【BtoB向け】質の良いリードを獲得する5つのステップと15の施策
「リード獲得」とは、自社の製品やサービスに関心を持ち、将来顧客になってくれる見込みのある個人や企業の連絡先を獲得する事です。リードから得られる情報(名前、連絡先、興味のある製品など)によって、企業は潜在顧客・顕在顧客に対して直接コミュニケーションを取ることが可能になります。
この記事では、リード獲得の概要と成功させるための5つのステップ、オンライン・オフラインそれぞれの手法、リード獲得後の流れや効果測定方法など、リード獲得を始めるために必要な情報をギュッとまとめました。
リード獲得とは
リード獲得は「リードジェネレーション(Lead Generation)」とも呼ばれ、見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動を指します。Webサイトでの資料請求、イベントでの名刺交換、オンラインフォームへの入力などで連絡先を提供してくれた見込み顧客は、その時点で自社の製品やサービスにある程度興味や関心を持っている可能性が高く、その後のコミュニケーションによって販売の機会へ結びつけることが期待できます。
なぜリード獲得が重要なのか
インターネットでの情報収集が一般化した現代では、顧客は広く情報を収集し、商談へ入る前にある程度の購入意思を形成しています。株式会社マツリカが2022年に発表した『Japan Sales Report 2022』によると、「購買者は、平均して購買プロセスの約1/3が経過してから営業と接点を持つ」という調査結果が出ています。顧客は、商品やサービスに関してインターネット上で詳細な情報を得た上で、購入に至るか否かの決定を下しているのです。
企業は製品やサービスに興味を持つ可能性がある潜在顧客の情報、つまり「リード」をいかに早く獲得し、適切なコミュニケーションを取れるかが極めて重要になってきます。自社のWebサイトやソーシャルメディア、Web広告などを通じて、潜在顧客にアプローチし、関心を惹きつける内容を提供する必要があるのです。
より良いリード獲得施策を打ち出すことで、早期から製品に対する理解を深めてもらえます。将来的な購入に繋がる確度が高まるだけでなく、製品の利用方法やサポート体制などを事前に周知できるメリットもあります。
BtoB商材は特に、購買決定に時間を要する高額の商品や複雑なサービスが多いため、顧客は多くの情報を求め、慎重に検討します。このような状況下で、企業が、後述する「ナーチャリング」を通じて見込み顧客へ有益な情報を定期的に提供し、信頼関係を築くことは、最終的な購入意思の形成において決定的な役割を果たします。リード獲得は、このナーチャリングプロセスを作り出す重要な出発点です。
質の良いリードを獲得する5つのステップ
リード獲得の取り組みを本格化する前に、まずは目標やターゲットを明確に定め、施策の方向性をしっかりと決めましょう。ステップを1つずつ着実にクリアすることで、無駄なリソースを省き、効果的な獲得施策を打つことが出来ます。
1.理想の顧客像(ICP)、ペルソナを作る
「理想の顧客像(Ideal Customer Profile, ICP)」は、自社の製品やサービスを通して最大限の利益をもたらしてくれる、理想的な顧客企業像を詳細に表したものです。業種、企業規模、従業員数、部門、予算や収益、地理、課題、購買特性など、細かい属性を洗い出し、理想のプロファイルを作成します。
ICPが主に企業レベルのプロファイルを作成するのに対し、「ペルソナ(Buyer Persona)」は個人に焦点を当てたものです。年齢、性別、年収、家族構成、ライフスタイルなどを掘り下げて作成します。ペルソナは1人だけ作るのではなく、1つの企業の中でも複数のペルソナを作成する場合もあります
理想の顧客像(ICP)とペルソナを定めるステップは、効果的なリード獲得施策を実施するために不可欠です。ターゲットとする企業と人物が明確になれば、自社の製品やサービスに最も関心の高い顧客に向けて、的を絞ったアプローチが可能になります。ICPとペルソナは、マーケティングや営業だけでなく、他部門のメンバーとも共有しましょう。部門を跨いだ戦略を立てることに役立ちます。
2.明確な目標(KPI)を定める
次に、リード獲得に向けた明確な目標(KPI)を設定します。例えば「〇月までにXX件のリードを獲得する」「リードスコアがYY点以上のリードをXX件獲得する」などの目標です。KPIを決める際は、以下の点を考慮しましょう。
- 期間を明確に定める(1カ月、3カ月など)
- リード数の目標値を設定する
- リードの質(スコア、興味レベル、予算など)を指標化する
- 予算規模に応じて現実的な目標を立てる
KPIを明確に定めることで、目指すべき方向性が分かり、進捗を適切に管理することができます。KPIを曖昧にしたり、後から設定したりすると、ただ漫然と活動する状態から抜け出しづらくなります。更に、KPIは、「売上」など組織が最終的に達成したい目標(KGI)に結びつくものであることも大切です。
3.顧客の課題やニーズを理解する
獲得したリードを将来の顧客、ひいては優良顧客へ繋げるためには、その人が本当に何を求めているのかを理解する必要があります。顧客が直面している具体的な問題点を把握し、その解決策を提供することで、製品やサービスの価値を最大限に伝えることができます。
顧客の課題やニーズをリサーチする方法は多岐にわたります。
- 潜在顧客へのインタビュー
- 市場調査
- 顧客からの問い合わせやフィードバック
- SNSや口コミのチェック など
具体的な課題や悩み(マーケティングでは『ペインポイント』と呼びます)に耳を傾け、自社の製品やサービスがその問題をどのように解決できるかを明らかにすることが肝心です。ペインポイントを押さえたコミュニケーションを取ることで、見込み顧客の関心を惹きつけやすくなります。
4.顧客を惹きつける情報(リードマグネット)を用意する
「リードマグネット」とは、見込み顧客の連絡先情報を得るために提供する、価値あるコンテンツやサービスのことです。具体的には以下のようなものが挙げられます。
- お役立ち資料や調査レポートなどのホワイトペーパー
- 無料セミナー・オンラインセミナー
- 製品の無料トライアル版
- 便利なツールやサービスの提供
- 展示会やイベントで配るノベルティ
重要なのは、これらのマグネットが顧客の関心事や課題に直接対応した、実用的で価値あるものであることです。単に自社のPRに終始していては効果が薄いばかりか、信頼を得られずに終わってしまう可能性があります。
5.手法を選定し、実施の優先順位を決める
ここまでのステップを通して、ターゲットとなる顧客像(ICP、ペルソナ)や目標(KPI)、顧客ニーズの把握、リードマグネットが用意出来たら、次は具体的な施策を選定していきます。リード獲得の手法は多岐にわたるので、ここでは優先順位を付ける作業が必要になります。
まずは競合他社の施策を分析し、自社に活用できる手法があれば積極的に取り入れましょう。また、コストや難易度、ターゲティングとリーチできる範囲、などを勘案し、最初に取り組む施策を選定します。効果の高そうな施策から着手するのがベストな方法です。
リード獲得に効果的なオフライン施策7選
オフライン施策では、リアルで直接的な接点を作ることができ、地域や業種にフォーカスしたアプローチが可能です。一方で、準備や人的資源など、高額のコストがかかるデメリットもあります。
展示会・イベント
展示会やイベントは、製品を直接デモンストレーションでき、多くの潜在顧客と対面できるチャンスです。ブースへの立ち寄りを機に名刺交換したり、アンケートに答えてもらったりする事で、リードを獲得できます。また、展示会は業界のトレンドを学び、競合他社の動向を把握する貴重な機会にもなります。
一方で、ブースのレンタルやディスプレイの制作、説明するスタッフの配置など、高額のコストがかかるデメリットもあります。単なる情報収集で来ている参加者も少なくなく、その場のやり取りだけで終わってしまわないように、その後の継続的なフォローアップが必要です。
セミナー・ワークショップ
自ら開催するセミナーやワークショップは、自社の専門性を十分に発揮できる施策です。興味関心の高い顧客との接点を作り出し、高品質なリードを獲得する効果的な手法です。参加者へ有益な情報やスキルを提供することで、製品やサービスへの関心を高めてもらえます。イベント中のQ&Aセッションやディスカッションを通じて、顧客のニーズや関心事を直接聞き出すことも可能です。
セミナーやワークショップを成功させるには、企画、登壇者の手配、会場の準備など、多大な労力と時間が必要です。予想よりも参加者が少なかった場合、イベントの費用対効果が低下する可能性があります。また、集客のための宣伝が不可欠です。
テレマーケティング(テレアポ)
テレマーケティング(テレアポ)は、潜在顧客に直接電話をかけ、製品やサービスを紹介する手法です。相手の質問に即座に答えたり、疑問を解消したりすることができるため、トークの運びによってはそのまま商談の約束を取り付けられます。
テレマーケティングのデメリットは、人的リソースを確保しなければならないことです。架電業務をアウトソーシングするケースも増えています。また、近年は電話に抵抗を持つ人も多く、電話に出てもらえず拒否される場合もあります。
飛び込み営業
事前のアポイントなしで直接、オフィスや店舗を訪問し、製品やサービスを紹介する営業手法です。古典的なアプローチ方法ですが、特に地域密着型のビジネスや、オンラインでのアプローチが困難な特定の業界や顧客層に対して効果的です。
顧客の元を直接訪問するため、即座に商談の機会を生み出すチャンスがある一方、移動費用や営業担当者の人件費など、高いコストがかかります。また、成果を得られるかは営業担当者のスキルに大きく依存します。
ダイレクトメール(DM)
ターゲットとなる顧客や見込み顧客に直接手紙やパンフレット、カタログなどの宣伝物を送付します。魅力的なデザインとキャッチコピーに加え、受け取る人が行動を起こしたくなるような特典や情報を提供することが求められます。特定のURLやプロモーションコードを使用することで、効果測定ができます。
印刷や郵送費など、初期投資にコストがかかるのが難点です。古典的なマーケティング手法ですが、オンライン施策に比べると反応率はそれほど高くはありません。
屋外・交通広告(OOH)
屋外・交通広告(Out-of-Home advertising, OOH)は街中の看板やデジタルサイネージ、交通機関、屋外の公共空間に掲示される広告を指します。多くの人の目にとまるため、幅広い認知やブランディングに向いていますが、QRコードを設置することで、直接Webサイトへ誘導することも可能です。また、特定の場所や空間に掲示することで、ターゲットをある程度絞り込むこともできます。
人通りの多い場所や主要な交通機関の広告スペースは非常に高価で、初期投資や維持管理にコストが大きくなりがちな点がデメリットです。
マス広告
テレビ・新聞・ラジオなど、大手メディアへの広告出稿はブランド認知の拡大とリーチ力で大きな効果があります。一方で莫大な出稿コストがかかり、広告自体の詳細な効果測定は困難です。大企業が主に活用する手法です。
リード獲得に効果的なオンライン施策8選
オンライン施策は、比較的低コストで様々な施策を実行できます。精度の高いターゲティングや、数値をベースに分析・改善も行えるのがオンライン施策の大きなメリットです。一方で、競合他社との差別化が難しく、顧客の注意を引きつけるための工夫が必要です。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が自ら所有するメディアのことで、一般的には企業の公式Webサイトやブログなどがこれに該当します。
製品情報や業界の最新情報、使い方ガイド、導入事例、ホワイトペーパーなど、価値のある情報を提供してサイト訪問者からリードを集めます。定期的なコンテンツ更新を通して、顧客と長期的な関係を築くことが可能です。
一方で、Web上でコンテンツを見つけてもらうには、広告やSEO(検索エンジン最適化)など対策を行う必要があります。成果が現れるまで時間がかかり、高品質なコンテンツを継続的に作り続けるには多大な時間とリソースが必要です。
Web広告
リスティング広告、バナー広告、SNS広告など、多様な形式と広告配信オプションを活用して、特定のターゲットオーディエンスに直接アプローチします。
Web広告は、年齢、性別、興味、地域など細かい属性でターゲットを設定し、関心の高いユーザーに広告を表示させることが出来ます。クリック数やコンバージョン数など様々な指標で効果を計測でき、出稿後も予算や戦略に応じてリアルタイムで調整できます。
人気のキーワードやターゲットに対しては競争が激しく、広告費用が高騰することがあります。効果的なWeb広告キャンペーンを継続するには適切な予算配分が必要であり、Web広告運用の専門的なノウハウがある程度必要です。また、多くのユーザーがWeb上の過剰な広告にウンザリしているため、広告を無視したりブロックしたりする場合があります。
SNS運用
FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、YouTube、LINEなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に企業が公式アカウントを開設し、製品情報やコンテンツを発信・拡散することで、フォロワーからリードを獲得します。自社アカウントからの情報発信は基本的に無料で、有料広告を利用する場合でも比較的低コストで広告キャンペーンを実施できます。FacebookやInstagramには、プラットフォーム上でリードを獲得できる広告メニューもあります。
多くの企業が公式アカウントを開設しているので、その中でユーザーの関心を引きつけるには、コンテンツの工夫や定期的な投稿、フォロワーとのコミュニケーションが必要です。これには相応の時間とリソースが必要になります。公開のプラットフォームであるため、ネガティブなコメントや評価に直面したり、投稿内容が批判され炎上に繋がるリスクもあります。
オンラインセミナー(ウェビナー)
オンラインセミナー(ウェビナー)は、Web上で実施されるセミナーやワークショップのことで、参加者は自宅やオフィスからウェブカメラや画面共有を通じて参加できます。会場のレンタル費用や移動費用が不要であり、比較的低コストでイベントを実施できます。物理的な場所に依存しないため、全国や世界中どこからでも参加者を集められます。ウェビナーは録画し、後日オンデマンドで視聴可能なコンテンツとして再利用することもできます。
オンラインでのセミナーは対面でのイベントに比べると、参加者も気軽な情報収集の場として参加していることが多く、リードの質が課題になります。
外部Webメディア掲載
業界サイトやニュースサイト、オンラインマガジンなど、第三者が運営するWebサイトに自社の製品やサービスを紹介する記事を掲載します。第三者目線での掲載なので、広告よりも読者に信頼されやすく、メディア独自の読者層へ広くアプローチできます。
知名度の高いメディアに掲載されるには、高額な掲載費用が発生することがあります。また、直接的な売上増加には結びつかず、費用対効果を正確に測定することは難しいのが懸念点です。
資料ダウンロード
自社のウェブサイトやポータルサイト上で製品カタログ、ホワイトペーパー、事例などの資料を提供し、訪問者がそれらをダウンロードすることでリード情報(名前、メールアドレス、企業名など)を獲得します。ダウンロードされた資料の内容から顧客の興味やニーズを把握しやすくなります。一度作成した資料は繰り返し利用できるため、長期にわたってコスト効率良くリードを獲得できます。
高品質な資料の作成には、相応の時間とリソースがかかり、競合他社との差別化も必要です。また、ポータルサイトの場合は他社資料と合わせて一括ダウンロードするユーザーも多く、ダウンロード時点では必ずしも関心が高いとは言えません。リード獲得後の適切なフォローアップが重要です。
メールマガジン(メルマガ)
製品の紹介や、業界の最新情報、ヒントやアドバイスなど、様々なコンテンツを定期的に配信します。過去に取引があった顧客や、契約に至らなかった見込み顧客に対して、再度関心を引き、関係を深めるために効果的な手法です。比較的低コストで配信でき、大規模なリーチが可能です。開封率やクリック率、コンバージョン率など、具体的な指標で効果を測定することもできます。
一方で、受信者にとって過多なメールは煩わしく、低品質のコンテンツはメールの購読解除やイメージ低下につながります。また、メールがスパムに分類されるリスクもあります。
プレスリリース
企業の重要なニュース(新製品発表、調査レポート報告、イベント開催など)を、報道関係者やニュースサイトに向けて発信します。複数のメディアに取り上げられることで、幅広い層に無料で企業PRとリーチできるのがメリットです。
一方で、特定のプレスリリースが注目される保証はありません。ニュース価値がなければ、メディアに見過ごされる可能性があります。
限られた予算の中でリードを獲得するには
限られた予算でリードを獲得するには、コスト効率の良いオンライン施策から始めるのがおすすめです。以下の5つは、比較的安い予算で認知を広げるための戦略です。
- オウンドメディア
ブログで有益な情報を提供し、検索エンジンからのトラフィックを増やします。SEO対策で検索結果上位に表示させ、認知度向上を目指します。 - SNS運用
Facebook、X(旧Twitter)などのSNSで情報を発信し、顧客とのコミュニケーションをとります。フォロワーからのシェアやいいねで露出を増やします。 - メールマーケティング
顧客データベースをセグメント化し、ターゲティングしたメール配信を行います。
MA(マーケティングオートメーション)ツールで効率的にリードナーチャリングやフォローアップを行うと良いでしょう。 - リファラルマーケティング
既存顧客に製品やサービスの推薦を促し、口コミやレビューを獲得します。これにより、顧客満足度向上と自然な宣伝効果を実現させます。 - プレスリリース・メディア掲載
新製品発表や企業ニュースを無料または低コストのプレスリリース配信サービスを利用して公開します。無料でメディア露出を獲得し、認知度向上と信頼獲得を図ります。
リードの質と量、どちらを取るべきか
このようにリード獲得施策は多岐にわたり、選択次第で効果が大きく変わってきます。ではリードの質と量、どちらを重視すべきなのでしょうか。
質の高いリードを重視すれば、確実に製品やサービスへ強い関心を持つリードを獲得できます。その分、実際の成約確率も高くなるでしょう。その半面、獲得できるリードの総数は減ってしまいます。また、質の基準を厳格に設けると、潜在的に価値のあるリードを見過ごすかもしれません。
対して、量を重視すれば、より多くの潜在顧客に製品やサービスを認知してもらえます。大量のリードを獲得することで、マーケティング戦略や顧客理解を深めるためのデータが豊富に蓄積されることもメリットです。しかし、数量を追及すると質の低いリードも含まれるため、全体の成約率は低下します。質の低いリードに時間や費用を費やし、マーケティングや営業のリソースが無駄になるリスクも発生します。
リードの質と量、どちらが重要かは一概に決められるものではありません。自社のビジネスモデルや製品サイクル、既存顧客層など、様々な角度から検討する必要があります。例えば、新規事業であれば、最初は量を重視して認知を広げ、成長が一定レベルに達したら質へとシフトするのが賢明かもしれません。
リード獲得後のステップ
リードを獲得した後は、定期的なフォローアップによって、リードを顧客へと育成することが重要です。ここでは「リードナーチャリング」と「リードクオリフィケーション」という2つの重要なステップと、それぞれのステップを通して見込み顧客を商談成立へと導く方法をご説明します。
リードナーチャリング|リードを顧客へと育てる
リードナーチャリングとは、顧客の興味やニーズに合わせて、適切な情報を提供することで、購買意欲を高めていくプロセスです。ナーチャリングの目的は、見込み顧客が購入の決断を下すまでに必要な情報やサポートを提供することにあります。
見込み顧客の関心やニーズに合わせた価値あるコンテンツ(ブログ記事、事例紹介、製品デモなど)を定期的に提供します。見込み顧客の行動や反応に基づいて、より関連性の高い、パーソナライズされたメッセージを送ります。メール、SNS、ウェビナーなど様々なチャネルを通じて、見込み顧客との関係を深めます。
リードナーチャリングによって、見込み顧客は徐々に製品やサービスに対する理解と信頼を深め、最終的には商談成立へとつながる準備が整います。
リードクオリフィケーション|質の高いリードを見極める
ナーチャリングを通じて獲得したリードの中から、受注の確度が高いリードを見極めるのがリードクオリフィケーションです。
このステップでは、以下のようなデータに基づいて優先順位をつけていきます。
- 製品やサービスへの具体的な興味度(資料ダウンロードやセミナーへの参加)
- オンラインでの行動パターン
- 電話やメールの反応
- 企業規模、業種、役職
- 購入予算や意思決定権限の有無
リードはスコアリングされ、スコアが高いリードほど、セールス活動を集中的に行っていきます。この「見極める」工程によって、商談成立までの道筋がより明確になり、成約率の向上が期待できます。
リード獲得後の効果を検証する為の指標
リード獲得施策の効果を測定するには、リード獲得数やリード獲得コスト、リードスコア、コンバージョン率などの指標を活用します。これらの指標を分析することで、施策の効果を評価し、改善点を洗い出すことができます。ここでは、リード獲得施策の成果を測定する際に活用する、主な指標をご紹介します。これらを定期的に計測・分析しながら、PDCAサイクルを回していくことが大切です。
リード数
獲得したリードの総数を追跡します。この指標は、マーケティング活動がどれだけ多くの潜在顧客にリーチしているかを示します。
リード獲得単価(CPL)
リード獲得単価(Cost Per Lead, CPL)は、リード1件を獲得するのにかかった費用です。特定の期間にリードを獲得するのにかかった総費用を、その期間に獲得したリードの総数で割って算出します。
リード獲得単価=リード獲得のための総費用÷獲得したリードの総数
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率は、サイト訪問者が問合せや資料ダウンロードを通じてリードに転換した割合です。
コンバージョン率(%)=(コンバージョン数÷訪問者数)×100
成約率
成約率(またはクローズ率)は、リードが最終的に成約・購入に至った割合を示します。これは、ナーチャリングの最終段階での効率を測る指標です。
成約率(%)=(成約したリードの数÷セールスに移行したリードの総数)×100
顧客獲得単価(CAC)
顧客獲得単価(Customer Acquisition Cost, CAC)は新規顧客1人を獲得するのにかかった費用です。マーケティングと営業に関連するすべての費用を含みます。CACは、マーケティングと営業の費用を新規顧客数で割って計算します。
顧客獲得単価=顧客獲得のための総費用÷獲得した顧客の総数
リードスコア
リードスコアとは、見込み客の購買意欲や成約確率を数値化したものです。リードスコアを設定することで、自社の見込み客をランク付けし、優先的にアプローチすべき見込み客を特定することができます。スコアは決まった計算式があるわけではなく、主にマーケティングオートメーションツール(MAツール)の分析機能を利用して算出します。
投資収益率(ROI)
マーケティング施策へ投資することによって得られた利益が、投資額に対してどの程度の割合で戻ってきたかを示す指標です。高いROIは、少ない投資で大きな利益を得られていることを示し、逆に低いROIは投資が十分なリターンを生んでいないことを意味します。
投資収益率(%)=得られた利益÷投資額×100
まとめ|自社の戦略に合った施策を見つけよう
ここまで、リード獲得の重要性と様々な獲得施策、成功に向けた施策前と施策後のステップ、押さえておくべき効果測定指標についてご説明しました。
顧客が主体的に情報を取捨選択できる時代、企業はマーケティング活動を通して見込みある潜在顧客を早期に発見し、適切なコミュニケーションを行うことで、徐々に顧客へ育てていく必要があります。そのためにリード獲得施策は極めて重要なものとなっています。
一方で、リード獲得手法には多くの選択肢が存在し、ビジネスや目的に合わせて最適なアプローチを選ぶ必要もあります。本記事を手掛かりに、自社の戦略に合ったリード獲得施策をぜひ見つけてください。
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