広告ランクとは?品質スコアとの違いや計算方法、上げ方を解説
広告ランクは、広告の品質スコアと入札単価の掛け算で計算されます。広告ランクを上げるために、まずは広告の品質を高めることから始めます。
本記事では、広告ランク・品質スコアの計算方法、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告それぞれの広告品質、ランディングページの評価、改善に向けた運用フローなどを解説します。

- 広告ランクは、広告の品質スコアと入札単価の積で計算され、広告の表示順位を決定する重要な指標。
- 品質スコアは、広告のクリック率、関連性、ランディングページの質に基づいて評価され、広告ランクを高めるためにはこれを改善する必要がある。
- 広告ランクを向上させることで、広告の掲載順位が上がり、クリック率やコンバージョン率の向上につながる。
- 入札単価を適切に設定することも広告ランクを高めるためには重要であり、適切な広告予算の配分が求められる。
- ランディングページの改善は、ユーザー体験を向上させると同時に広告の品質スコアにも寄与し、広告ランクの向上を助ける。
- 広告の効果を最大化するためには、定期的なキーワードの見直し、広告文の更新、ランディングページの最適化が不可欠である。
- 広告ランクは、単なる掲載順位ではなく、広告のクリック単価や総合的な広告効果にも影響を及ぼすため、継続的な最適化が必要。
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広告ランクとは?
広告ランクとは、オンライン広告のプラットフォームで広告が表示される位置や頻度を決定するための数値評価です。特に、Googleのような検索広告プラットフォームでの広告掲載順位を決める際に使われます。(Yahoo!広告では「オークションランク」と呼ばれています)
広告ランクは、広告が掲載可能かどうか、掲載可能な場合に他の広告主様の広告と比較して、検索結果ページでの広告の掲載位置を決定するために使用される数値です。
引用:広告ランクについて – Google 広告 ヘルプ

広告がページの 2 番目の位置に表示される場合、対象キーワードの競合間での検索広告ランクは 上位2番目ということになります。
たとえば、Googleの検索結果ページで、多くの企業が「運動靴」というキーワードで広告を出稿した場合、どの広告を上位に、どの広告を下位に表示するかを決める基準が必要です。この基準が「広告ランク」です。
高い広告ランクを持つ広告は、検索結果ページの上位に表示される可能性が高くなり、逆に、低い広告ランクのものは下位になるか、表示されないこともあります。
広告ランクが高まることによって得られる効果は、以下のとおりです。
広告の掲載順が上位になる
広告ランクが高いほど、広告がより上位に表示されやすくなります。検索結果の上位に表示されれば、ユーザーの関心を引きやすく、クリック率やコンバージョン率も高くなります。
クリック単価が下がる
広告ランクが高いほど、落札価格を抑えることができます。
広告の効果が向上する
広告の掲載順が上位になり、クリック単価が下がれば広告の効果が向上します。
Googleは広告ランクの要因をすべて明言していませんが、影響を与える代表的な要素は以下の通りです。
- 品質スコア:広告の品質を評価する数値指標
- 入札金額:広告主がクリックあたりで支払う上限入札額
詳しくは、以下のページをご覧ください。
参考:広告ランクについて – Google 広告 ヘルプ
広告ランクの計算
広告ランクの中身は簡単に言うと「お金」と「品質」のバランスで出来ています。
広告ランクの計算は常にアップデートされており、詳細な計算式は公に明らかにされていません。しかし、基本的な考え方として以下のシンプルな式が参考にされることが多いです。
広告ランクの計算式 = 品質スコア ×入札単価
落札価格の計算式=次点の広告の広告ランク÷自身の品質スコア
条件 | 品質スコア | 入札単価 | 広告ランク | 落札価格 | 掲載順 |
品質スコアが10 入札単価が100円 | 10 | 100円 | 1000 | 50円 | 1位 |
広告ランク :10×100円= 1000、落札価格:500÷10= 50円 | |||||
品質スコアが5 入札単価が100円 | 5 | 100円 | 500 | 500円 | 2位 |
広告ランク : 5×100円= 500、落札価格 : 100÷5= 20円 | |||||
品質スコアが1 入札単価が100円 | 1 | 100円 | 100 | 100円 | 3位 |
広告ランク : 1×100円= 100、落札価格 : 50÷1= 50円(※次点の広告ランク50想定) |
品質スコアとは?

(品質スコアは、Google 広告パネルの [検索キーワード] に移動して、表示項目から追加することができます)
品質スコアとは、Google広告の広告の品質を示す数値です。
広告ランクは入札単価と品質スコアの乗算により評価値が算出されるため、品質スコアが高いほど、広告ランクが上がり掲載順位が高まり、クリック率が上がればクリックあたりのコスト(CPC)を抑えることに繋がります。
品質スコアは、次の3つの要素の総合から算出されます。
- 推定クリック率(推定 CTR):広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さ
- 広告の関連性:広告がユーザーの検索の意図と一致する度合い
- ランディングページの利便性:広告をクリックしたユーザーに対しどれ程関連性があり有用か、使いやすいかどうかなど
品質スコアの計算
品質スコアは1から10に評価され、10が最高値です。広告とランディングページの関連性、広告のクリック率(CTR)、ランディングページの利便性の3つの要素を掛け算して計算されます。広告ランクの計算同様に、詳細な計算式は公に明らかにされていませんが、以下の式が参考にされることがあります。
品質スコアの計算式=
(広告とランディングページの関連性 × CTR × ランディングページの利便性) ÷ 1000※→×100→×100
※÷1000される理由は、スコアをより細かく評価するためです。
※×100される理由は、スコア化するため換算&分類される工程です。
広告とランディングページの関連性 | CTR | ランディングページの利便性 | 品質スコア | |
広告A | 10 | 10% | 90% | 9/10 |
品質スコア:(10×10%×90%)÷1,000=0.0009→×100(100段階に換算)=0.09→×100(10段階に換算&分類)→9 | ||||
広告B | 5 | 5% | 80% | 2/10 |
品質スコア:(5×5%×80%)÷1,000=0.0002→×100(100段階に換算)=0.02→×100(10段階に換算&分類)→2 | ||||
広告C | 1 | 1% | 70% | 1/10 |
品質スコア:(1×1%×70%)÷1,000=0.000007→×100(100段階に換算)=0.0007→×100(10段階に換算&分類)→1 |
品質スコアは成果を直接示す指標ではない
品質スコアはGoogle Adsが広告の関連性や品質を内部的に評価するための「診断指標」にすぎません。そのため、品質スコア自体をKPI(重要業績評価指標)として扱うことは推奨されません。
品質スコアは KPI(重要業績評価指標)ではないため、最適化したり、他のデータとともに集計したりするべきではありません。
引用:検索キャンペーンの品質スコアについて – Google 広告 ヘルプ
品質スコアを向上させる取り組み(広告の関連性向上やランディングページ改善)は、確かに広告パフォーマンスに良い影響を与える可能性がありますが、これらは直接的な成果ではなく、あくまで全体最適化の一環でしかありません。
KPIとして重視されるべき指標は、CTR、CVR、ROIなどのビジネス成果に直結する指標です。品質スコアが高くても、必ずしも売上や利益に寄与するとは限りません。品質スコアを上げること自体が目的化すると、他の重要な広告指標への影響を見落とす可能性があります。
品質スコアは、広告のパフォーマンスや戦略のヒントを得るための「診断ツール」として使用するのが適切です。

広告の関連性とは?

広告の関連性は、ある広告が特定の検索クエリやユーザーの興味・ニーズにどれだけマッチしているかを示す指標です。
例えば、ユーザーが「赤いトレーナー」を検索した場合、それに関連する広告が高い親和性を持つと「関連性が高い」と見なされます。
- キーワードと広告テキストの一致度:ユーザーの検索クエリと広告の文言がどれほどマッチしているか
- ランディングページの関連性:検索クエリや広告の内容とランディングページの内容との関連度
- ユーザーの意図:広告がユーザーの検索意図やニーズをどれほど満たしている
キーワードと広告テキストの一致度
- 広告のキーワードと広告の内容を一致させる:広告には、ユーザーが検索するキーワードを反映し、キーワードに関連する内容にします。
- 広告のタイトルと説明文でキーワードを盛り込む:広告のタイトルと説明文に、キーワードを盛り込むことで、ユーザーの目に留まりやすくなります。
- 広告の文言をシンプルでわかりやすくする:ユーザーが考えずに理解できる内容にしましょう。
ランディングページの関連性
- 広告の内容と関連する情報を充実させる:広告の内容と関連する情報を充実させ、ユーザーが求めている情報が、ランディングページですべて得られるようにしましょう。
- ユーザーに行動を促すCTA(コール・トゥ・アクション)を明確にする
- ユーザーのニーズを満たす内容にする
ユーザーの意図
- ユーザーの検索クエリを理解する
関連性の評価指標であるCTRについては以下の記事でも詳しくご紹介しています。
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広告の品質とは?

広告の品質は広告がユーザーにとってどれほど関連性があり、魅力的で、信頼性があるかを示すものです。これには、広告の文言、デザイン、対応するランディングページの内容やユーザビリティなどが含まれます。
一方、品質スコアは、広告の品質を数値化したものであり、広告の品質を「指標」や「評価」にしたものであるといえます。
- 広告のテキスト:文言の魅力性、明確さ、誤解を招かない内容。
- デザイン:視覚的な魅力、読みやすさ。
- ランディングページ:内容の関連性、ユーザビリティ、ページの読み込み速度、モバイル最適化の有無など。
- 関連性:検索クエリやユーザーのニーズとのマッチング度。
広告の品質はリスティング、ディスプレイ、動画で若干異なりますので、下記でそれぞれ記載します。
リスティング広告(検索広告)の品質
- キーワードの関連性:広告が表示されるキーワードと広告の内容がどれほどマッチしているか。
- 広告テキストの質:分かりやすく説得力のあるメッセージ、適切な文法と綴り、ユーザーに価値を提供する情報など。
- CTR:広告が表示されるたびにクリックされる頻度。
- 広告の拡張機能:位置情報、電話番号、サイトリンクなどの追加情報。
- ランディングページの品質: ページの読み込み速度、モバイルフレンドリー、ユーザビリティ、コンテンツの関連性など。
ディスプレイ広告の品質
- デザインと視覚的要素:色、画像、レイアウトなど、目を引きつける要素。
- メッセージの明瞭性:広告のコンセプトや提案が一目で理解できるか。
- 適切なターゲティング:広告が適切なオーディエンスに届けられるかどうか。
- エンゲージメント率:表示回数や広告のインタラクティブ要素の高さなど。
- 広告のサイズとフォーマット:適切なデバイスやプラットフォームでの表示性。
- ランディングページの関連性:ディスプレイ広告からユーザーを誘導するページの内容が広告と関連しているか。
動画広告(YouTube広告)の品質
- 動画の関連性:広告が表示されるキーワードと動画の内容がどれほどマッチしているか。
- 動画の視聴率:ユーザーが動画を視聴する頻度。
- 動画のエンゲージメント率:ユーザーが動画内でアクションを起こす頻度。
- ランディングページの関連性:動画広告からユーザーを誘導するページの内容が広告と関連しているか。
クリックされやすい広告文の作り方については以下の記事でも詳しくご紹介しています。
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ランディングページの評価とは?

ランディングページ 評価指標は、SEOとSEMの世界で頻繁に議論される指標でもあります。Googleは、この指標を200の異なるシグナルで測定していると公表していますが、下記では 3 つの主要なシグナルについて説明します。
- ランディングページと広告の関連性
- モバイルフレンドリーなウェブサイト
- ランディングページの速度
ランディング ページと広告の関連性
ランディングページと広告の関連性とは、ランディングページのコンテンツと広告のテキストや画像、動画の関連性を指します。ランディングページと広告の関連性が高いほど、ユーザーが広告をクリックした後に、期待していた情報やサービスに出会える可能性が高まります。そのため、コンバージョン率の向上につながります。
ランディングページと広告の関連性を高めるためには、以下の点に注意しましょう。
- 広告のテキストや画像、動画に記載されている内容と、ランディングページのコンテンツを一致させる
- 広告のCTA(コール・トゥ・アクション)と、ランディングページのCTAを一致させる
- 広告のターゲットと、ランディングページのターゲットを一致させる
例えば、広告で「新商品の発売のお知らせ」を掲載している場合、ランディングページには、新商品の詳細情報や購入方法を掲載するようにしましょう。
また、広告のターゲットが「20代の女性」であれば、ランディングページも20代の女性に興味を持ってもらえるようなコンテンツを用意するようにしましょう。
モバイルフレンドリーなウェブサイト
モバイルフレンドリーなウェブサイトとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからでも、見やすく使いやすいサイトのことです。
近年、スマートフォンやタブレットからのアクセスが急増しているため、モバイルに最適化されたウェブサイトを用意することは、必然ともいえます。
モバイルフレンドリーなウェブサイトかどうかを判断する際には、以下の点に注意しましょう。
- 画面サイズに合わせてコンテンツが自動的に調整される
- 文字や画像のサイズが読みやすく、見やすい
- 操作が簡単で、迷わずに目的のページにたどり着ける
また、モバイルデバイスからのアクセスを想定したコンテンツを用意することも重要です。例えば、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでは、画面が小さいため、文字や画像のサイズを大きくしたり、文章を短くしたりするようにしましょう。また、不要な画像や動画を削除したり、操作を簡素化したりすることも効果的です。
ランディングページの速度
ランディングページの速度とは、ユーザーがランディングページを表示してから、実際にコンテンツを表示するまでにかかる時間を指します。
ランディングページの速度が遅いと、ユーザーの離脱率が高まります。
ランディングページの速度を速めるためには、以下の点に注意しましょう。
- 画像や動画などの重いファイルを圧縮する
- 不要なCSSやJavaScriptを削除する
画像や動画などの重いファイルは、圧縮することでサイズを小さくすることができます。また、不要なCSSやJavaScriptを削除することで、ファイルのサイズを小さくすることができます。
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費用をかけずに広告ランクを改善するための運用フロー
広告ランクを改善するための運用フローは、以下のとおりです。
より詳しい情報は、以下の公式ヘルプも参照ください。
参考:品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法 – Google 広告 ヘルプ
広告キーワードを定期的に評価する
広告キーワードは、検索トレンドや競合状況によって、効果が変化する可能性があります。そのため、定期的に広告キーワードを評価し、効果が低いキーワードを除外したり、新しいキーワードを追加したりするようにしましょう。
広告のタイトルや説明文を定期的に改善する
広告のタイトルや説明文は、ユーザーの興味を引く内容で、かつ、自社の商品やサービスの強みをアピールできるように作成することが重要です。そのため、定期的に広告のタイトルや説明文を改善し、クリック率(CTR)を向上させましょう。
ランディングページを定期的に改善する
ランディングページは、ユーザーがクリックしたくなるような、魅力的な内容で作成することが重要です。また、ユーザーが求めている情報が分かりやすく提供されているだけでなく、コンバージョンに至る導線が明確になっているようにしましょう。そのため、定期的にランディングページを改善し、コンバージョン率を向上させましょう。
パフォーマンスの改善については以下の記事でも詳しくご紹介しています。

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まとめ
広告ランクを改善するためには、以下のポイントを常に意識してください。
- 広告ランクの現状を把握して改善するべきポイントを明確にする
- 広告の品質を改善すると広告ランクは自然と上がる
- 入札単価を調整すると広告の表示回数やクリック率を調整できる
弊社はリスティング広告において、長きに渡り幅広い企業様とお取引し、運用の実績を重ねてきました。ぜひお問い合わせください。
また、リスティング広告で押さえるポイントをまとめた資料を公開しています。是非こちらもダウンロードしてご活用ください。
Googleからはじめる!リスティング広告で押さえるポイント
リスティング広告の活用方法が分からない方へ、リスティング広告を始めるに当たり押さえるべきポイントを分かりやすく解説します。