【初心者向け】Looker Studioとスプレッドシートの連携完全ガイド
「Looker Studioとスプレッドシートを連携させたいけれど、どこから手をつければよいのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
Looker Studioはデータ分析やレポート作成に非常に便利なツールですが、効果的に活用するためには少しコツが必要です。
本記事では、Looker StudioとGoogleスプレッドシートを連携する方法をわかりやすく解説します。スムーズに連携を進め、より効果的なデータ活用を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
マーケティングオートメーション(MA)の入門ガイド。基本的な仕組みや自動化できる業務をわかりやすく解説しています。ダウンロードは無料です。
⇒ 解説資料のダウンロードはこちら
Looker Studioとは

Looker Studioは、Googleが提供する無料のクラウド型BIツールで、データの可視化やレポート作成をサポートします。
800以上のデータソースと連携できる点が大きな特徴で、データ分析やマーケティング活動など、さまざまなビジネスシーンで活用されています。
BI(ビジネスインテリジェンス)とは、企業がもつ膨大なデータを収集・統合し、マーケティング戦略などの意思決定を支援するためのプロセスや技術のことです。
BIツールの主な機能や失敗しない選び方については以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


Googleスプレッドシートとは

Googleスプレッドシートは無料のオンライン表計算ツールで、クラウドベースでリアルタイムの共同編集が可能です。
Googleアカウントさえあれば、PCやスマホからどこでもアクセスでき、データの集計や分析、共有も簡単に行える点が特徴です。
とくに複数人での編集や共同作業に非常に効果的で、多岐にわたるビジネスシーンで活用されています。
Looker Studioとスプレッドシートを連携する3つのメリット

Looker Studioで連携可能なデータソースのひとつとして、スプレッドシートが挙げられます。連携すると、次のような3つのメリットがあります。
- Looker Studioで連携できないデータも活用できる
- 簡単にスプレッドシートのデータを管理・共有できる
- 複数のスプレッドシートのデータを統合できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.Looker Studioで連携できないデータも活用できる
Looker Studioは数多くのデータソースと連携可能ですが、すべてのツールやサービスに対応しているわけではありません。新しいサービスやローカルなツールには対応していないことが多くあります。
しかし、スプレッドシートを活用することで、未対応のデータを簡単にレポートに取り込み、より幅広い情報を分析・可視化できます。
たとえば、社内システムで管理しているデータや、Yahoo!広告などの公式コネクタがない広告ツールのデータも、スプレッドシートを経由すればLooker Studioで利用可能です。
Yahoo!広告の概要やメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

2.簡単にスプレッドシートのデータを管理・共有できる
Looker Studioとスプレッドシートを連携することで、データの管理や共有を大幅に効率化できます。煩雑なデータ管理から解放され、迅速かつ正確な情報共有を実現できるでしょう。
スプレッドシートに入力したデータは、リアルタイムでLooker Studioのレポートに反映されるため、手動での更新作業が必要ありません。さらに、Googleドライブを利用すれば、チームメンバーと簡単にデータを共有できます。権限管理によって誰がどのデータを編集できるかを厳格にコントロールすることも可能です。
3.複数のスプレッドシートのデータを統合できる
企業では、複数のスプレッドシートで異なるデータを管理することがありますが、Looker Studioと接続すれば、これらのデータを一元管理できるようになります。
たとえば、営業進捗や売上データ、顧客情報など、別々のシートで管理しているデータを統合しひとつのレポートで視覚化できます。
Excelの場合、データ更新時にCSV形式で保存してからインポートする必要がありますが、Looker Studioとスプレッドシートを連携すればその手間がかかりません。
連携によってデータ統合の作業を効率化できるため、業務全体の生産性向上が期待できます。
Looker Studioとスプレッドシートの連携方法【3ステップ】

ここでは、Looker Studioとスプレッドシートの連携方法を解説します。
具体的なステップは以下のとおりです。
- 連携するスプレッドシート内にデータを格納する
- Looker Studioにログインしてレポートを新規作成する
- Googleスプレッドシートを接続する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
STEP1.連携するスプレッドシート内にデータを格納する
まずは、連携するスプレッドシートに必要なデータを入力しておきます。
Looker Studioでデータを正しく表示するためには、列ごとにデータの整合性を保ち、項目ごとに適切なデータ型(数値、文字列など)を設定しなければならない点に注意が必要です。
他のユーザーと共有する場合は、シートのアクセス権限を「閲覧者」や「編集者」に設定し、Looker Studioからアクセスできるようにしておきましょう。
STEP2.Looker Studioにログインしてレポートを新規作成する
Googleアカウントにログインした後、Looker Studioの公式サイトにアクセスして「使ってみる」ボタンをクリックします。

次に、ホーム画面の左上にある「作成」ボタンをクリックして「レポート」または「データソース」を選択します。
今回は、スプレッドシートのデータを用いてレポートを作成するため「レポート」を選択しましょう。

レポートを作成する場合は「レポート」を選び、データソースだけを連携させたい場合は「データソース」をクリックします。
STEP3.Googleスプレッドシートを接続する
レポート作成画面に進んだら、データソースの選択画面が表示されます。ここで、利用可能なコネクタ一覧から「Googleスプレッドシート」を選びましょう。

次に、連携したいスプレッドシートを選択し、シート内のデータをどのワークシートに接続するかを指定します。

選択が完了したら「レポートに追加」をクリックしましょう。

これでスプレッドシートのデータがLooker Studioに反映され、表やグラフを用いてデータを視覚的に分析できるようになります。
データを視覚的に分析できるようになったら、次にやるべきことはデータをマーケティング戦略に活かすことです。データを最大限に活用するノウハウは以下にまとめておりますので、ぜひ活用してみてください。
⇒ 解説資料のダウンロードはこちら
スプレッドシートのデータを活用したレポートの作成方法【4ステップ】

ここでは、スプレッドシートのデータを活用して、Looker Studioでレポートを作成する方法を解説します。
具体的な手順は以下のとおりです。
- レポートを編集モードに切り替える
- グラフやページを追加する
- ディメンションや指標を設定する
- レポートのデザインを調整する
それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
STEP1.レポートを編集モードに切り替える
レポート作成を開始するには、まず「編集モード」に切り替える必要があります。
画面右上にある「編集」または「表示」ボタンをクリックして、編集可能な状態に切り替えましょう。

上の画像の状態が「編集モード」です。
編集モードと表示モードを簡単に切り替えられるため、レポート内容を確認しながら作業を進めることが可能です。
STEP2.グラフやページを追加する
次にグラフやページを追加して、データを視覚的に表現しましょう。
上部メニューの「グラフを追加」ボタンをクリックすると、円グラフ、棒グラフ、ピボットテーブルなど、目的にあわせたグラフを選択できます。

円グラフを選択した場合は、以下のようにデータを表示できます。

ページやデータの追加も操作の手順は同じです。上部メニューの「ページを追加」や「データを追加」から簡単に追加できます。
STEP3.ディメンションや指標を設定する
ディメンションと指標の設定は、グラフ編集画面(レポート右側)の「設定」タブで行います。

ディメンションは、データを分類するための軸(例:地域別、デバイス別など)です。指標は、分析結果となる数値(例:ユーザー数、アクセス数など)のことです。
ディメンションと指標は、スプレッドシートの1行目に記載されたタイトルが自動的に反映されます。Looker Studioでわかりやすく表示されるよう、短く簡潔な名前をつけることをおすすめします。
STEP4.レポートのデザインを調整する
最後に、レポートの完成度を高めるためにデザインを調整しましょう。
「スタイル」タブでグラフの色やフォント、ラベルサイズなどを簡単にカスタマイズできます。視覚的にわかりやすく、魅力的なレポートを作成しましょう。

「テーマとレイアウト」を活用すれば、レポート全体の配色やデザインを統一できます。この機能を使うことで、レポート全体の見た目に一貫性をもたせ、よりプロフェッショナルな印象を与えることが可能です。

もしデザインに自信がない場合や、作業を効率化したい場合には、「テーマとレイアウト」を活用することをおすすめします。
Looker Studioとスプレッドシートを連携する際の5つの注意点

Looker Studioとスプレッドシートの連携は、データ分析やレポート分析に効果的ですが、いくつか注意しなければならないことがあります。
主な注意点は次の5つです。
- スプレッドシートを個人のGoogleドライブに保存する
- 縦長形式でデータを入力する
- セルを結合しない
- フィールド名の重複を避ける
- データの総計行を含めない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.スプレッドシートを個人のGoogleドライブに保存する
Looker Studioとスプレッドシートを連携する場合、スプレッドシートは個人のGoogleドライブ(マイドライブ)に保存しなければなりません。
共有ドライブ内ではアクセス権限に関する問題が発生する場合があるため、Looker Studioとの連携がうまくいかない可能性があります。もしスプレッドシートが共有ドライブに保存されている場合は、マイドライブに移動しましょう。
また、利用するスプレッドシートは、Looker Studioと同じGoogleアカウントのドライブ内に保存しなければなりません。連携する前に、適切なGoogleアカウントでログインしているかどうかを必ず確認しましょう。
2.縦長形式でデータを入力する
スプレッドシートにデータを入力する際は、必ず縦長形式で入力する必要があります。各項目(例:年月、メディア名、売上など)を縦方向に並べて入力します。
データが横に広がったスプレッドシートは、Looker Studioで正確に反映されない場合があるため注意しましょう。
余分な空白行や空白列を避け、必要最小限の情報を整理して入力することも重要です。重複するデータや空白のセルを排除することで、データの一貫性が保たれ、エラー防止につながります。
3.セルを結合しない
スプレッドシートのセルを結合すると、Looker Studioがデータを正しく読み取れない可能性があります。
そのため、1つのセルに1つのデータのみ入力することを徹底し、テキストの改行や複数のデータをまとめて入力するのは避けましょう。
また、グラフや画像はスプレッドシート内で追加せず、Looker Studio上で別途挿入することをおすすめします。
4.フィールド名の重複を避ける
Looker Studioでは、スプレッドシートの1行目がフィールド名として扱われます。そのため、同じフィールド名が重複しないように注意が必要です。
フィールド名が重複していると、データが正しく認識されず、集計や分析が正常に行われないことがあります。
たとえば、「売上」「日付」「広告費」などのフィールドが重ならないように、わかりやすく整理された名前をつけるように意識しましょう。
5.データの総計行を含めない
スプレッドシートに総計行が含まれていると、総計行のデータが通常のデータとして処理され、Looker Studio上で誤った集計結果が表示される可能性があります。
元データには実際の数値データのみを含め、集計結果や総計行は含めないようにしましょう。
データをシンプルに保つことで、より正確なレポート作成が可能となります。データの精度を保つためにも、余分な総計行を削除してからLooker Studioと連携することが大切です。
Looker Studioとスプレッドシートの連携でよくあるトラブルと対応策

ここでは、Looker Studioとスプレッドシートの連携でよくあるトラブルと解決策を紹介します。
- Looker Studioとスプレッドシートが連携できない
- Looker Studioとスプレッドシートを連携してもデータが表示されない
- Looker Studioのデータが自動更新されない
トラブル対応のポイントを押さえて、スムーズな連携を実現しましょう。
Looker Studioとスプレッドシートが連携できない
連携する際に問題が発生する主な原因は、権限設定やアカウントの不一致です。
まず、スプレッドシートがGoogleドライブの「共有ドライブ」ではなく、個人用の「マイドライブ」に保存されているか確認しましょう。
解決しない場合は、Looker StudioとスプレッドシートのGoogleアカウントが一致しているかどうかを確認してください。異なるアカウントで接続している場合、正しいアカウントで接続し直すことで問題が解決することがあります。
Looker Studioとスプレッドシートを連携してもデータが表示されない
連携したにもかかわらずデータが表示されない場合、まずはデータを手動で更新してみましょう。
解決しない場合は、スプレッドシートのデータ型に問題がある可能性があります。たとえば、数値が文字列として入力されているなどが考えられます。
適切なデータ型を設定しているか、正しい形式で入力されているかを確認しましょう。もし問題が解決しない場合は、接続し直すことも有効です。
Looker Studioのデータが自動更新されない
Looker Studioでスプレッドシートのデータが自動的に同期されない場合、いくつかの原因が考えられます。
まず、Looker Studioのキャッシュが影響している可能性があります。レポート設定からキャッシュを更新してみてください。
次に、スプレッドシート自体が最新の状態でないと、Looker Studioにも更新が反映されません。常に最新の情報を保つように意識しましょう。
スプレッドシートの共有設定やアクセス権限を確認し、Looker Studioに適切な権限が付与されているかチェックすることも重要です。
Looker Studioとスプレッドシートの連携に関するよくある質問

最後に、Looker Studioとスプレッドシートの連携に関するよくある質問を紹介します。
Looker Studioのデータをスプレッドシートに出力できる?
Looker Studioでは、レポート内のデータを容易にスプレッドシートに出力することが可能です。
手順は以下のとおりです。
まずは表やグラフの右上にある「縦の三点リーダー」をクリックして「エクスポート」を選択します。

次に「データのエクスポート」画面で「Googleスプレッドシート」にチェックマークをつけ、エクスポートボタンをクリックします。

これでスプレッドシートへの出力が完了です。表示されているデータがスプレッドシートに転送され、自動的にGoogleドライブに保存されます。
Looker Studioで作成したレポートを共有できる?
Looker Studioでは、作成したレポートを手軽に他のユーザーと共有できます。
共有方法は主に2つあり、1つは「リンクを発行」してオンラインで共有する方法、もう1つは「PDF形式でダウンロード」してオフラインでも共有できる方法です。
リンクの共有では、ユーザーのアクセス権限(例:閲覧者、編集者)を細かく設定でき、個別のメールアドレスに直接送信することが可能です。PDF形式での共有では、必要なページを選んでカスタマイズオプションを設定し、簡単にダウンロードできます。
詳しい共有方法は以下の記事で解説しています。

Looker Studioはスプレッドシート以外のデータソースとも連携できる?
Looker Studioは、スプレッドシート以外にもさまざまなデータソースと連携可能です。
たとえば、Googleの各種ツール(例:Googleアナリティクス、GA4、Google広告など)との統合も簡単に行えます。FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSデータとも統合でき、マーケティング活動全般を可視化できます。
とくに、データを最大限活用するためには、Googleアナリティクス4の設定が不可欠です。初期設定にお悩みの方は「Google アナリティクス4かんたん初期設定ガイド」を活用してみてください。
Looker Studioとスプレッドシートを連携し、データ分析やレポート作成を効率化しよう

Looker Studioとスプレッドシートを連携することで、データ分析やレポート作成が効率化され、複雑な作業も簡単に管理・共有できるようになります。
連携方法や連携時の注意点を押さえて、データの統合や可視化をスムーズに行い、業務の効率を大幅に向上させましょう。
連携が完了したら、次はマーケティングオートメーションを活用してさらなる業務効率化を目指しましょう。次のステップに進むためのガイドとして、下記の資料をぜひご活用ください。