リスティング広告におけるレリバンシーの重要性とは?
リスティング広告を運用しているとき、コンバージョン率が思うように上がらないという悩みはありませんか。あるいは、同じキーワードで出稿しているライバル企業に比べ、自社の広告が表示されていないと感じている方もいるかもしれません。ユーザーが情報検索するときに表示されるリスティング広告は、企業が自社のサービス・商品などを告知する有力な手段です。しかし、手法を間違うと、広告費のわりに成果が出ないといったことになりかねません。
そこで、今回はリスティング広告をする際に重要とされるレリバンシーやそれを意識した広告出稿時のポイント、問題点などについてまとめます。
リスティング広告におけるレリバンシーとは?
リスティング広告とは、ユーザーの検索する語句(キーワード)にあわせて表示される広告のことです。低予算でも出稿できることや、見込みの高いユーザーを狙ったアプローチが可能だからです。
レリバンシーは広告や情報の関連性、高い興味関心といった意味合いで用いられる言葉ですが、広告に関しては「自分へのかかわり方の度合い」であり「自分ごとの度合い」とみることができます。顧客にとって、掲示される広告が自分ごとであるか否かはとても重要です。
釣りに関心を持つ人に対し、全く無関係な化粧品の広告を提示したところでアクションは返ってきません。自分の問題を解決してくれるリスティング広告であれば、顧客は問題解決のための行動を喚起され、次のアクションを実行するでしょう。
このように、リスティング広告において、アピールする商品やサービスがいかに自分ごとであるかというレリバンシーは非常に重要だといえます。
リスティング広告でレリバンシーが重要とされる理由
何らかの商品やサービスを提供しようとしても、相手が求めてないものであれば何の反応も返ってきません。しかし、リスティング広告のように検索と結びついた広告であれば、リアクションにつながる可能性が高まります。
ユーザーが何らかの情報を検索するのは自分が抱えている問題を解決したいという欲求があるからです。そのため、検索結果したキーワードに沿った広告を提示するリスティング広告はレリバンシーのある広告となります。
相手に自社の商品やサービスを押し付けるような広告は、ユーザーに見向きもされません。しかし、自分が興味関心を持つものに関する広告であれば、ユーザーの問題解決をしたいという欲求を満たすものとなり、ありがたいと感じてもらえる広告となるでしょう。
このように、リスティング広告ではユーザーのレリバンシーを考えて内容を吟味し、出稿することが重要だといえます。
リスティング広告出稿時にレリバンシーを意識すべきポイント
リスティング広告において、ユーザーの問題解決を意識したレリバンシーの高い広告が重要であるとわかりました。ここからは、レリバンシーを意識した広告をつくるために重要なポイントを整理します。
キーワード選定
想定するターゲットユーザーが、どのようにして情報を検索するかを考え、キーワードを選定します。ユーザーの悩みを解決するキーワードであれば、レリバンシーが高い広告となり、コンバージョン率を高めることができます。
ターゲット選定
ターゲットの設定も重要です。自社が提供できる商品やサービスを提供しているユーザーを絞り込み、コンバージョンを高めます。ただし、あまりにターゲットを絞り込んでしまうと、幅広い層にアプローチすることができません。
つまり、レリバンシーの高い広告になればなるほど、特定個人の問題解決に結びつきやすく、それ以外に人に訴求する効果が低くなってしまいます。ターゲット選定の際は、レリバンシーの高さだけではなく、ある程度の一般化も意識する必要があります。
クリエイティブ制作時
広告コンテンツを制作するときは、ユーザーの悩みとの関連性や場にとけこむ親和性が重要です。ユーザーが検索する語句や検索結果と違和感なくマッチする親和性のあるデザインや、自分ごととして考えるきっかけとなる広告のキャッチコピーも重要です。
ここで大事なのは、相手の悩みや問題解決に寄り添う内容やデザインになっているかということです。顧客目線で考え、「この商品は、自分のための商品だ」と思ってもらえるような広告コンテンツをつくることで、ユーザーのレリバンシーが高い広告を提示できます。
LP制作時
ユーザーが問題解決しようとして情報を検索して自社サイトにたどり着くとき、最初に目にするのがランディングページ(LP)です。ユーザーと真っ先に向きあうという点で、LPは商品やサービスの「顔」ともいえる存在です。
そこには、ユーザーの悩みの解決につながる情報やメリット、サービスなどを紹介する情報が表示されていなければなりません。それだけではなく、「この商品(サービス)を利用すると、〇〇になる」とユーザーの利益(ベネフィット)となる情報も提示し、ユーザーが商品を購入した後のことをイメージできる内容も提示するべきです。
商品やサービスを利用した後のことをイメージさせることで、コンバージョン率を高めることができるのです。
リスティング広告におけるレリバンシーの問題点
リスティング広告においてレリバンシーを上げることは、商品購入やサービスの契約といったコンバージョンを高めるというメリットがあります。しかし、その一方でターゲットを絞り込みすぎ、取り込める層が少なくなるという懸念があります。
パン屋はパンを売る店であり、店内には複数の種類のパンがあります。その中で、もっとも売れているのがクリームパンだとしましょう。そこで、顧客が求めているものはクリームパンだと考え、クリームパン専門店として売り出したとします。
「よりおいしいクリームパンが食べたい」と思っている層をひきつけ、固定ファンを獲得することができるかもしれません。その一方で、クリームパンにさほどこだわらない層は、別の一般的なパン屋に流れてしまうかもしれません。
顧客の悩みに沿うレリバンシーを追求しすぎると、かえって取りこぼしが増えてしまうのです。
ということは、広い範囲に認知を拡大するときの手段として、レリバンシーの高いリスティング広告は有利な手段とはいえません。認知度を拡大するのであれば、同じリスティング広告でも検索連動型ではなく、コンテンツ連動型を選択するとよいでしょう。
コンテンツ連動型広告の特徴は、Webサイトやコンテンツの内容、使用されている言葉などを自動的に抽出し、ユーザーが見ているサイトと似た内容の広告を配信することです。これであれば、絞り込みすぎによる弊害を緩和できます。
同じリスティング広告でもコンバージョン率を向上させるにはキーワード型の広告を重視してレリバンシーを意識し、認知度を拡大するときには、コンテンツ連動型の広告を用いて、レリバンシーが高すぎない広告を意識するなど使い分けるのがおすすめです。
ユーザー目線に立ちレリバンシーの高いリスティング広告運用を!
広告は、企業の「〇〇という商品・サービスを提供したい」という要求が表に出がちです。しかし、それではユーザーの問題解決に寄与する情報提供とはいえません。
ユーザーの目線に立ち、課題や悩みを解決してこそ「自分ごと」の広告として受け入れられ、コンバージョン率を高める結果につながります。
レリバンシーを高めるには、キーワードを意識したリスティング広告の制作・配信が必須です。商品・サービスを使用した後の変化をイメージできる広告にすることで、成約率を向上させられるのではないでしょうか。