CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)とは?広告の最適化にも効果あり

データ活用

CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)は、今後のWebマーケティングにおいて非常に重要な言葉です。今回は、コンセントマネジメントプラットフォームの詳細を解説しますので、「聞いたことがあるけれど詳しくは知らない」という人は、ぜひ参考にしてください。

CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)とは

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CMPはConsent Management Platformの略称で、日本語に訳すと「同意管理プラットフォーム」です。つまり、クライアントとのサービスや契約の同意を管理するプラットフォーム、もしくはシステムを指します。

CMPを導入すると、大量の顧客との契約や同意内容を効率的に管理できるのがメリットです。

またサイト訪問者は、自分のデータがどういった目的で使われて、どのサードパーティに受け渡されるのかしっかりと事前に確認した上で、そのサイトを利用できます。利用されたくない場合は拒否してデータを記録せずにサイトを訪問できるため、透明性が高く顧客体験の質が向上するでしょう。

加えて、CMPによっては、ユーザーが自身のプライバシー設定を管理できるようになります。ユーザーが個人情報を守ることができる体制を作るためにも、CMPは大きな影響があると言えるでしょう。

CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)とデータプライバシー

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以前は、ネットにおけるプライバシーや個人情報についての法整備があいまいなところがありました。しかし、日本で個人情報保護法が制定されたこともあり、企業は今まで以上にデータプライバシーに関して法令を遵守し、顧客情報の取り扱いに注意しなければなりません。

一方で、企業としては利益を上げるため、マーケティングを実施する必要があります。しかし、ユーザーのプライバシーを顧みずにマーケティングを優先すると、ユーザーは不安を覚えるでしょう。このような相反する要求を満たすためにできたツールが、CMPと言っても過言ではありません。

CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)とCookie利用同意

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CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)とゼロクッキーロード

ゼロクッキーロードとは必ずユーザーの同意を得てからCookieを利用するよう、Javascriptやピクセルタグを動作させる方法です。

ユーザーの同意なしにCookieを使って個人情報を収集することはプライバシーの観点から年々推奨されなくなってきています。しかし、このゼロクッキーロードを実施すると顧客のプライバシーを守りながら、安全に取引できるのです。

企業のWebサイトを訪問すると、「より良いサービスの提供のためにCookieを使用します。サービスを利用することにより、Cookieの使用に同意するものとします。」といったポップアップが出てくることに気づくかもしれません。

これはゼロクッキーロードの取り組みの1つで、ポップアップを出すことでCookie利用の同意が非常にスムーズになる仕組みです。

ユーザーにとってもCookieの利用は、企業マーケティングのターゲットになるというデメリットだけではなく、再訪問時のサイト表示スピードが上がることでCXが向上するというメリットがあります。したがって、Cookieの利用同意をしっかりと明示的に知らせると、お互いにスムーズで質の高いWebページ体験が実現するのです。

CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)を導入する上での注意点

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CMPがGDPRやCCPAに対応可能か

日本では、2022年4月1日から施行される改正個人情報保護法のガイドライン案が2021年5月19日に発表されました。しかし、日本国内のデータプライバシーだけに気をつければよいわけではありません。インターネット、ワールドワイドウェブは国境を超えてどこでも閲覧でき、アクセス情報や個人情報はCookieなどで世界のどこからでも収集されてしまいます。

そのようなグローバルアクセスされるサイトに関しては、「GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)」「CCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州消費者プライバシー法)」といった世界的にスタンダードとなっているプライバシー法を遵守しているかどうかも大切です。

特にGDPRに関してはEUで定められている規則となるので、EUを対象に訪問者を獲得する場合は対応が必須と言えるでしょう。GDPRでは利用用途、保管機関を明示し、ユーザーから同意を得ることを義務化しています。GDPRやCCPA対応のCMPは利用目的ごとに同意を選択できるため、スムーズに利用可能です。

CMPが他社システムと連携できるかどうか

現代のWebアプリケーション、特にデジタルマーケティングに関連するアプリケーションやシステムは、単独で使うのは非常に稀で、他のシステムと連携することで初めて有用になるケースがほとんどです。

CMPも例外ではなく、個人情報の収集・管理だけではなく、他のマーケティングプラットフォームやオートメーションシステムと連携させることでデジタルマーケティングを有利に進めていくことができます。

たとえば、収集した顧客データにリマーケティングをかけてダイレクトメールを送信したり、ユーザー属性に分類してデータ分析をしたりなど用途はさまざまです。

そういった連携がスムーズになれば、現場1人ひとりの作業負荷が軽減され、より効果的でパフォーマンスの高いマーケティングが可能となり、結果的に顧客体験が向上するでしょう。

CMPのサポート体制

既存システムの利用をやめて、新規システムを会社に導入するのは困難を伴うものです。導入設計・実装、導入後の運用まで一貫したサポートがあれば、負担を大幅に軽減できます。

また、顧客情報を扱う非常にセンシティブなシステムなので、万が一トラブルが起きたら大きな問題に発展します。CMPのサポート体制が万全であれば迅速に対処してもらえるため、メンテナンスに貴重なリソースを割くことなく運用を続けることが可能です。

CMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)を本当に導入すべきかどうか?

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全ての企業でCMPを導入すればよいわけではないものの、自社の目標を確認してから必要だと判断すれば、将来も見据えて導入を進めていくべきだと言えるでしょう。

ただし、「CMPを導入すれば同意関連の業務は全てお任せ、完了」といった捉え方をするのではなく、あくまでフォーカスすべきはカスタマーサクセスや顧客体験(CX)の向上です。KPIの達成をサポートするためのツールとしてCMPがあると捉えましょう。

また、企業が既存のシステムから脱却してCMPを導入すると、それだけ大きなコストがかかります。社内リソースやある程度の時間を費やすことにもなります。さらに、自社内だけでなく、アドテクノロジーのパートナーがデータを使用するための同意が必要となり、今まで以上に目的が限定的になる上に手続きが煩雑になります。

しかし、今後ますますCMPの重要性は高まるでしょう。企業がマーケティング活動の中で「預からせていただく」顧客データは、個人情報であるためしっかりと保護する必要があります。しかし、顧客情報が大量に膨れ上がると、一元的に、かつ安全にデータを管理するのが難しくなります。社内リソースを抑えてセキュアな環境を整えるために、CMPの使用は有効な手段だと言えるでしょう。

著者(writer)
Sienca 事務局

集客、接客、追客、ファン化とデジタルマーケティングのトータルソリューションを支援しております。あらゆるデジタルマーケティングに関する知見、ノウハウを元にブログをお届けします。

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