」が欠かせません。
その際に役立つのがYouTubeアナリティクスです。YouTubeアナリティクスを使えば、再生回数や視聴者の属性、流入経路、チャンネル登録者数の増減などを細かく把握できます。
しかし、「項目が多すぎてどこを見ればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、YouTubeアナリティクスでわかることやアクセス方法、主要項目の見方、成果につなげる分析方法までを初心者向けにわかりやすく解説します。
この記事を読めば、データを根拠にしたYouTube運営ができるようになります。ぜひ最後まで参考にしてください。
YouTubeアナリティクスとは?

YouTubeアナリティクスは、チャンネルや動画の視聴データを確認・分析できる公式ツールです。
現在は 「YouTube Studio」内に組み込まれており、Webブラウザやスマホアプリから利用できます。
視聴回数やチャンネル登録者数の推移、視聴者層や流入経路、動画ごとのパフォーマンスなど、幅広い指標を確認できるのが特徴です。
具体的には以下のようなデータについて、分析することができます。
- 再生数や再生時間の推移
- 視聴者の年齢層・地域・性別
- どの経路から視聴されたか(検索、関連動画など)
- チャンネル登録や解除の動き
- 視聴者が動画を離脱するタイミング
これらのデータを活用すれば、人気のあるテーマや改善すべき動画の傾向をつかみやすくなります。
単なる数値表示ではなく、視聴者の行動や興味を可視化し、チャンネル運営の戦略立案に役立てられるのが大きなメリットです。
YouTubeアナリティクスへのアクセス方法
YouTubeアナリティクスは、YouTube Studioから簡単にアクセスできます。
PCとスマホアプリの両方に対応しており、それぞれ以下の手順で利用可能です。
▼PCからアクセスする方法
STEP1. YouTube にログイン
STEP2. 右上のプロフィールアイコンをクリック

STEP3. メニューから 「YouTube Studio」 を選択

STEP4. 左側メニューの 「アナリティクス」 をクリック

▼スマホアプリ(YouTube Studioアプリ)からアクセスする方法
STEP1. YouTube Studioアプリを起動

STEP2. ログイン後、下部メニューから 「アナリティクス」 をタップ

アプリの場合、YouTubeアプリではなく「YouTube Studio」という別のアプリが必要になる点に注意してください。
また、「YouTubeアナリティクス」というアプリは存在せず、必ずYouTube Studio内からアクセスすることを覚えておきましょう。
YouTubeアナリティクスの基本的な見方
YouTubeアナリティクスは主に以下4つのタブに分かれており、それぞれ異なる切り口でチャンネルや動画のパフォーマンスを確認できます。
- 概要
- コンテンツ
- 視聴者
- トレンド
また、詳細なデータ分析が必要な場合は、「詳細モード」で期間や項目をカスタマイズしながら掘り下げることも可能です。
ここからは、各タブの役割と見方を順番に解説します。
概要

「概要」タブでは、チャンネルや動画のパフォーマンスを一目で確認できます。主な表示項目は以下のとおりです。
- 視聴回数:選択期間内の再生数合計
- 総再生時間(単位:時間):視聴者が動画を視聴した合計時間
- チャンネル登録者数の増減:期間内に増えた・減った登録者数
画面中央には主要グラフが表示され、右側には直近の人気動画やトップ動画が表示されます。
また、右上の期間を「過去28日」や「過去365日」に切り替えると、短期・長期の傾向を比較可能です。
コンテンツ

「コンテンツ」タブでは、動画やYouTubeショートといった投稿形式ごとのパフォーマンスを確認できます。
主な表示内容は以下のとおりです。
- 視聴回数:期間内に各コンテンツが再生された回数
- 平均視聴時間:1回あたりの平均視聴分数
- インプレッション数とクリック率:動画サムネイルが表示された回数と、そのうちクリックされた割合
画面上部で 「動画」「YouTubeショート」「投稿」などの形式を切り替えることで、それぞれの形式に特化したデータを比較できます。
形式別のデータを分析すると、「ショートは再生数が伸びやすい」「長尺動画は平均視聴時間が長い」など、形式ごとの強みが見えてくるでしょう。
視聴者

「視聴者」タブでは、チャンネルを視聴しているユーザーの属性や行動傾向を確認できます。
主な表示内容は以下のとおりです。
- ユニークの視聴者数:期間内にチャンネルの動画を再生した視聴者の数
- リピーター:初めてチャンネルを訪れた人と、複数回視聴している人の割合
- チャンネル登録の有無:登録者と未登録者の視聴比率
- 視聴者が見ている他チャンネルや他コンテンツ:自分の視聴者が興味を持っている他のコンテンツやチャンネル
- 視聴者の年齢層・性別:視聴者層の属性データ
- アクセスの時間帯:視聴者がYouTubeにアクセスしている時間帯のグラデーションマップ
これらのデータを活用して、誰が・いつ・どのように視聴しているかを把握することで、コンテンツの方向性をより正確に調整できます。
トレンド

「トレンド」タブでは、視聴者やYouTube全体で注目されている検索キーワードや話題を確認できます。
特定のキーワードでトレンドを検索すると、関連するキーワードや注目度の高い動画などを一覧で表示してくれるので、コンテンツ作成のヒントとして活用可能です。
詳細モード

YouTubeアナリティクスの右上に表示されている「詳細モード」をクリックすると、各指標をより詳しく分析することができます。
具体的には、内訳や指標、フィルタを設定することで以下のような分析が可能です。
- 流入経路別の再生数やチャンネル登録者数の傾向
- 年齢別のリピーターや平均視聴時間
- コンテンツごとの視聴維持率やクリック率
また、分析データはスプレッドシートやcsv形式でエクスポートすることもできるので、データを抽出してより詳しい分析に役立てることもできます。
チャンネルやコンテンツの細かい傾向について詳しく分析したい場合は、活用してみるとよいでしょう。
YouTubeアナリティクスで分析できること

YouTubeアナリティクスでは、自分のチャンネルや動画のパフォーマンスをさまざまな切り口で分析できます。
他人のチャンネルデータは閲覧できませんが、自分が運営するチャンネルでは「再生数」「視聴者層」「流入経路」などを細かく確認可能です。
ここからは、YouTubeアナリティクスで分析できる主な指標とセグメントについて紹介します。
YouTubeアナリティクスの主な指標
YouTubeアナリティクスでは、主に以下のような指標を確認できます。
指標 | 内容 | 活用例 |
---|---|---|
視聴回数 | 動画が再生された回数 | 人気コンテンツの特定 |
総再生時間 | 視聴者が動画を視聴した合計時間 | 視聴維持率の高い動画の分析 |
平均視聴時間 | 1回あたりの平均視聴時間 | 長く見られる動画の特徴や傾向の分析 |
視聴者維持率 | 視聴者が動画をどこまで見たかの割合 | 離脱ポイントの改善 |
インプレッション | サムネイルが表示された回数 | 視聴機会の規模把握 |
インプレッションのクリック率(CTR) | サムネイルを見た人が再生した割合 | サムネイル・タイトルの改善 |
チャンネル登録者数 | 期間中の登録者増減 | 動画の影響力測定 |
なお、各指標は単独で見るよりも組み合わせて分析するのが効果的です。
例えば「インプレッション数は多いがCTRが低い」場合、サムネイルやタイトルの改善余地があると判断できます。
このように複数の指標を組み合わせて、コンテンツやチャンネルの改善につなげていきましょう。
YouTubeアナリティクスの主なセグメント
YouTubeアナリティクスでは、指標を「セグメント」という切り口で分けて表示可能です。
セグメントを活用することで、同じ指標でも視聴者属性や視聴環境ごとの違いを比較でき、より具体的な改善策が立てやすくなります。
代表的なセグメントは以下のとおりです。
セグメント | 内容 | 活用例 |
---|---|---|
視聴者タイプ | 新規視聴者/リピーター、登録者/未登録者などで分類 | 登録者向けと未登録者向けの動画傾向比較 |
デバイス | PC、スマホ、タブレット、テレビアプリなど | 視聴端末に合わせた動画フォーマットの最適化 |
地域・言語 | 国や地域、視聴言語で分類 | 海外視聴者向け字幕や多言語対応の検討 |
トラフィックソース | 検索、関連動画、外部サイトなど | 集客経路別の強化ポイントの特定 |
コンテンツ形式 | 通常動画、ショート、ライブ配信など | フォーマットごとのパフォーマンス比較 |
セグメントを使うことで「誰に、どんな環境で、どう見られているか」が明確になります。
例えば、スマホ視聴が多い場合は縦型ショート動画の比率を増やすといった施策が検討できるでしょう。
なんとなく「視聴維持率が低い」「チャンネル登録者数が少ない」といった課題に対応するのではなく、セグメントからその原因を特定し、適切な改善策を講じることが大切です。
YouTubeアナリティクスで注目すべき5つの指標

YouTubeアナリティクスには多くのデータが表示されますが、必ずしもすべての指標に注目する必要はありません。
特に初心者のうちは、以下5つの指標を確認するだけでも十分です。
- 視聴者維持率
- インプレッションのクリック率
- 視聴者属性
- アクセスの時間帯
- エンゲージメント
これらを定期的に確認することで、動画の質・集客力・リピーター獲得のバランスを整えやすくなります。
ここからは、それぞれの指標について詳しく見ていきましょう。
視聴者維持率
視聴者維持率は、動画のどの時点まで視聴者が見続けたかを示す割合です。
視聴者維持率が高いほど、YouTubeのおすすめや検索結果に表示されやすくなるため、インプレッション数や視聴回数を増やすうえでは非常に重要な指標といえます。
なお、視聴者維持率の目安は動画のタイプや長さによって異なるため、一概に「〇%以上だと良い」というものはありません。
一部では「40%〜50%以上が理想」という情報もありますが、チャンネル内の動画の平均視聴者維持率も参考にしながら、維持率アップを目指してみましょう。
インプレッションのクリック率
インプレッションのクリック率(CTR)は、サムネイルやタイトルが視聴者に表示された回数のうち、実際にクリックされて再生された割合を示す指標です。
CTRが高い動画は、サムネイルやタイトルが魅力的で、視聴者の興味を引いている状態を指します。
一方、CTRが低い動画は表示回数は多いものの、サムネイルやタイトルが魅力的でないほか、競合動画に負けている可能性があります。
なお、YouTube公式によるとCTRの平均値は 2%〜10%とされていますが、これはCTRが高い動画・低い動画の両方を含んでいる点に注意が必要です。
そのため、以下のようにCTRごとに区分を分けて改善に取り組むことをおすすめします。
- 2%以下:改善優先度が高い
- 3~5%:優先度は低いが要改善
- 6~7%:合格ライン
- 9%以上:理想的なライン
また、CTRが極端に高い場合は、視聴者維持率と合わせてチェックすることが大切です。
CTRが高いものの視聴者維持率が低い場合、いわゆる「釣りタイトル」によって視聴者が集められており、動画の内容が視聴者のニーズに沿っていない可能性があります。
視聴者属性
視聴者属性とは、チャンネルや動画を見ているユーザーの年齢層・性別・地域・使用言語などの情報を示します。
視聴者が誰なのか、どんな傾向があるのか理解することで、コンテンツの方向性や改善施策を最適化することが可能です。
視聴者属性から、例えば以下のような戦略や施策を検討してみましょう。
- 若年層(18〜24歳)が多ければ、SNSトレンドやショート動画を積極的に導入
- 海外視聴者が一定数いる場合、英語字幕を付与して再生時間を延ばす
- リピーター率が低い場合は、シリーズ化や関連動画リンクで再訪を促す
アクセスの時間帯
アクセスの時間帯は、視聴者がYouTube上で最もアクティブに活動している時間帯を示します。
アクセス数が多い時間帯を把握することで、以下のような対策が可能です。
- 動画公開時間の最適化:濃い時間帯の直前に動画を公開すると、初速の視聴回数が伸びやすい
- プレミア公開設定:アクセスピーク時に合わせることでリアルタイム視聴やチャット参加が増える
動画公開後の初動で再生数を集められると、YouTubeのおすすめ表示や検索順位で有利になります。
定期的に時間帯データを確認し、公開スケジュールを調整しましょう。
エンゲージメント
エンゲージメントは、視聴者が動画に対してどれだけ積極的に関わったかを示す指標です。
再生回数だけでなく、以下のような「視聴者の反応や行動」を数値化できるため、コンテンツの魅力度を測るのに役立ちます。
▼エンゲージメント項目
- 高評価数・低評価数:動画への好意度や不満度を示す
- コメント数:視聴者の意見や質問、共感度を把握
- 共有数:動画が他者に薦められた回数
- 再生リスト追加数:視聴者が動画を保存して後で見ようとした回数
たとえば、高評価やコメントの多い動画は、テーマや演出を分析して次の企画にも反映してみるとよいでしょう。
エンゲージメントが高い動画は、YouTubeのおすすめや関連動画に表示されやすくなります。
再生数や視聴者維持率だけでなく、エンゲージメントも定期的にチェックして改善に活かしましょう。
YouTubeアナリティクスを使って分析するメリット
ここからは、YouTubeアナリティクスを使うことで得られる主なメリットとして、以下3つをご紹介します。
- ニーズやトレンドを把握できる
- チャンネル全体や動画ごとに分析できる
- 自分のチャンネルの強みや特徴がわかる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
ニーズやトレンドを把握できる
YouTubeアナリティクスでは、どんな動画やテーマが視聴者に支持されているかを数値で確認できます。
そのため、ニーズやトレンドに合わせて改善策を打てるのが大きなメリットです。
例えば「トレンド」タブを使えば、視聴者が検索しているキーワードや、YouTube全体で話題のテーマがわかるため、自チャンネルの動画制作のヒントになるでしょう。
また、インプレッションごとのCTRや視聴維持率を確認することで、サムネイルや動画自体の課題点を把握することも可能です。
このように、YouTubeアナリティクスを活用してトレンドやニーズを把握することで、チャンネル運営や改善の方針を明確にすることができます。
チャンネル全体や動画ごとに分析できる
YouTubeアナリティクスでは、チャンネル全体のパフォーマンスと動画単位のパフォーマンスを切り替えて分析できるのも魅力です。
全体の分析でチャンネルの方向性を決め、動画別分析で改善策を具体化するなど、マクロ・ミクロの両方の視点から課題を見つけて改善につなげることができます。
自分のチャンネルの強みや特徴がわかる
YouTubeアナリティクスを活用することで、自分のチャンネルの強みや特徴を把握できるのも大きなメリットです。
例えば、「若者の登録者が多い」「女性の視聴維持率が高い」といった情報がわかるだけでも、どのようなユーザーに対して訴求すべきかや、どんな企画がウケるかなどのヒントになるでしょう。
チャンネルの強みを把握することは、闇雲に動画を量産するよりも効率的な成長につながります。
数字から見えた特徴をベースに、自チャンネルのユーザーに刺さるコンテンツを企画してみましょう。
YouTubeアナリティクスを使う際の注意点
YouTubeアナリティクスは強力な分析ツールですが、データの読み方や活用方法を誤ると、かえって施策が迷走する可能性があります。
利用時には、以下のポイントに注意しましょう。
- 短期の数値変動に一喜一憂しない
- 単一指標で判断しない
- 期間設定や比較軸を明確にする
- 外部要因の影響を考慮する
データ分析においては、十分なサンプルを確保したうえで、さまざまな視点から仮説を立てることが大切です。
一部の指標だけを見て「きっとこうだろう」という思い込みで施策を実施すると、的外れな結果になってしまうので注意してください。
まとめ
本記事では、YouTubeアナリティクスの使い方や指標の種類、注目すべき項目について詳しく解説しました。
YouTubeアナリティクスは、チャンネル運営の改善に欠かせない分析ツールです。
視聴回数や維持率、クリック率、視聴者属性、アクセス時間帯など、幅広いデータを活用すれば、「何がうまくいっているのか」「どこを改善すべきか」 を明確にできるでしょう。
数字は単なる記録ではなく、チャンネルの成長を後押しする判断材料です。
ぜひ本記事で紹介した分析方法を参考に、継続的に数値を分析し、データドリブンなYouTube運営で成果を伸ばしていきましょう。