データフィード広告とは?基本的な仕組みや媒体の種類について解説
近年、オンラインで買い物をする人が増え、消費者の多様なニーズや行動に合わせて広告をカスタマイズする事の重要性は益々高まっています。消費者一人ひとり、商品単位で広告を作成できるデータフィード広告は、多数の品揃えをもつECや人材、旅行、不動産などの業界で特に活用されています。
本記事では、これからデータフィード広告に取り組みたいと考えている方に、その仕組みやメリット、代表的な媒体について解説します。
データフィード広告とは
データフィード広告とは「データフィード」という仕組みを使って自社の商品データを広告媒体の仕様に合わせて変換・配信する広告手法で、GoogleやYahoo!、Facebookなどの主要な広告媒体がサービスを提供しています。
例えば、ユーザーがWeb上で「リュックサック レディース」というキーワードで検索すると、検索結果に商品写真と価格が表示されます。商品をクリックすると、販売サイトの商品詳細ページへ直接アクセスし、商品を購入する事ができます。また、ネットショッピングの最中に、閲覧した商品や近い商品の広告が表示されます。
これらの広告はあらかじめ用意された商品リストを元に、ユーザーの行動や興味関心に合わせて自動で生成されたもので、広告文やバナー制作、キーワードの選定を必要としません。
データフィードの仕組み
データフィードの仕組みについてご説明します。
広告主は、商品情報のデータリストを提供先の広告媒体へ送信・連携させます。媒体側は、受け取ったデータを配信先の広告フォーマットに変換・カスタマイズして、広告を配信します。
データフィードの項目は、商品写真や価格・色の他、在庫数やセール価格など媒体の仕様や企業の用途によって様々に設定できます。データフィードの中身を常に最新に保つことで、リアルタイムの情報を消費者に届けることが出来ます。
データフィード広告の市場規模
データフィード広告の市場規模は年々増加しています。
メタップスワンとデジタルインファクトの調査によると、2016年のデータフィードの市場規模は前年比約5割増の649億円、2020年には1,507億円規模に拡大すると予想しています。
データフィード広告市場規模(広告商品別)2014年-2020年 単位:億円
メタップスワン/デジタルインファクト調べ
主な広告主の業種はEコマース、人材、不動産、旅行が多く、Eコマースを中心に、大手企業だけではなく幅広い広告主層へ利用が進んでいます。
データフィード広告市場規模(広告主業種別)2014年-2020年 単位:億円
メタップスワン/デジタルインファクト調べ
データフィード広告のメリット
データフィード広告の活用がなぜ広がっているのか、そのメリットは様々ですが、主に2つが挙げられます。
ユーザーの興味関心に合わせて広告を生成・配信できる
データフィード広告は、定型のバナーや広告文を作成する必要がありません。これまでの広告は、あらかじめ用意した複数パターンの広告クリエイティブを配信するものでしたが、データフィード広告は広告媒体が自動で広告を作成します。その数は商品とユーザーの数だけ生成され、ユーザーの検索クエリや行動履歴を元に配信されます。
商品画像やスペック、在庫やセール情報など、購買活動に直結する情報をユーザーのニーズにマッチングさせられることがデータフィード広告の強みです。
商品データと連動して広告を展開できる
データフィードを自社サイトの商品情報と連動させれば、最新の情報を素早く広告へ展開できます。手作業によるデータ変換の手間が省かれることで、広告主の負担軽減にも繋がります。データフィード広告の活用により、少ない運用コストで効果的な広告を打つことが可能となります。
主なデータフィード広告の種類と媒体
データフィードの活用の場として、主に2種類の広告が挙げられます。検索エンジンに表示される「検索連動型広告」と、ユーザーの行動履歴や閲覧ページを元に表示される「ディスプレイ広告」です。それぞれ代表的な広告媒体をご紹介します。
Googleショッピング広告
検索大手のGoogle社が提供する、検索連動型広告です。Google検索結果の再上部に画像付きで表示されるため、テキストだけのリスティング広告より視認性が高く、クリックされやすいのが特徴です。また、購買意欲が高いユーザーに対して広告を配信する為、コンバージョンされやすいのも大きなメリットです。また、「ローカル在庫広告」機能を使えば商品在庫がある近くの店舗を表示させることができ、オンライン店舗だけでなく実店舗への集客にも活用できます。
Googleショッピング広告についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
Criteo(クリテオ)
Criteoは、フランスのCriteo社が提供するディスプレイ広告のサービスで、精度の高いダイナミックリターゲティング広告として知られています。独自のアルゴリズムと豊富な消費者データにより、ユーザーの閲覧・行動履歴を元にパーソナライズされた広告を配信することができます。国内外の幅広い広告媒体を横断して広告を配信できること、特に、日本で利用者の多いYahoo!Japanのトップ面へ配信できることが魅力です。
Facebook・Instagramダイナミック広告(Advantage+カタログ広告)
主にFacebookやInstagramに配信されるダイナミック広告(2022年よりMeta Advantage+ カタログ広告へ名称変更)は、Facebookが持つユーザーの属性情報(生年月日、性別、出身地など)を元にした、精度の高いターゲティングが可能です。サイトを訪問していない潜在層のユーザーに対しても広告の配信を行うことができ、新規顧客の獲得にも活用できます。
LINE Dynamic Ads(LINEダイナミック広告)
LINEダイナミック広告は、LINEの提供するサービスへ広告を配信することができるサービスです。LINE広告の特徴はユーザー数の多さ・幅広さで、2022年6月末時点でLINEユーザー数9,200万人と日本の人口の約7割に相当します。また、毎日LINEを使うユーザーの割合は86%とアクティブ率が高く、SNSはLINEのみ利用している、というユーザーに対してアプローチできるのも大きな強みです。
データフィード広告の注意点
導入時の準備が煩雑になる
上手に活用できればメリットの大きいデータフィード広告ですが、始めるには少々手間のかかるのが難点です。
出稿する媒体の仕様に合わせたデータフィードを作成しなければならず、自社が保有する商品データを利用できる形へ整える作業が発生します。また、効果を正しく計測する為には適切な広告タグの設置が必要で、フィードとタグが一致しないと広告の最適化ができず、配信効果が下がってしまいます。
これらの準備を進めるには、ある程度の時間と工数、データフィードやタグを扱うノウハウが必要になります。
フィード情報の管理・運用が大変
データフィード広告は一度データを準備すれば終わりというわけではなく、定期的なメンテナンスが必要です。在庫状況や価格など、常に新しい情報を広告へ反映させる仕組みを作ることが求められます。
適切な設計とデータの鮮度が成功のポイント
ここまで、データフィード広告の仕組みやメリット、代表的な媒体についてお伝えしてきました。適切な運用が出来れば、自社のデータを活用し、少ない手間で大きな効果を得られるのがデータフィード広告の魅力です。
導入に不安を感じたら、ノウハウを持つ専門家に相談するのも一つの手です。
当社の広告運用コンサルティングでは、フィードの作成からタグ設置、運用までを一括でフォロー致します。
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