EFOとは?入力フォーム最適化のための考え方と対策
この記事では、Webサイトの入力フォームを最適化して、ユーザーがスムーズに情報を入力できるようにするEFO(入力フォーム最適化)の手法について解説します。
EFOを実施することで、フォーム途中での離脱を防ぎ、最終的なアクションまで誘導することでコンバージョン率(CVR)を向上させることが可能です。
具体的には、入力項目を簡潔にし、エラーメッセージのタイミングを調整するなど、ユーザー体験を向上させる具体的な改善策を紹介します。EFOは、ユーザーのストレスを軽減し、正確な情報をスムーズに入力させ、結果的にビジネス目標の達成に貢献します。フォーム改善のための効果的な設計ポイントも詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
- EFO(入力フォーム最適化)は、Webサイトの入力フォームを改善し、ユーザーがスムーズに情報を入力できるようにするプロセス
- ユーザー体験の向上、コンバージョン率の向上、エラーの削減、再訪意欲の促進、分析とフィードバックの活用が主なメリット
- 離脱の原因には、入力項目やステップの多さ、入力内容のリセット、全角・半角の指定不明、補助入力機能の欠如、エラー箇所の不明瞭さがある
- 改善策として、入力項目の削減、早期エラーメッセージ表示、残り項目やページ数の表示、入力例の表示、必須項目が入力されるまでの送信制御がある
- 入力補助機能として、住所やメールアドレスの自動入力、入力文字種に応じたキーボードの自動切替などが効果的
EFOとは?
EFOとは、Webサイトの入力フォーム(エントリーフォーム)を改善するプロセスのことです。入力フォーム最適化とも呼ばれます。
EFOでは、Webサイト訪問者が商品を購入する際やイベント・セミナーに申し込む、資料を請求する、または会員登録を行うなどの行動をスムーズに行えるように、フォームに必要な個人情報の入力を簡単にします。
具体的には、入力フォームの設計を見直し、ユーザーが入力を完了しやすくなるよう使いやすさと視認性を高め、フォームの手間や混乱を減らすことで、訪問者が入力途中でページを離れることなく、目的のアクションを完了できるよう努めます。これにより、サイトのコンバージョン率の向上が期待できます。
EFOを実施するメリット
EFOは、企業のデジタルマーケティング戦略において重要な役割を果たします。EFOの実施は、以下のようなメリットがあります。
ユーザー体験の向上
EFOは、入力フォームをより直感的かつ使いやすくすることに重点を置いています。これにより、ユーザーはストレス少なく情報を入力でき、サイト全体の満足度が向上します。ユーザーが快適に感じるフォームは、離脱率を下げ、エンゲージメントを高めることに直結します。
コンバージョン率の向上
フォームがシンプルでわかりやすいことは、ユーザーが最後まで情報入力を完了しやすくするため、最終的なコンバージョンの確率を高めます。特に、購入プロセスや申し込みフォームにおいては、スムーズな入力プロセスが高いコンバージョン率と売上増加につながります。
エラーの削減
適切に設計されたフォームは、入力ミスを減らすのに役立ちます。例えば、フォーマットを指定したり、エラーをリアルタイムで指摘することで、ユーザーが正確な情報を提供する手助けをします。これは、特に登録プロセスや重要な情報を扱う場面で重要です。
再訪意欲の促進
ユーザーが一度良い体験をしたサイトには、再び訪れる可能性が高まります。EFOによって最適化された入力フォームは、ユーザーにポジティブな印象を与え、ブランドロイヤルティの向上に寄与します。
分析とフィードバックの活用
フォームの最適化過程で得られる多くのデータは、ユーザーの行動パターンや好みを理解する貴重な情報源となります。これを利用してさらなるサイト改善につなげることができます。
なぜフォームで離脱が起きるのか?離脱の原因
商品やサービスに関心を持ってもらったにも関わらず、なぜ入力フォームで離脱されてしまうのでしょうか?
原因をいくつかご紹介します。
- 入力項目や入力ステップが多い
- ブラウザを戻ると入力内容がリセットされ最初からやり直し
- 全角や半角の指定がわかりづらく面倒
- 必須項目と任意項目がわかりづらい
- 住所などの補助入力機能がなく入力が面倒
- どこでエラーになっているのかわからない
上記は離脱されてしまう原因の一部ですが、皆様も一度は同じように感じた項目があったのではないでしょうか?これらの課題を、EFOを活用して改善しましょう。
入力項目や入力ステップが多い
入力フォームにおいて、入力項目が必要以上に多いことや、入力フォーム自体の画面遷移ステップが多いことはユーザーにストレスを与えてしまい離脱の原因になります。
ブラウザを戻ると入力内容がリセットされ最初からやり直し
ブラウザバックと言われたりもしますが、ユーザーが前のページに戻ってしまったときに入力内容がリセットされてしまう場合があります。
ユーザーが意図的に前のページに戻る場合もありますが、中には操作ミスで前のページに戻ってしまう場合があります。その都度入力内容がリセットされてしまってはユーザーに多大なストレスを与えてしまいます。
全角や半角の指定がわかりづらく面倒
入力フォームでは全角や半角の指定があることが多いです。そういった場合、ユーザーが入力する前にその情報を伝える方が親切です。まれにすべての項目を入力した後、確認画面に移った際に全角・半角の指定を知らされることがあります。そうなるとユーザーはもう一度その部分に戻り再入力する必要があり非常にわずらわしく感じてしまいます。
必須項目と任意項目がわかりづらい
さきほどの全角・半角の指定と同じように、必須項目や任意項目も入力する前にユーザーにその情報を伝えるほうが親切です。
住所などの補助入力機能がなく入力が面倒
こちらも皆さん経験ある方が多いと思いますが、郵便番号を入力するだけで住所が途中まで自動入力される機能があります。非常に便利な機能なので、逆にこの機能がない場合はユーザーに面倒に思われることがあります。
どこでエラーになっているのかわからない
入力フォームの確認画面に移った際も、エラーになってしまい、さらにはエラー項目がどの項目なのかが不明な場合があります。こちらもユーザーに不快感を与えてしまい離脱につながります。
EFOの具体的な改善施策リスト
これまで入力フォームでの離脱の原因についてご説明してきましたので、ここからは改善施策についてご紹介します。
- 入力項目をできるかぎり減らす
- 入力エラーを早めに気づかせる
- 入力項目があといくつあるのかを表示する
- 入力ページがあと何ページあるのかを表示する
- 入力欄を色付けしわかりやすくする
- 入力例を表示することでわかりやすくする
- コンバージョン(ゴール)の種類によってエントリーフォームを分ける
- 遷移ページが多い場合は出来るかぎり減らす
- ブラウザから誤った離脱を防ぐ
- 住所やメールアドレス入力を助ける補助機能をつける
- 入力欄の文字種に合わせて最適なキーボードに自動切替する
- 必須項目がすべて入力されるまで送信できないようにする
- 送信ボタンのコピーはその後のアクションと一致させる
- フォームの設置場所を最適化する
- ステップ型フォームにする
入力項目をできるかぎり減らす
まずは入力項目を必要最小限に減らしましょう。
入力フォームにおける入力項目が多ければ多いほど、ユーザーの離脱率が高まってしまう傾向があります。
入力エラーを早めに気づかせる
入力エラーによるユーザーのストレスを軽減するためには、エラーメッセージを表示するタイミングが重要です。
ユーザーが入力している最中にエラーであることを知らせましょう。そうすることでユーザーはエラー箇所にすぐ気づくことができ最小限のストレスで再入力に移れます。
入力項目があといくつあるのかを表示する
ユーザーが残りいくつの項目を入力する必要があるのかを表示するだけでも効果があります。
ゴールが見えていることで項目を埋めていくモチベーションにつながります。
入力ページがあと何ページあるのかを表示する
入力項目の残り数を表示するのと同じように、残りのページ数を表示することもユーザーのモチベーションを保つ要因です。
漠然と入力していくよりも、ゴールが見えているほうが安心できます。
入力欄を色付けしわかりやすくする
必須入力項目などの欄を色付けしておくことで、重要事項を知らせることができ不必要な入力からユーザーを解放することができます。時間がないときなどは重要事項のみの入力で簡単に済ませたい場合もありますので、そういったときに助かります。
入力例を表示することでわかりやすくする
入力項目の欄に、あらかじめ例を表示しておくことで記入すべき内容を直観的に把握できユーザーのサポートになります。漢字表記なのかローマ字表記なのか、ハイフンが必要なのかそうでないのか、全角なのか半角なのかなどが直観的に把握できるだけでも入力のわずらわしさは軽減されます。
コンバージョンの種類によって入力フォームを分ける
入力フォームは商品などの購入だけでなく、資料請求や資料ダウンロード、会員登録などさまざまな目的があります。
入力フォームが同じになっている場合、ユーザーの目的とフォーム名の相違があった場合に混乱を招く原因になります。
コンバージョンごとにフォームを用意し、ユーザーの目的とフォームが一致するようにしましょう。
遷移ページが多い場合は出来るかぎり減らす
Webサイトによっては入力ページ数がとても多い場合がありますが、遷移するページが多ければ多いほど離脱率が高まる傾向にあります。
入力フォームの遷移を減らす解決策の一つとして、ランディングページと入力フォームを一体化する方法もあります。
ブラウザから誤った離脱を防ぐ
ブラウザから誤った離脱を防ぐために、入力中のページから離脱しようとした際に注意を促すダイアログを表示させる方法があります。
一度離れてしまうとこれまでの入力がリセットされてしまうので、ページから離れても問題ないかを確認する施策です。
住所やメールアドレス入力を助ける補助機能をつける
住所入力項目では、ユーザーが入力した郵便番号から都道府県・市区町村を割り出し、自動で入力してくれる補助機能が便利です。
メールアドレスの項目でも@以降に入る文字を予測して一覧表示し入力をサポートする機能があります。
メールアドレスの入力が間違っているとコンバージョン後の確認メールなども届かないので、そういったことを防ぐためにも効果的です。
入力欄の文字種に合わせて最適なキーボードに自動切替する
入力欄は最初から入力文字種が決まっているものがあります。例えばメールアドレスであれば英数字や記号、電話番号であれば数字などです。
パソコンで入力する際はあまり気になりませんが、最近ではスマホで入力する機会も多いと思います。
スマホで入力するユーザーのためにも、入力欄の文字種に合わせてあらかじめ表示するキーボードを合わせてあげたほうが親切です。
必須項目がすべて入力されるまで送信できないようにする
未入力項目があることをユーザーに伝えるためにも、必須項目がすべて入力されるまで送信できないようにすることも施策の一つです。
さきほどお伝えした残りの入力項目数を表示する機能などもありますので、そちらとあわせて検討してみてください。
送信ボタンのコピーはその後のアクションと一致させる
フォームの送信ボタンのコピー(文言)は、その後のアクションと相違がないよう注意してください。例えば資料ダウンロードのフォームであれば、ボタンのコピーは「資料をダウンロードする」 などが適切です。これが「登録する」 「申し込む」 といった形でズレがあると、コンバージョン率に悪影響が出ます。
フォームの設置場所を最適化する
フォームをどこに設置するか、という部分もコンバージョン率に影響します。例えば資料ダウンロードのページの場合、スクロールしないとフォームが見えてこないレイアウトは一般的に、コンバージョン率が低いです。それよりも、ファーストビューでフォーム全体(可能であれば送信ボタンも)を見せるレイアウトにしたほうが、コンバージョン率は確実に上がります。
ステップ型フォームにする
ステップ型フォームとは、1つの入力項目や質問に対して1画面(または1ステップ)を割り当てるフォーム設計のことです。ユーザーが一度に1つの質問に集中できるため、長いフォームのように圧倒されることが少なく、全体の入力負担が軽減されます。モバイル向けのフォームとして最適です。
EFOツールの比較ポイント
EFO(入力フォーム最適化)ツールの比較ポイントは、ツールを選定する際に考慮すべき重要な要素です。以下に主要な比較ポイントを列挙しました。
項目 | 比較ポイント |
---|---|
ユーザーインターフェースと使いやすさ | 直感的なデザイン:ツールのインターフェースが直感的で分かりやすいかどうか。 操作性:フォームの作成や編集が簡単でスムーズに行えるか。 学習曲線:ツールの使い方を学ぶのにどれくらいの時間がかかるか。 サポート:ツール内でヘルプやガイドが充実しているか、使いやすいサポート機能があるか。 |
機能性 | 入力支援機能:オートコンプリート、入力チェック、インラインバリデーションなどの機能があるか。 トラッキングと分析:ユーザー行動をトラッキングし、分析するための機能があるか。 レポート生成:フォームのパフォーマンスレポートを自動生成できるか。 ABテスト:異なるフォームバージョンをテストする機能があるか。 レスポンシブデザイン:フォームがモバイルデバイスやタブレットでも正しく表示されるか。 |
カスタマイズ性 | デザインカスタマイズ:フォームのデザインやスタイルを自由にカスタマイズできるか。 コード編集:独自のスクリプトやCSSを追加できるか。 テーマやテンプレート:あらかじめ用意されたテーマやテンプレートがあるか、それをカスタマイズできるか。 条件付きロジック:ユーザーの入力に応じてフォームの表示内容を動的に変えることができるか。 |
価格 | 料金プラン:無料プランや有料プランの料金体系。サブスクリプションモデルか一括購入か。 機能制限:無料プランや低価格プランで利用できる機能の範囲。 コストパフォーマンス:提供される機能に対して価格が適切かどうか。 |
対応プラットフォーム | 互換性:主要なブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edgeなど)とデバイス(PC、モバイル、タブレット)に対応しているか。 統合可能性:使用中のCMS(WordPress、Shopify、Joomlaなど)やその他のツール(CRM、マーケティングオートメーションツール)と簡単に統合できるか。 APIの提供:必要に応じてAPIを利用して他のシステムと連携できるか。 |
おすすめのEFOツール5選
以下は、おすすめのEFOツールです。
Form Assist(フォームアシスト)
Form Assistは、豊富なアシスト機能を備え、入力ミスを減らし、ユーザーがスムーズに入力できる環境を提供しているEFOツールです。
主な機能 | 業界最多のアシスト機能(40種類以上) デザイン変更 コンサルタントによるおまかせ分析 簡単な導入(タグ設置のみ) |
料金体系 | 要問合せ |
運営会社 | 株式会社ショーケース |
公式サイト | https://efo.showcase-tv.com/formassist/ |
formrun(フォームラン)
formrunは、簡単にフォームを作成・管理できるツールで、特に小規模ビジネスやスタートアップに人気があります。CRM機能も統合されており、顧客管理が容易です。
主な機能 | フォーム作成、 データ管理 CRM機能 カスタマイズ可能なフォームデザイン ユーザー行動トラッキング |
料金体系 | FREE:0円 BEGINNER:月額3,880円(税抜) STARTER:月額12,980円(税抜) PROFESSIONAL:月額25,800円(税抜) エンタープライズプラン:要問合せ 詳細:https://form.run/home/pricing |
運営会社 | 株式会社ベーシック |
公式サイト | https://form.run/home |
SiTest
SiTestは、フォームの最適化に加えて、ウェブサイト全体のコンバージョン率を向上させるための機能が豊富なツールです。詳細な解析とABテスト機能が強みです。
主な機能 | フォーム最適化 ABテスト ユーザー行動解析 パーソナライズドコンテンツ提供 詳細なレポート機能。 |
料金体系 | フリー エンタープライズ UI/UXコンサルティングの3プラン ※具体的な料金は要問合せ 詳細:https://sitest.jp/plan/ |
運営会社 | 株式会社グラッドキューブ |
公式サイト | https://sitest.jp/ |
Gyro-n EFOネクスト
Gyro-n EFOネクストは、ステップ式フォームとEFOを組み合わせることで、ユーザーの離脱率を大幅に減少させ、入力の正確性を向上させることができるエントリーフォーム最適化ツールです。直感的でシンプルな入力体験を提供することにより、コンバージョン率の改善が期待できます。
主な機能 | ステップ式フォーム リアルタイムエラー表示 離脱防止機能 詳細な分析機能 |
料金体系 | 月額15,000円~(税抜) 詳細:https://www.gyro-n.com/efo/price/ |
運営会社 | 株式会社ユニヴァ・ジャイロン |
公式サイト | https://www.gyro-n.com/efo/next/ |
EFOcats
EFOcatsは、エントリーフォーム最適化ツールで、既存のフォームにタグを追加するだけで、スマートフォンでの入力をサポートする「1画面1項目」のステップ型フォームに変換することができます。入力のストレスを軽減し、離脱率の低減を図ります。
主な機能 | ステップ型フォーム リアルタイムエラー表示 離脱防止機能 詳細な分析機能 |
料金体系 | SPサイトのみ:月額40,000円(税抜) SPサイト+PCサイト:月額60,000円(税抜) 詳細:https://www.fcafe.com/services/efocats#pricing |
運営会社 | 株式会社エフカフェ |
公式サイト | https://www.fcafe.com/services/efocats |
まとめ
今回はEFO(入力フォーム最適化)というテーマを取り上げました。
せっかく商品やサービスに関心を持ってもらったにも関わらず、入力フォームで離脱されてしまうのは非常にもったいないことです。
ぜひ自社のWebサイトのフォームを見直して、ユーザー視点で使いづらいポイントがないかチェックしてみてください。
当社では、EFOやCRO、Web接客などによるCV率改善・売上拡大の実績がございます。データ分析に基づくサイト改善や弊社事例にご興味ありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。