Google広告のP-MAXキャンペーンとは?メリット・デメリット、設定方法を分かりやすく解説

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P-MAXキャンペーンとは、Google広告が提供する最新の広告運用形式で、全ての広告チャネル(検索、ディスプレイ、YouTube広告、ショッピング広告など)を統合し、AIを活用して広告パフォーマンスを最大化します。

Google広告が2021年11月から提供を始めたこのキャンペーンは、広告の自動化を促進し、効率的な管理と優れた費用対効果を実現するため、多くの広告主から注目されています。本記事では、P-MAXの特徴、メリット・デメリット、設定方法、運用のコツを分かりやすく解説します。

これを読めば、P-MAXの活用法が明確になり、広告効果を大幅に向上させるための第一歩を踏み出せるでしょう。

■この記事のポイントまとめ
  1. P-MAXキャンペーンは、Google広告の新しい形式で、機械学習を利用して複数の広告チャンネルにわたり一元管理することが可能です。
  2. 検索、ディスプレイ、YouTubeなどのGoogle広告枠すべてに広告を配信でき、広告運用の工数を大幅に削減します。
  3. 目標ベースの広告戦略を採用しており、AIが配信先のクリエイティブとターゲティングを最適化し、入札を自動調整します。
  4. P-MAXは特にECサイトや成果を重視するビジネスモデルに適しており、「購入」を増加させるために最適化されています。
  5. 設定が比較的簡単で、広告運用がAIによってほぼ自動化されているため、初心者でも容易に扱うことができますが、調整の自由度は低いです。
  6. 運用には明確な目標と適切なアセットの準備が必要で、他のキャンペーンと併用することで最大の効果を発揮します。
  7. 短期間での成果が期待しにくいため、長期的な配信スケジュールの設定が推奨されます。

株式会社クロスリスティングでは、広告施策の運用支援を行っています。50以上の媒体から、貴社ビジネス目標達成のために最適な媒体を、最適な組み合わせでご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。
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Contents
  1. P-MAXキャンペーンとは
  2. P-MAXキャンペーンのメリット
  3. P-MAXキャンペーンのデメリット
  4. P-MAXキャンペーンの設定方法
  5. P-MAXキャンペーンの運用ポイント
  6. P-MAXと他の選択肢の比較
  7. P-MAXキャンペーンのよくある問題点と解決策
  8. P-MAXキャンペーンの費用感
  9. まとめ
  10. P-MAXに関するFAQ(よくある質問)

P-MAXキャンペーンとは

Google p-maxキャンペーン
画像引用:Google公式ブログより

P-MAXは「Performance Max(パフォーマンスを最大化)」の略称で、1つのキャンペーンでGoogle広告の広告枠全てに広告を配信できるメニューです。P-MAXキャンペーンでは以下のチャネルに広告を配信できます。

  • Google検索
  • Googleショッピング
  • Googleディスプレイ
  • YouTube
  • Discover
  • Gmail
  • Googleマップ

P-MAXキャンペーンは、配信面やクリエイティブが既存のキャンペーンから新しくなったものではありません。広告運用のプロセスをほとんど自動化したことが大きな特徴です。

広告の予算と目標を決め、アセット(テキストや画像、動画)とオーディエンスシグナル(ターゲティングの為の学習データ)を予め登録しておくことで、後の工程(配信先に合わせたクリエイティブの作成、ターゲティング、入札調整など)はGoogleのAIが機械学習によって最適解を導き出します。

また、これまでの広告メニューは配信面やオーディエンスのセグメントに合わせてキャンペーンや広告グループを分けて作成する場合が多かったのですが、P-MAXキャンペーンはキャンペーンが1つで済み、広告グループも存在しません。

P-MAXキャンペーンの「最大化」とは

P-MAXキャンペーンが最大化させるのは、目標に基づいた成果コンバージョン)です。

P-MAXはマーケティングファネルの「購入」段階、コンバージョンを最大化させます

販売ファネルで言えば「購入」の部分を拡大させることに向いており、商品の販売促進や見込み顧客の獲得に適しています。データフィードを利用することもできるため、ECサイトなど成果獲得を重視したビジネスには最適です。

一方、ブランドの認知など無関心層へのアプローチには不向きで、他のキャンペーンと使い分けることをお勧めします。

P-MAXキャンペーンのメリット

P-MAXキャンペーンは機械学習を前提とした目標ベースのキャンペーンなので、特に以下の条件が揃うとより大きな効果を発揮します。

  • 既に検索広告を実施しており、リーチやコンバージョンのデータが蓄積されている
  • オンラインでの売上や見込み顧客の獲得など、明確なコンバージョン目標を持っている

他の広告メニューと比較してどのような利点があるのか解説します。

複数チャネルを1つのキャンペーンでカバーできる

P-MAXキャンペーンは、Googleが持つ全ての広告在庫に配信できる点も魅力。Google検索やディスプレイ広告、YouTube広告、ショッピング広告、Discoverフィード、Gmail広告、Googleマップ広告といった、Googleの主要な広告ネットワークを統合的に活用できる形式です。複数のキャンペーンに分散していた予算を一元化し、柔軟な配分調整ができるようになります。

従来のキャンペーンとP-MAXキャンペーンの違い。P-MAXは、配信先ごとにキャンペーンを分け、予算を振り分ける必要がない。
従来のキャンペーンとP-MAXキャンペーンとの違い

広告運用を、ほとんどAIに「おまかせ」できる

P-MAXキャンペーンでは、Googleの機械学習を活用し、配信先やクリエイティブの選定、ターゲティング、入札調整を自動化します。

目標と予算を設定しアセットを登録すれば、配信開始後の運用はほとんど媒体側で行われます。配信面やターゲットに合わせてクリエイティブを何パターンも用意する必要はありません。入札やターゲティングも全て機械学習によって自動で最適化されるので、広告主がこれまで広告運用にかけていた工数を大幅に削減できるでしょう。

コンバージョンを効率よく獲得できる

P-MAXキャンペーンは既存のキャンペーンと比較してコンバージョンを増やしやすいです。Google公式ブログでは、P-MAXキャンペーンを導入した広告主は同じ単価を維持したまま平均で18%以上※のコンバージョン増を達成したと述べています。

消費者のニーズや好み、行動をGoogleがリアルタイムで把握しターゲティングすることで、これまではアプローチできなかったユーザー層へも広告を届けるチャンスが増えます。

あらゆる業種に柔軟に対応できる

P-MAXキャンペーンは、ECサイトを運営する企業からローカルビジネスまで、幅広い業種やビジネスモデルに適応する柔軟な広告ソリューションです。Googleのマルチチャネル広告ネットワークを活用することで、新規顧客の獲得や既存顧客のリテンション(維持)といった多様なマーケティング目標に対応可能です。

具体的には、ショッピング広告を用いて商品を直接販売促進する場合や、YouTube広告やディスプレイ広告でブランディングを強化する場合など、事業の規模や業界特性に応じた広告戦略を一元化できます。この統合的なアプローチにより、広告運用の効率化とターゲットオーディエンスへのリーチ拡大が実現します。

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P-MAXキャンペーンのデメリット

上手に使いこなせば強力なツールとなるP-MAXキャンペーンですが、サービスがリリースされてからまだ日が浅く、効果的な運用方法や成功事例が少ないことが難点です。本記事執筆の2024年12月現在、どのようなデメリットがあるのか解説します。

詳細な設定が難しい

広告運用を媒体側にほとんど「おまかせ」できるのがP-MAXキャンペーンのメリットであると先の項でお伝えしましたが、その分、人の手で管理できる範囲が非常に狭いのも大きな特徴です。

キャンペーンの仕様を十分に理解した上で運用を始めないと、CPA(コンバージョン単価)の高騰を招いたり、無駄に予算を消化してしまう場合もあります。

配信結果の理由が分かりにくい

P-MAXキャンペーンは、その入札戦略が全てAIの機械学習で決められるため、ほとんどの過程がブラックボックス化してしまい、配信結果から考察しにくい(説明できない)という難点があります。

レポートで確認できる情報も限定されているため、効果が上がった(もしくは下がった)時に、何故そうなったのか、細かな検証や考察が難しくなっています。

短期間の配信に向かない

P-MAXキャンペーンは、1カ月程度の短期配信にはあまり向いていません。機械学習で成果を出すには、一定の期間が必要になるためです。Google広告の公式ヘルプでは、配信から少なくとも4〜6 週間は十分なデータを収集するための「テスト期間」として確保するように説明されています。

機械学習が最適化するまでの間は成果が期待できないため、期間限定のスポット配信でP-MAXを導入することはお勧めできません。

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P-MAXキャンペーンの設定方法

P-MAXキャンペーンはGoogle広告の管理画面(ブラウザ)と広告エディタから作成できます。この項では、管理画面からP-MAXキャンペーンを設定する手順をご説明します。

1. キャンペーンを作成する

Google広告の「キャンペーン」画面を開き、「+」アイコンから新しいキャンペーンを作成します。

キャンペーンを作成する

キャンペーン目標に下記のいずれかを選択すると、キャンペーンタイプにP-MAXキャンペーンを選択できます。

  • 販売促進
  • 見込み顧客の獲得
  • ウェブサイトのトラフィック
  • 来店数と店舗売上の向上
  • 目標を設定せずにキャンペーンを作成する
キャンペーン目標の選択

キャンペーンタイプ選択画面で「P-MAX」を選択します。

キャンペーンタイプ選択画面で「P-MAX」を選択

ページのURLとキャンペーン名を設定して、「続行」をクリックします。

ページのURLとキャンペーン名を設定

2. 予算と入札単価を決める

予算

予算設定

予算は1日の平均あたりの金額を設定できますが、上限金額ではないため、実際の消化金額は日によって予算を上回ったり下回ったりすることがあります。Google広告では、1日の平均予算に1か月(30.4 日分)を掛けた金額を請求金額の上限としています。1か月でどのくらい広告費を投入できるのかを考慮した予算設定を行いましょう。

単価設定

単価設定

単価設定では、まず最大化したいのは「コンバージョン(数)」と「コンバージョン値(価値)」のどちらなのかを選択します。「コンバージョン」を選択した場合は「目標コンバージョン単価」を、「コンバージョン値」を選択した場合は「目標広告費用対効果(ROAS)」をそれぞれ任意で設定します。

顧客の獲得

リピーターより新規顧客の獲得を重視したい場合はチェックを入れます。

3. キャンペーン設定をする

キャンペーン設定

地域・言語

広告を配信したい地域を、国や市区町村、あるいは特定の地点から半径〇Km以内といった範囲で設定(または除外設定)ができます。デフォルトでは「すべての国と地域(全世界)」となっていますので、特定の地域に配信を限定しない場合でも、必ず「日本」を選択するようにしてください。

言語を指定すると、検索クエリや掲載面、ユーザーがGoogleのサービスで使用している言語に基づいてターゲティングが行われます。

最終ページURLの拡張

「最終ページURL」は、広告をクリックした際に遷移するページ(ランディングページ)のURLを指します。拡張機能を使うと、同一ドメイン内でGoogleが「コンバージョン獲得が見込める」と判断したページが自動でランディングページに設定されます。

最終ページURLの拡張

この機能は、デフォルトでは拡張機能がオンになっています。オンにした状態で、遷移させたくないページのURLを除外することもできますが、ユーザーを意図したページ以外へ遷移させたくない場合は、拡張機能をオフにすることをお勧めします。

その他の設定

広告の配信スケジュールやURLのオプション(トラッキングテンプレート、パラメータなど)を設定できます。

4. アセットグループを作成する

アセットグループを作成

クリエイティブの材料(アセット)となるテキスト・画像・動画をグループ単位で登録します。アセットグループは複数作成できます。なるべく多くの面に配信する為には、アセットのバリエーションを増やすようにします。

アセットグループの入稿規定

タイプ アセット 規定 下限数 上限数
テキスト 最終ページ URL 最大半角 30 文字(全角 15 文字)、少なくとも 15 文字(全角 7 文字)以内 1 1
広告見出し 最大半角 90 文字(全角 45 文字) 3 5
長い広告見出し 最大半角 90 文字(全角 45 文字) 1 5
説明文 最大半角 90 文字(全角 45 文字)、少なくとも 1 個は半角 60 文字(全角 30 文字)以内。 1 5
ビジネス名 最大半角 25 文字(全角 12 文字) 1 1
行動を促すフレーズ デフォルトでは自動化されているか、リストから選択 1 1
表示URLパス 最大半角 15 文字(全角 7 文字) 0 2
画像 横向き 横長(1.91:1)1,200×628(推奨)、600×314(最小)、最大 5,120 KB 1 20
スクエア (1:1)推奨サイズ 1,200×1,200、最小サイズ 300×300、最大ファイルサイズ 5,120 KB 1 20
縦向き (4:5)960×1200 推奨 480×600 分 0 20
ロゴ (1:1)推奨サイズ 1,200×1,200、最小サイズ 128×128、最大ファイルサイズ 5,120 KB 1 5
横向きロゴ (4:1)推奨サイズ 1,200×300、最小サイズ 512×128、最大ファイルサイズ 5,120 KB 0 5
動画 YouTube 動画 横長、縦長、スクエアのいずれか、動画の尺(長さ)10 秒以上 1 5

広告表示オプション(その他のアセットタイプ)

広告表示オプション(アセット)については別の記事でもお伝えしてますが、追加することで広告効果が上がりやすくなります。アセットは出来るだけ設定することをお勧めします。

  • サイトリンク表示オプション
  • プロモーション表示オプション
  • 価格表示オプション
  • 電話番号表示オプション(コンバージョン目標に電話を含めている場合は必須)
  • 構造化スニペット
  • リードフォーム表示オプション
  • コールアウト表示オプション

動画アセットについて

動画アセットは少なくとも1つ以上登録するようにしてください。動画を登録しないと、その他のアセットを元にGoogleが自動で生成する可能性があります。動画素材を持っていない、用意できない場合は、Canvaなどの無料ツールを使い、画像アセットを簡単なアニメーションにすることもお勧めです。

5. オーディエンスシグナルを登録する

オーディエンスシグナルを登録

顧客リスト、Webサイトを訪問したユーザーのリスト、獲得したい見込み顧客の興味関心や属性(年齢や性別)を登録できます。

既存のターゲティング設定と似ていますが、P-MAXキャンペーンのオーディエンスシグナルがターゲティングと違う点は、登録したオーディエンス以外にも広告が配信されることです。

オーディエンスシグナルに登録されたデータは、機械学習の精度を高める「参考データ」として利用されます。提供された情報を元に、「コンバージョンの可能性が高い」とGoogleが判断したユーザーに対して広告が表示されるので、配信先の細かい設定はできません。

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P-MAXキャンペーンの運用ポイント

この項では、P-MAXキャンペーンを導入し、運用する際に押さえるべきポイントを解説します。

既存の検索キャンペーンと併用する

検索キャンペーンとP-MAXの相乗効果でコンバージョンを最大化できる
画像引用:Google広告ヘルプより

P-MAXキャンペーンは全てのチャネルに広告を配信できますが、これ一つだけで事足りるわけではありません。Google広告公式ヘルプではP-MAXキャンペーンを「既存の検索キャンペーンを補完するもの」と位置付け、検索キャンペーンとP-MAXキャンペーンの相乗効果によってコンバージョン増加を期待できると説明しています。

検索クエリが入札しているキーワードと一致した場合は、検索広告が優先して表示されます。

正確なオーディエンス情報を学習させる

オーディエンスシグナルに登録するデータには、以下のものをお勧めします。

  • 顧客リスト
  • ファーストパーティデータ(自社サイトでコンバージョンしたユーザーの記録)

明確なゴールを決めることと、そこへ辿りつくための適切な情報を学習させることは、機械学習の肝心な要素です。他のキャンペーンなどから得られた顧客の属性や趣味趣向・インサイトを利用することで、Googleの機械学習を強化させることができます。

出来る限りのアセットを用意する

テキスト・画像・動画それぞれ、出来るだけ多くのアセットを用意しましょう。アセットの数や種類が豊富になればなるほど、多様な配信面・ユーザーに向けて広告を表示することができ、配信機会の取りこぼしを減らせます。また、学習データが蓄積され、最適化も進みます。

Google公式ヘルプでは、各アセットに推奨個数を提示しています。

タイプ アセット 推奨される個数
テキスト 広告見出し 5
説明文 4
横向き 3
画像 スクエア 3
縦向き 1
動画 動画 1

除外設定をする

広告を表示させたくないキーワードは「除外キーワード」としてアカウント単位で設定することができます。自社の商品やブランドに関係のないキーワードは設定するようにしましょう。除外キーワードは個々のキャンペーンで設定することは出来ないため、作成すると他のキャンペーンにも影響します。

また、今後はキャンペーン単位でのブランド除外機能も追加されるとのことです。

学習期間を考慮した配信スケジュールを立てる

デメリットの項でもご説明した通り、AIの機械学習には十分な学習期間が必要です。配信開始から少なくとも6週間は「テスト期間」とし、中長期的なスケジュールで目標達成できるように進めることが、P-MAXキャンペーンで成果を出すためのコツです。

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P-MAXと他の選択肢の比較

P-MAXキャンペーンは、Googleのすべての広告ネットワークを統合し、機械学習を活用して広告のパフォーマンスを最大化する便利なキャンペーン形式です。しかし、全ての広告主に最適なわけではありません。

P-MAXを選ぶべき広告主

多チャネルでの広告配信を希望する場合

P-MAXはGoogle検索、YouTube、ディスプレイ、ショッピング広告など、複数のチャネルを1つのキャンペーンでカバーします。一元管理で時間と手間を削減できるため、リソースが限られている中小企業や多チャネル戦略を展開したい企業に適しています。

自動化を活用して効率化したい場合

GoogleのAIが入札、ターゲティング、クリエイティブの組み合わせを最適化するため、広告運用に時間をかけられない広告主に向いています。

他の選択肢との比較

検索広告(リスティング広告)ショッピング広告ディスプレイ広告
ユーザーの検索意図に基づき直接的な成果を狙う場合、検索広告が有効です。ターゲティングやキーワード選定を細かくコントロールしたい場合は検索広告を選ぶべきです。商品販売に特化したキャンペーンでは、ショッピング広告が効果的。P-MAXと比べてターゲティングが限定的ですが、商品の価格や在庫情報を詳細に表示できます。ブランド認知を高めたい場合、ディスプレイ広告は画像や動画を使った視覚的な訴求が可能です。細かいターゲティング設定が必要な場合はディスプレイ広告が適しています。

P-MAXが適さない場合

詳細な制御を重視する広告主

P-MAXではGoogleのAIに多くを委ねるため、ターゲティングやクリエイティブを細かく管理したい広告主には向きません。

単一チャネルに特化したい場合

1つのチャネル(例:検索広告)に集中して成果を出したい場合、P-MAXよりも専用キャンペーンの方が効果的です。

P-MAXは自動化による効率化と広範囲の広告配信を必要とする広告主にとって強力な選択肢です。ただし、詳細な制御や特定チャネルでの運用を優先したい場合は、他のGoogle広告キャンペーンや他プラットフォーム(例:Facebook広告、Amazon広告)を検討する価値があります。運用の目的とリソースを明確にし、それに合った手法を選択しましょう。

P-MAXキャンペーンのよくある問題点と解決策

P-MAXキャンペーンは、Google広告の強力な自動化機能を活用しますが、運用中に問題が発生する場合があります。ここでは、よくある課題とその解決策をわかりやすく解説します。

パフォーマンスが安定しない

問題点解決策
キャンペーン開始直後やクリエイティブ変更後に、成果が思わしくない場合があります。これはGoogleの機械学習が最適化を進めるための学習期間中によく見られる現象です。学習期間(通常1~2週間)は継続的に運用を続け、急な変更を控えましょう。必要であれば、アセットの追加や目標CPA/ROASの調整を検討してください。

広告配信が期待通りに進まない

問題点解決策
広告が十分に配信されない、またはクリック数が少ない場合があります。この原因として、予算設定やオーディエンスシグナルの不足が考えられます。予算が適切か、目標CPAやROASが現実的か確認してください。また、オーディエンスシグナルを充実させるため、過去のコンバージョンデータやカスタムオーディエンスを活用しましょう。

特定チャネルでの効果が薄い

問題点解決策
特定のチャネル(例:YouTubeやディスプレイ)でのコンバージョンが少ないと感じる場合があります。Google広告のレポート機能を使用して各チャネルのパフォーマンスを分析し、低パフォーマンスの原因を特定します。アセットの種類(動画、画像、テキスト)を増やすことで改善する場合があります。

配信結果が期待と異なる

問題点解決策
配信結果がターゲットや目標と異なる場合、自動化に頼りすぎている可能性があります。クリエイティブの内容やターゲティングデータを見直し、Googleに提供するアセットやオーディエンスシグナルを最適化してください。具体的な目標値(例:CPA、ROAS)を設定することも重要です。

P-MAXキャンペーンの費用感

P-MAXキャンペーンの費用感は、広告主の目標や設定次第で柔軟に調整可能です。主に予算、目標CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)が影響します。ここでは、P-MAXの費用構造と、広告主が知っておくべきポイントを解説します。

予算設定

P-MAXキャンペーンでは、広告主が設定する1日あたりの予算が費用の基準となります。たとえば、1日1万円の予算を設定した場合、月間で約30万円の広告費がかかる計算です。ただし、Googleは柔軟に配信を調整するため、特定の日に予算を超える場合もあります(ただし、月間平均で設定金額内に収まる)。

入札戦略による影響

P-MAXでは、Googleの機械学習を利用した入札戦略を選択します。特に次の2つが広告費に影響します。

  • 目標CPA(Cost Per Acquisition):1件のコンバージョンにかけられる広告費の上限を設定
  • 目標ROAS(Return On Ad Spend):広告費に対する収益率の目標を設定

これらの目標が現実的でない場合、広告配信量が制限されたり、成果が出にくくなったりするため注意が必要です。

費用対効果の計測

P-MAXは複数のチャネルを統合して配信するため、全体のパフォーマンスを分析することが重要です。広告費が高く感じられる場合でも、コンバージョンや売上が目標を達成しているなら費用対効果が高いと判断できます。Google広告のレポート機能を使い、各チャネルごとのパフォーマンスを細かく確認することをおすすめします。

実際の費用感

  • 小規模ビジネス:1日1,000~5,000円の予算からスタート可能。月間3~15万円程度
  • 中規模ビジネス:1日1万円以上の予算で月間30万円以上を投資するケースが一般的
  • 大規模ビジネス:月間100万円以上を広告予算に充てる場合も

P-MAXキャンペーンの費用は、目標設定と運用の効率性次第で大きく変動します。特に、予算と成果(コンバージョン)とのバランスを継続的に見直すことが、効果的な運用の鍵です。初期設定では無理のない予算からスタートし、データを蓄積しながら最適化を進めていきましょう。

まとめ

ここまで、P-MAXキャンペーンについて設定方法やメリット・デメリット、運用ポイントについて解説しました。細かな設定や調整の必要がない(できない)点は、これまで広告運用に触れたことが無い人にはメリットが大きく感じられる一方で、広告運用の経験者にはややとっつきにくい印象があるかもしれません。

明確な目標を持ち機械学習の特性を理解しながら運用すること、他のキャンペーンと併用することで、P-MAXキャンペーンの広告効果を最大限に引き出すことが可能になります。

本記事を参考に、是非ともチャレンジしてみてください。

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P-MAXキャンペーン導入ガイド

P-MAXキャンペーンの効果的な設定手順と運用ポイントを解説した導入ガイドです。広告運用の自動化に興味がある方におすすめ。
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P-MAXに関するFAQ(よくある質問)

Q1: P-MAXキャンペーンとは何ですか?

P-MAX(Performance Max)は、Google広告が提供する最新のキャンペーン形式です。Google検索、YouTube、Gmail、ショッピング広告、ディスプレイ広告など、Googleの全広告ネットワークに対応しており、広告運用を自動化してパフォーマンスを最大化します。

Q2: P-MAXキャンペーンでどのような広告を配信できますか?

P-MAXは、次の広告チャネルで利用可能です。

  • Google検索
  • Googleショッピング
  • Googleディスプレイ
  • YouTube
  • Discover
  • Gmail
  • Googleマップ

Q3: 他のGoogle広告キャンペーンと何が違うのですか?

P-MAXは、1つのキャンペーンであらゆる広告チャネルを統合し、Googleの機械学習を活用して広告配信、ターゲティング、入札を最適化します。従来のキャンペーンでは広告グループを細分化する必要がありましたが、P-MAXではこれを省略し、完全自動化を実現します。

Q4: P-MAXキャンペーンのメリットは何ですか?

  • 自動化:ターゲティングや入札調整が自動化され、運用負担が軽減される
  • パフォーマンスの最大化:広告予算を最適化してコンバージョン率を向上させる
  • 多チャネル配信:すべてのGoogle広告ネットワークに対応している
  • 時間の節約:設定後、Google AIが効果を最大化するための調整を自動で行う

Q5: どのようなビジネスに適していますか?

P-MAXは、eコマース事業、リード獲得を目的とするB2B企業、ローカルビジネスなど、幅広い業種に適しています。特に、時間やリソースが限られている広告主に最適です。

Q6: アセットとは何ですか?

アセットとは、P-MAXで使用する広告素材を指します。これには、テキスト(見出しや説明文)、画像、動画が含まれます。Googleの機械学習がアセットを組み合わせて、広告配信チャネルごとに最適なクリエイティブを生成します。

Q7: P-MAXキャンペーンの運用結果をどのように評価すれば良いですか?

Google広告のレポート機能を使い、以下のポイントを分析してください。

  • コンバージョン率
  • CPA(顧客獲得単価)
  • ROAS(広告費用対効果)
  • 各チャネルごとのパフォーマンス

Q8: P-MAXの設定にはどのくらい時間がかかりますか?

基本的な設定(予算、目標、アセットのアップロード)には数時間で完了します。その後、Googleの機械学習が学習期間を経て最適化を行います。この学習期間は通常1~2週間程度です。

Q9: P-MAXで広告グループを作成する必要はありますか?

いいえ、P-MAXでは広告グループは存在しません。キャンペーンは1つの単位で管理され、Google AIが自動で広告配信を最適化します。

Q10: P-MAXキャンペーンの注意点は何ですか?

初期段階では学習期間が必要なため、短期間での成果を期待しすぎないこと。
すべての配信設定が自動化されるため、細かいターゲティングを直接コントロールすることはできません。広告のパフォーマンスを定期的に確認し、アセットや目標を見直すことが重要です。

Q11: 現在使用しているショッピング広告と併用できますか?

はい、ただしP-MAXキャンペーンのショッピング広告と既存のショッピング広告が重複する場合、P-MAXが優先されることがあります。重複が気になる場合は、設定を調整してください。

Q12: Google広告アカウントにログインしてから何を最初にすべきですか?

次のステップでP-MAXキャンペーンを始めましょう。

  • 目標の設定:売上、リード獲得などの具体的な目的を決める
  • アセットのアップロード:テキスト、画像、動画素材を準備する
  • 予算と入札戦略の決定:広告費用を効果的に配分する

P-MAXキャンペーンに関してさらに知りたいことがあれば、お気軽にお問い合わせください。

著者(writer)
Sienca 事務局

リスティングをはじめとした運用型広告など、インターネット広告全般の運用サポートを実施しております。BtoCからBtoBまで様々なクライアント様の広告運用により得た知見を基にブログをお届けします。

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