【図解あり】Looker Studioの使い方基本の4ステップ|基礎から活用術までわかやすく解説
データの可視化や分析において「Looker Studio」は非常に便利なツールですが、機能が豊富で初めて利用する方には少し難しく感じるかもしれません。データソースの接続やレポートの作成など、使い方に戸惑うこともあるでしょう。
そこで本記事では、Looker Studioの概要や主な機能、基本的な使い方、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
この記事を読めば、Looker Studioの基本的な操作方法をマスターし、効率的にデータ分析やレポート作成ができるようになります。
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Looker Studioとは

Looker Studioは、企業が保有するデータを簡単にレポート化し、データの可視化を支援するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。BIとは、企業がもつ膨大なデータを収集・統合し、意思決定をサポートするプロセスや技術を指します。
Looker Studioは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できるのが特徴です。GoogleアナリティクスやGoogle広告、BigQueryなど、複数のデータソースとの連携が可能です。データ分析やマーケティング活動などさまざまなビジネスシーンで活用されています。
BIについては以下の記事で解説しています。

Looker Studioの主な3つの機能
Looker Studioには、データ分析を効率化するための便利な機能が多数搭載されています。その中でもとくに重要な3つの機能を紹介します。
Looker Studioの重要な3つの機能
機能 | 特徴 |
---|---|
データの可視化 | ・データを直感的に把握可能(折れ線・棒・円グラフの作成) ・複雑な数値データを迅速に分析 ・異なる期間ごとのデータ比較(前月比、昨年対比など) |
データの接続 | ・800以上のデータソースと接続可能(GA4、Google広告、BigQueryなど) ・2025年1月時点で連携可能なGoogleサービスは全24種類 ・Google以外の外部サービス(例:Facebook、InstagramなどのSNS)とも連携可能 |
データの共有 | ・Googleドライブに保存 ・メールでリンク送信、PDF形式でダウンロード・ユーザーごとに閲覧 ・編集権限を設定、リアルタイムでの共同編集も可能 |
上記の機能を活用することで、複雑なデータを視覚的に整理し、チーム内での情報共有や意思決定を円滑化できます。
なお、GA4などのデータソースと直接連携していないデータは、レポート上でリアルタイムに反映されない場合があるため注意が必要です。
GA4とは、2020年10月にリリースされた、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。リリースされた経緯については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


Looker Studioの基本的な使い方【4ステップ】

ここでは、Looker Studioの基本的な使い方を4つのステップにわけて解説します。
- Looker Studioにログインする
- データソースを連携する
- レポートを作成する
- レポートを共有する
上記のステップを順番に実行すれば、Looker Studioの基本操作は完璧です。それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1.Looker Studioにログインする
Looker Studioを利用するにはGoogleアカウントへのログインが必要です。Googleアカウントにログイン後、Looker Studioの公式サイトにアクセスし、「使ってみる」ボタンをクリックします。

データソースを表示するには、接続先のデータソースにアクセス権をもつGoogleアカウントでログインしなければなりません。
ステップ2.データソースを連携する
次に、データソースをLooker Studioに接続します。Looker Studioでは、GoogleアナリティクスやGoogleスプレッドシートなど、さまざまなデータソースとの接続が可能です。
まずは下図の「空のレポート」を選択します。
なお、データソースを連携してレポートを作成する場合は「レポート」、データソースの連携のみを行う場合は「データソース」を選択します。今回はレポートの作成方法も解説するので、「レポート」を選択しましょう。

Looker Studioを初めて利用する場合は、「アカウント設定」の画面が表示されます。「国」と「会社名」を入力し、「続行」をクリックしてください。

「続行」をクリックしたらメールの設定画面が表示されるため、「すべて有効にする」を選択し再度「続行」をクリックします。メールを受け取りたくない場合は、「いいえ」を選んでも問題ありません。

次に、コネクタの一覧画面から「Googleアナリティクス」や「Googleスプレッドシート」など、接続したいデータソースを選択します。
今回は「Googleアナリティクス」を選択しましたが、その他のデータソースでも手順は大きく変わりません。

データソースを選択したら、アクセス権の「承認」をクリックします。

アクセス権の承認後は、データソースのどのデータに接続するかを選ぶ画面が表示されます。連携したい「アカウント」「プロパティ」を選択し、右下の「追加」をクリックしましょう。

ポップアップが出てきたら、「レポートに追加」をクリックします。次回の連携から省略したい場合は、「次回から表示しない(Don’t show me this again)」にチェックを入れましょう。これでデータソースの連携は完了です。

ステップ3.レポートを作成する
データソースの連携が完了したら、新規レポートが作成されます。
「グラフを追加」を選択すると、表や棒グラフ、円グラフなどさまざまな形式のグラフを追加できます。

表やグラフを追加した後は、グラフを分類するための「ディメンション」と数値を示す「指標」を設定してみましょう。
ディメンションはデータを分類する軸で、指標はディメンションをもとに測定される数値のことです。ディメンションや指標については、この記事内の「ディメンションと指標の活用」で詳しく解説しています。

ディメンションと指標の設定が終わったらスタイルを設定し、レポートの見た目を整えます。たとえば、グラフの色やフォントの種類、サイズなどを調整すれば、視覚的にわかりやすいレポートを作成できるでしょう。

レポートが完成したら、次は共有方法について学びましょう。
ステップ4.レポートを共有する
作成したレポートは、他の人と簡単に共有できます。Looker Studioには、「リンクを発行する方法」と「PDF形式でダウンロードする方法」の2つの共有方法があります。
- リンクを発行する方法
最初に、レポート画面で「共有」をクリックしましょう。

個別に権限を付与する場合は、対象のメールアドレスを入力し、閲覧者か編集者のどちらかを選択して「送信」をクリックします。

複数ユーザーに一括付与する場合は、「リンク設定」で「限定公開」を選択し、閲覧者か編集者のどちらかを選択して「保存」をクリックします。発行したURLをメールなどで共有することも可能です。

- PDF形式でダウンロードする方法
「ファイル」→「ダウンロード形式」→「PDF」の順にクリックします。

PDF形式でダウンロードしたいページと、3つのオプションから必要なものを選択し、「ダウンロード」をクリックします。これでPDF形式でのレポート保存が完了です。

Looker Studioの効果的な活用術

データ分析の精度をさらに高めるためには、Looker Studioの機能を深く理解し、適切に活用することが重要です。ここでは、とくに効果的な3つの活用方法を紹介します。
- ディメンションと指標の活用
- 関数の活用
- パラメータ機能の活用
上記の機能を正しく理解し、Looker Studioの効果的な活用方法を習得しましょう。
ディメンションと指標の活用
ディメンションと指標は、Looker Studioでデータを分析する際の基本的な要素です。
データ分析の要素と具体例
要素 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
ディメンション | データを分類するための軸 | ・地域 ・日付 ・製品カテゴリなど |
指標 | ディメンションをもとに測定される数値 | ・売上高 ・顧客数 ・コンバージョン率など |
ディメンションと指標の組み合わせで、時系列分析や地域別のパフォーマンス比較が可能となります。
たとえば、売上高を月別に分析することで、季節性の影響や特定のキャンペーンの効果を把握できます。地域別に売上を比較すれば、地域ごとの強みや弱点を明確にでき、戦略の最適化が図れるでしょう。
また、複数のディメンションを組み合わせた分析も効果的です。たとえば、「製品カテゴリ」と「地域」を組み合わせて、地域ごとの製品パフォーマンスを可視化することで、マーケティング施策や戦略の具体的な方向性を明確化できます。
関数の活用
データ分析の精度を高めるには、関数の活用も有効です。Looker Studioでは、次のような関数を活用できます。
Looker Studioで使用できる主な関数
関数カテゴリ | 主な関数 | 活用例 |
---|---|---|
時間関数 | ・YEAR ・MONTH ・WEEK ・DATE_DIFF | 季節性や経年変化を分析、特定の期間のデータを比較 |
統計関数 | ・AVERAGE ・MEDIAN ・STD DEV ・PERCENTILE | データの平均・中央値、ばらつき具合を測定し、傾向や異常値を分析 |
文字列関数 | ・CONCAT ・REGEXP_EXTRACT ・LOWER ・UPPER | テキストデータを加工・抽出 |
条件分岐関数 | ・IF ・CASE ・COALESCE | 特定の条件にもとづきデータを分類(例:売上が一定額以上なら「高」カテゴリなど) |
集計関数 | ・SUM ・COUNT ・MAX ・MIN | グループごとの集計・比較を通じて傾向を分析 |
関数を効果的に活用することで、より精度の高い分析が可能になります。
たとえば、時間関数と統計関数を組み合わせて売上の季節変動を可視化したり、文字列関数と条件分岐関数を使って顧客データを自動的に分類したりすることが可能です。
パラメータ機能の活用
Looker Studioのパラメータ機能を活用することで、ユーザーはダッシュボードを自分のニーズにあわせて動的にカスタマイズできます。
たとえば、日付範囲、部門、商品カテゴリなどを選択し、複数の条件を柔軟に調整しながら、特定の期間や条件にもとづいたデータを分析できます。
この機能により、固定的なレポートではなく、ユーザーがその時々のニーズにあわせてデータを細かく絞り込み、視覚化することが可能です。
また、複数のパラメータを組み合わせることで、さまざまな視点からデータを分析できます。これにより、有用なインサイトをリアルタイムで獲得できるようになり、データ分析の柔軟性と効率性が大きく向上します。
Looker Studioを効果的に活用するには、GA4やGoogleスプレッドシートなどのデータソースを正しく設定することが重要です。GA4の設定に不安がある方は、下記の「かんたん初期設定ガイド」をダウンロードして、設定をスムーズに進めましょう。
株式会社クロスリスティングでは、NTTグループの一員として、お客様のデジタルマーケティング戦略や運用をトータルで伴走・支援いたします。Looker Studioの活用などにお困りの際はお気軽にご相談ください。
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Looker Studioを導入する4つのメリット

Looker Studioには、企業のデータ分析を行ううえでさまざまなメリットがあります。ここでは、以下の4つのメリットについて解説します。
- 無料で利用できる
- 簡単にデータを接続できる
- 作成したレポートのデータが自動で更新される
- 豊富なテンプレートを利用できる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
1.無料で利用できる
一般的に、高度な分析機能(データマイニングやシミュレーション機能など)を備えたBIツールは、有料で提供されることが多い印象です。
一方、Looker Studioは主にデータの可視化やレポート作成に特化したツールであり、基本機能は無料で提供されています。Googleサービスとの親和性が高く、GoogleアナリティクスやGoogle広告などのデータを活用した分析やレポート作成に最適なツールです。
2.簡単にデータを接続できる
Looker Studioは、GoogleアナリティクスやGoogle広告、BigQuery、MySQLなど、800以上のデータソースと簡単に接続できます。Googleのサービスとの互換性が高く、連携にも優れているため、すでにGoogleのサービスを利用している企業にはとくにおすすめです。
また、複数のデータソースから必要な情報をスムーズに取り込み、手間をかけずにレポート作成を開始できます。
特別な設定やプログラミングスキルは必要なく、直感的な操作で複数のデータソースを組み合わせてレポートを作成できるため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
3.作成したレポートのデータが自動で更新される
Looker Studioでは、データソースと接続したレポートがリアルタイムで更新されるため、データの更新作業を手動で行う必要がありません。常に最新のデータを反映させたレポートを確認でき、作成にかかる時間と手間を大幅に削減できます。
たとえば、定期的なデータ更新が求められる業務の場合、Looker Studioを利用すればデータ更新やレポート調整の手間を省け、業務の効率化を実現できます。
4.豊富なテンプレートを利用できる
Looker Studioは、データの可視化を効率化するために、さまざまなテンプレートを提供しています。
テンプレートを使用すれば、レポートのデザインやフォーマットに悩むことなく、短時間で高品質なレポートを作成できます。Looker Studioに不慣れな方や初めてレポートを作成する方でも、豊富なテンプレートと直感的な操作で、簡単に作業を進められるのが特徴です。
Looker Studioを導入する3つのデメリット

Looker Studioには多くのメリットがありますが、導入にあたって注意すべきデメリットもいくつか存在します。以下の3点に注意して、導入を検討しましょう。
- カスタマイズの柔軟性に限界がある
- 大量のデータ処理に時間がかかる可能性がある
- データソースの連携に関する知識が必要となる
1.カスタマイズの柔軟性に限界がある
Looker Studioはデザイン面の自由度が低く、レポートやダッシュボードを作成する際に、レイアウトやインタラクティブ機能に限界を感じることがあります。
特定の企業のブランドにあわせたカスタムデザインを追求する場合や、他のツールで可能な細かい調整を希望する場合、Looker Studioでは対応しきれないことがあります。
柔軟なカスタマイズを求める場合には、より自由度の高いBIツール(例:Tableau)を導入するのがおすすめです。
Tableauについては以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方は、こちらもあわせて確認しておきましょう。

2.大量のデータ処理に時間がかかる可能性がある
Looker Studioで膨大なデータを扱う際、処理速度が低下することがあります。とくに複雑なデータセットをリアルタイムで更新する必要がある場合、レポートの読み込みやデータの更新に時間がかかり、パフォーマンスが低下する可能性があります。
リアルタイムでのデータ更新が必要な場合や迅速な意思決定を求められる環境では、遅延がストレスとなるため注意しましょう。他のBIツールとの併用を検討するのも選択肢のひとつです。
以下の記事では、主要なBIツールを比較し、それぞれの特徴について詳しく解説していますので、あわせて確認しておきましょう。

3.データソースの連携に関する知識が必要となる
Looker Studioは、GA4やGoogleスプレッドシートなど、多くのデータソースと簡単に連携できるものの、効果的に連携するにはデータソースに関する知識が必要です。
たとえば、GA4ではプロパティの設定やAPI認証を理解し、Googleスプレッドシートではシート選択やデータ形式の整合性を確保する必要があります。適切な設定を行わないと、データを正しく取り込めず、レポートを期待通りに作成できないこともあります。
知識を身につければ、Looker Studioの機能を最大限に活用でき、より効率的にデータ連携や精度の高いレポート作成が可能になるでしょう。
Looker Studioの使い方を理解して、データ分析を効率化しよう

Looker Studioの使い方をマスターすれば、データ分析の効率が大幅に向上します。
本記事で基本的な操作を学んだ後は、実際のデータを使ってレポート作成やダッシュボードの設定を試してみましょう。実践を積み重ねることで、より高度な分析が可能になります。
GA4の設定に不安がある方は、下記の「かんたん初期設定ガイド」をダウンロードして、設定をスムーズに進めましょう。
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