GTMとGoogle広告の連携方法とは?タグの種類と設定手順を画像付きで解説

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Google広告を配信している場合、成果の確認や分析を行うためにはタグの設定が必要です。手動でHTMLにコードを入力・更新するのは手間がかかりますが「GTM」を活用すれば、タグを一括管理できるようになります。

そこで本記事では、GTMとGoogle広告の連携方法について解説します。Google広告で設定する3種類のタグと、設定手順をそれぞれ画像付きで紹介しているので、GTMの導入を検討している担当者の方はぜひ参考にしてください。

また、弊社では広告運用において抑えるべきポイントをまとめた資料を配布しています。これからリスティング広告をはじめる場合や、Google広告の最新トレンドについて知りたい方は、ぜひあわせてご活用ください。
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GTM(Googleタグマネージャー)とは?

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GTMとは「Google Tag Maneger」の略であり、Webサイトで利用するツールや広告の「タグ」を一括管理できるツールのことです。

本来、タグはWebサイトの対象ページへHTMLを埋め込む必要がありますが、タグの追加や削除をするには手間がかかってしまいます。そこで、HTMLの編集をせずに、管理画面から簡単にタグを管理できるようにしたのがGTMです。

GTMで設置できる代表的なタグが、Google広告をはじめとする各種広告タグや、Googleアナリティクスのタグです。

GTMについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご確認ください。

GTMとGoogle広告を連携する4つのメリット

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GTMとGoogle広告は、連携することで以下4つのようなメリットがあります。

  1. タグ管理の工数を削減できる
  2. 他社へ安全にタグを共有できる
  3. バージョンを管理できる
  4. 公開前にプレビューモードで動作確認ができる

1. タグ管理の工数を削減できる

GTMを利用すれば、HTMLの編集をしなくてもタグの設定や管理ができるようになります。たとえば、Google広告の他にYahoo!広告やInstagram広告など他の広告も運用している場合、すべてのタグを都度対象ページに埋め込むのは手間がかかるでしょう。

一方、GTMであれば最初にタグの設定さえ行えば、変更・追加・削除はGTMの画面上で一括管理できます。ページごとにHTMLの編集をする必要がなくなり、効率的なWebサイト運用にもつながるでしょう。

各種広告との連携をすることで、効率よくデータ分析ができるようになる「Googleアナリティクス」について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

2. 他社へ安全にタグを共有できる

GTMを導入していれば、タグ情報だけ共有することが可能です。

HTMLを編集する場合は、サイト管理画面のログイン権限を付与する必要があり、誤って編集してしまうリスクがあります。一方、GTMであればタグ設置に必要な編集機能のみを共有できるため、最低限の情報共有だけで済みます。

とくに制作会社や広告代理店など、外部企業にタグの編集を依頼する場合は、GTMのほうが安全に共有しやすいといえるでしょう。

3. バージョンを管理できる

バージョンとは、いつどのような変更が行われたかの記録のことです。GTMではバージョンごとに設定を管理しているため、不具合が起きたタグが公開された前のバージョンにすぐに戻せます。

また、1つ前の変更だけでなく「◯月◯日時点の設定」のようにわけられて保存されているため、過去に遡ってバージョンを変更することも可能です。

Webサイト上でトラブルが起きた際に、すぐに元の状態に戻せるのはメリットといえるでしょう。

4. 公開前にプレビューモードで動作確認ができる

GTMにはプレビューモードが備わっているため、実際に公開する前にタグの動作確認ができます。プレビュー画面で事前に確認できるため、設定ミスの削減につながるでしょう。

とくに、アクセス数の多いWebサイトでは、ミスが大きな影響を及ぼすことがあります。たとえば、更新時に掲載している商品の金額を間違えてしまった場合、多くの読者を混乱させてしまい、クレームにつながることもあるでしょう。

プレビューモードで動作確認をし、いつでも正しい状態のサイトを公開できる体制を整えられるのはメリットです。

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Google広告における3種類のタグ

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Google広告には、以下3種類のタグがあります。それぞれ用途が異なるため、設置する前に違いを確認しておきましょう。

  1. コンバージョンタグ
  2. リマーケティングタグ
  3. コンバージョンリンカータグ

1. コンバージョンタグ

コンバージョンタグは「グローバルサイトタグ」と「イベントスニペットタグ」の2つにわかれています。

グローバルサイトタグは、コンバージョン計測をするうえで必要なベースのタグです。サイトに訪れたユーザーの情報や、クリックした広告の情報を計測します。

イベントスニペットタグは、どの広告経由でコンバージョンしたかを計測するタグです。グローバルサイトタグとイベントスニペットタグを組み合わせることで、正確なコンバージョン計測を行う仕組みになっています。

2. リマーケティングタグ

リマーケティングとは、過去に自社サイトへ訪問したことのあるユーザーに対して、再度アプローチするマーケティング手法のことです。サイトの訪問経験のあるユーザーは、サービスに興味を持っている可能性が高いため、再アプローチすることでコンバージョンにつなげやすくなります。

リマケーティングするための情報収集に役立つのが「リマーケティングタグ」です。リマーケティングタグを設置することで、ユーザーにCookieが付与され、他のサイトを閲覧しているときに広告を表示することが可能になります。

3. コンバージョンリンカータグ

コンバージョンリンカーとは、Googleタグを使ったクリックデータを測定するためのサービスです。コンバージョンリンカータグを設置することで、ユーザーがコンバージョンするまでの行動を測定できるようになります。

Apple社のブラウザ「Safari」に搭載されている「ITP」と呼ばれる機能は、ユーザーのプライバシー保護を目的にトラッキングを防止する機能です。ユーザーの追跡を制限してしまうため、広告経由のコンバージョンかどうかを把握できないケースもあります。

広告運用における分析をより正確にするためには、コンバージョンリンカーの設置が重要であり、GTMと連携することで実現できます。

GTMにGoogle広告タグを設定する方法

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GTMにGoogle広告タグを設定する方法を解説します。Google広告のタグ3種類それぞれの設定方法から、公開の方法までを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  • コンバージョンタグを設定する
  • リマーケティングタグを設定する
  • コンバージョンリンカータグを設定する
  • 設定したタグを公開する

コンバージョンタグを設定する

コンバージョンタグの設定方法を、Google広告での操作とGTMでの操作にわけて解説します。

  • Google広告での事前準備
  • GTMでの操作

Google広告での事前準備

Google広告側で事前準備を行います。まずは、Google広告の管理画面で「目標」→「コンバージョン」→「概要」の順でクリックしましょう。

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GTMに反映したいコンバージョンアクションを選択します。コンバージョンアクションをまだ設定していない場合は、左上の「+」マークをクリックし、コンバージョンアクションを追加します。

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「タグを設定する」をクリックして「Googleタグマネージャーを使用する」を選択し、「コンバージョンラベル」と「コンバージョンID」を取得しましょう。

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GTMでの操作

続いて、GTMの管理画面に移ります。GTMの画面左側の欄から「タグ」を選択し、右側の「新規」をクリックしてください。

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タグの設定で「タグタイプを選択して設定を開始」をクリックし「Google広告のコンバージョントラッキング」を選びます。

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Google広告の管理画面で発行した「コンバージョンラベル」と「コンバージョンID」をそれぞれ入力しましょう。

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「トリガー」を選択し、右上の「+」マークをクリックします。

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「トリガーのタイプを選択して設定を開始」をクリックして「ページビュー」を選びましょう。

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何をコンバージョンとするかにより、トリガーの設定方法が異なります。たとえば、購入完了ページのURLにサンクスページが含まれていれば、ページビューをコンバージョンのトリガーに設定することで、コンバージョンとしてカウントできるようになります。

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最後に右上の「保存」ボタンをクリックしたら、コンバージョンタグの設定完了です。

Google広告のコンバージョン測定方法は、以下の記事でも解説しています。GA4との連携方法についても紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

リマーケティングタグを設定する

リマーケティングタグの設定方法を解説します。

  • Google広告での事前準備
  • GTMでの操作

Google広告での事前準備

Google広告の管理画面で「ツール」→「共有ライブラリ」→「オーディエンスマネージャー」の順でクリックしていきます。

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「データソース」→「Google広告タグ」→「詳細」をクリックしましょう。

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「タグを設定する」をクリックして「Googleタグマネージャーを使用する」を選択し、「コンバージョンID」を取得します。

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GTMでの操作

GTMの画面左側の欄から「タグ」を選択し、右側の「新規」をクリックします。

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タグの設定で「タグタイプを選択して設定を開始」をクリックして「Google広告のリマーケティング」を選びます。

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ここで、Google広告の管理画面で発行した「コンバージョンID」を入力しましょう。

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「トリガー」を選択して「All Pages」を選択します。

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最後に右上の「保存」ボタンをクリックしたら、リマーケティングタグの設定完了です。

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コンバージョンリンカータグを設定する

コンバージョンリンカータグは、GTMでの操作のみで設定できます。まず、GTMの画面左側の欄から「タグ」を選択し、右側の「新規」をクリックしましょう。

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タグの設定で「タグタイプを選択して設定を開始」をクリックして「コンバージョンリンカー」を選びます。

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「トリガー」を選択して「All Pages」を選択しましょう。

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右上の「保存」ボタンをクリックしたら、コンバージョンリンカータグの設定完了です。

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設定したタグを公開する

ここまでの設定が完了したら、GTMのサマリーから、右上の「公開ボタン」をクリックします。

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任意のバージョン名とバージョン説明を入力し、再度「公開」をクリックします。バージョン説明の欄には「Google広告コンバージョンタグ」のように、設定したタグの内容がわかるように記載するのがおすすめです。

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タグ数・トリガー数・変数が表示される以下の画面に遷移したら、公開完了です。

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Google広告でのクロスドメインの必要性

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クロスドメインとは、同じWebサイト内で複数のドメインをまたがる状態のことです。たとえば、ECサイトで「商品一覧ページ」と「専用ECサイト」のようにドメインがわかれている場合があります。

クロスドメイン設定を行っていないと、ユーザーが商品一覧ページから別のドメインページに遷移したことになってしまいます。そのまま専用ECサイトに流入したとしても、別のユーザーの流入だと判別されてしまうでしょう。

正しくデータを計測するためにはクロスドメイン設定が必要であり、GTMで設定が可能です。

GTMでのクロスドメイン設定の方法

コンバージョンリンカータグの設定を行っていれば「ドメイン間でのリンクの有効化」をチェックします。

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コンバージョンリンカータグの設定方法は、以下をご確認ください。

コンバージョンリンカータグを設定する

「自動リンクドメイン」という項目が出てきたら、クロスするドメインすべてを入力します。ドメインを1つ入力したら「,(カンマ)」で区切り、次のドメインを入力するのを繰り返しましょう。

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「トリガーを選択してここのタグを配信」の部分をクリックし「All Pages」を選択します。

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右上の「保存」をクリックしたら、コンバージョンリンカータグの設定が完了します。

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コンバージョンタグの設定を行い、公開すればクロスドメインの設定まで完了です。

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GTMとGoogle広告に関するよくある質問

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最後に、GTMとGoogle広告に関するよくある質問を紹介します。

  • GTMタグの設置場所はどこ?
  • GTMタグを複数設置しても計測できる?

GTMタグの設置場所はどこ?

GTMタグは、対象WebサイトのHTMLに、GTMアカウント作成後に取得できる2つのコードを設置します。

1つ目のコードは<head>タグ内に、2つ目のコードは<body>タグ直後に設置しましょう。

gtm-head

<head>タグ内に記述されたコード

gtm-body

<body>タグ直後に記述されたコード

設置するページを誤ったり、それぞれのコードの設置位置を間違えたりすると、正しく計測できないため注意が必要です。

GTMタグを複数設置しても計測できる?

GTMタグを2つ以上設置すること自体は問題ありませんが、同じ計測コードを設定してしまうと二重計測になります。また、過去にHTML上で直接計測コードを埋め込んでいて、あとからGTMタグをそのまま追加した場合も二重計測になってしまいます。

二重計測すると正しいデータを取得できず、分析やその後の改善にも影響を及ぼすため、正しくGTMタグを設置できるようにしましょう。

GTMとGoogle広告を連携してコンバージョンの分析確度を上げよう

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GTMとGoogle広告を連携することで、タグ管理の工数を削減でき、作業効率が上がります。他社へ安全にタグを共有できたり、バージョン管理もできたりするため、修正や更新もしやすくなるでしょう。

また、Google広告には3種類のタグがあり、それぞれ設置することでコンバージョン計測やリマーケティングができるようになります。GTMと連携してGoogle広告のタグを設定し、効率よく確度の高い分析と改善を行いましょう。

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これからGoogle広告の配信を行う方は、ぜひ以下のチェックリストもご利用ください。
配信事故を防ぐ!Google広告入稿チェックリスト

著者(writer)
Sienca 事務局

リスティングをはじめとした運用型広告など、インターネット広告全般の運用サポートを実施しております。BtoCからBtoBまで様々なクライアント様の広告運用により得た知見を基にブログをお届けします。

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