ECサイトでMAツールを導入する方法!選び方や費用、おすすめツールを紹介
ECサイト運営において、マーケティングの効率化と効果向上を目指すなら、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入がおすすめです。
しかし、「そもそもMAツールとは何かがわからない」「MAでできることは何?」など、疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで本記事では、MAツールとは何か、導入のメリットや選び方、費用やおすすめのMAツールについて解説します。ECサイト運営にMAの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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ECサイト向けのMAツールとは?導入すべき理由

MAはMarketing Automation(マーケティング・オートメーション)の略で、MAツールとはマーケティング業務を効率化するためのツールです。
これまでMAツールは、主にBtoB(企業間取引)における営業支援やマーケティング活動で活用されることが多く、BtoC(個人向け取引)の分野では対応ツールが限られていました。しかし、近年ではECサイト運営に特化したMAツールが登場し、その注目度が高まっています。
では、なぜECサイトにおいてMAツールを導入する必要があるのでしょうか。その理由について、以下で解説していきます。
より効果的なマーケティング施策を実施できる
MAツールを活用すると、顧客の購買履歴や行動データをもとに、一人ひとりにパーソナライズされたマーケティング施策を自動で展開できます。
以下は、MAツールの機能と各機能を用いることで実施できる施策の一例です。
機能名 | 実施できる施策例 | 得られる効果 |
---|---|---|
メールマーケティングの自動化 | 商品を閲覧したが購入していない人に「こんな商品もおすすめです」とメールでリマインド | ・購入率アップ ・顧客の関心をキープ |
スコアリングの自動化 | 購入意欲が高い顧客を点数化してグルーピングし、優先的にアプローチ | ・効果的なリソース配分 ・売上の最大化 |
Webサイトの最適化 | 過去の購入履歴から「あなたにおすすめの商品」をトップページに表示 | ・サイトの使いやすさ向上 ・購入意欲を促す |
これらの施策により、顧客の満足度を高めるだけでなく、離脱率の低下やコンバージョン率の向上を期待できます。
また、ターゲットに最適なアプローチをすることで売上アップにつながる点も魅力です。
業務の自動化で人件費の削減につながる
MAツールを導入すると、これまで手作業で行っていた膨大な業務を自動化できます。
具体的には、以下のような作業を自動化可能です。
手動の場合 | MAツール導入後 |
---|---|
毎回手動でメールを作成・送信 | 条件に応じたメールを自動で配信 |
キャンペーンの都度設定が必要 | スケジュールを一度設定すれば自動で展開 |
複数のデータを手動で集計・分析 | データがツール上で一元管理され、自動で分析される |
作業の自動化と効率化によって、作業時間の短縮はもちろん、人件費の削減も可能となるでしょう。
施策効果を可視化し、効果的にPDCAを回せる
MAツールでは、顧客の購入意欲や行動がスコアリングされ、そのデータが蓄積されていきます。
このスコアを活用することで、各施策の効果がデータとして可視化され、何がうまくいっているのか、どこを改善すべきかが一目でわかるようになるでしょう。
以下は、MAツールで可視化できるものの具体例です。
可視化できるデータ | 具体例 |
---|---|
メール施策の効果 | 開封率、クリック率、購買への影響 |
広告の効果 | リーチ数、コンバージョン率、クリック単価 |
顧客の行動データ | サイト訪問頻度、離脱率、購入頻度 |
可視化されたデータを活用することで、PDCAサイクルを効率的に回し、施策を改善していくことが可能です。
これにより、より高い精度でマーケティング施策を行えるようになるでしょう。
ECサイト向けのMAツールでできること

ECサイト向けのMAツールは以下のようなさまざまな機能を備えており、顧客とのコミュニケーションやデータ活用を効率化することが可能です。
【ECサイト向けMAツールの主な機能】
- 顧客管理
- ランディングページやフォームの作成
- 顧客データの分析
- シナリオ設計
- メール配信
- CRM・SFAツールとの連携
- 広告管理
それぞれの機能について、具体的に見ていきましょう。
顧客管理
MAツールは、顧客情報を一元管理する機能を持っています。これにより、購入履歴やウェブ上での行動データを簡単に把握することが可能です。
例えば、ある顧客がどの商品を頻繁に購入しているか、どのページを長時間閲覧しているかといった情報をもとに、個別にアプローチをすることができます。
具体的には、以下のような施策を実施できるようになるでしょう。
- リピート購入が多い顧客には、次回購入時に使える割引クーポンを送る
- 購入を検討中の顧客には、おすすめ商品のメールを配信する
- サイトを長時間閲覧している顧客に、おすすめ商品やプロモーション情報をメールで配信する
このような施策によって、顧客満足度を向上させながら効率的なマーケティング活動ができるようになります。
ランディングページやフォームの作成
MAツールには、ランディングページ(LP)やフォームを簡単に作成できる機能が備わっている場合もあります。
デザインやレイアウトのテンプレートが用意されているため、専門的な知識がなくても直感的な操作で作成が可能です。
ランディングページ(LP)やフォームの作成機能は、具体的に以下のような施策・シーンで役立つでしょう。
機能 | 具体的な利用シーン |
---|---|
ランディングページ作成 | セール用の特設ページを数分で作成できる |
フォームの作成 | メールアドレス収集用のキャンペーンフォームを作成 |
顧客データの分析
MAツールは、顧客の購買履歴やウェブサイト上の行動データを自動的に収集・分析します。
この機能により、どの顧客が購買意欲が高いのか、どの商品がよく売れているのかといった情報を簡単に把握することが可能です。
収集できるデータの一例として、「サイト訪問回数」「カート離脱率」「返金購入金額」などがあります。
シナリオ設計
シナリオ設計とは、顧客の特定の行動に応じて、自動化されたアクションを設定する機能です。
具体的には、以下のようなアクションを設定できます。
顧客の行動 | 自動化アクション |
---|---|
特定の商品を閲覧 | 関連商品のおすすめメールを送信 |
カートに商品を残したまま放置 | 購入を促すリマインダーメールを送信 |
一定期間購入がない顧客 | 割引クーポン付きの復帰キャンペーンメールを配信 |
MAツール上でこのようなシナリオを設定することで、顧客一人ひとりに最適なタイミングでメッセージを届けられるため、効果的な顧客対応が可能です。
メール配信
MAツールには、以下のようなメール配信機能も備わっています。
機能 | 具体例 |
---|---|
セグメント別メール配信 | 過去に特定商品を購入した顧客に関連商品のおすすめメールを送信 |
配信タイミングの最適化 | 顧客がメールを開きやすい時間帯に自動調整して配信 |
MAツールでは、顧客の特性ごとに最適な内容のメールを自動で配信可能です。
また、顧客がサイトを訪れる時間帯などを分析することで、メールを見てもらいやすい時間帯にメールを送るなど、メールマーケティング自体を最適化することにも役立つでしょう。
CRM・SFAツールとの連携
MAツールは、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援ツール)と連携することで、取得したデータをマーケティング活動と営業活動の両方に活かすことができます。
なお、各ツールが持っている役割と、具体的な機能の違いは、以下のとおりです。
ツール | 役割 | 連携のメリット |
---|---|---|
MA | 見込み顧客の発見と獲得 | – |
CRM | 既存顧客情報の管理、顧客とのやり取りの履歴の一元化 | 顧客のニーズに基づいた、パーソナライズされたマーケティング活動の展開が可能 |
SFA | 商談進捗管理、営業活動の分析・管理 | 営業活動とマーケティング成果を結びつけ、効率的な営業活動の推進ができる |
CRMやSFAとMAツールを連携することで、より多くのデータが蓄積されるため、分析の精度も向上する可能性があります。
最近では、MAツールとCRM、SFAツールを包括したツール・サービスも増えているので、導入前にどのような機能を利用できるか確認しましょう。
広告管理
MAツールの中には、Googleなどでの広告配信を管理できるものもあります。
GoogleやFacebookなどの広告プラットフォームと連携することで、MAツールで蓄積したデータを広告運用でも活かすことができるでしょう。
具体的には、以下のような施策を実行可能です。
活用例 | 詳細 |
---|---|
リターゲティング広告 | 過去に閲覧した商品をもとにしたパーソナライズ広告を配信 |
購入促進広告 | 購入に至らなかった顧客に限定オファー付き広告を表示 |
新規顧客獲得キャンペーン | 広告効果をリアルタイムで測定し、最適化を継続 |
広告運用ツールとMAツールを連携することで、ターゲット層へのリーチを最大化し、効率的な運用を実現できるでしょう。
MAツールの導入前にチェックすべき2つのポイント

MAツールの導入は、効率的なマーケティング活動を実現するための重要なステップです。しかし、導入する前には以下2つのポイントについて確認しておきましょう。
- MAツールに必要なデータを取得できるか
- 導入目的を明確にしておく
ここからは、そのチェックポイントについて詳しく解説していきます。
MAツールに必要なデータを取得できるか
まずは、MAツールに必要なデータを自社のECサイトやシステムから取得できるかを確認しましょう。
MAツールでは、顧客の購入履歴やサイト内での行動データ(ページ閲覧履歴、カート追加、購入完了など)を元にマーケティング活動を行います。
例えば、顧客が過去に購入した商品や、特定のキャンペーンに参加した履歴がわかれば、それに合わせた広告やメールを送信するのが基本です。しかし、これらのデータが取得できない場合、MAツールの効果を最大限に活かすことは難しくなります。
そのため、自社のシステムやデータベースが必要なデータを収集できるか、またはデータ取得の仕組みを整備できるかを確認しておきましょう。
導入目的を明確にしておく
MAツールを導入する目的を事前に明確にしておくことも、非常に重要なポイントです。導入目的がはっきりしていないと、ツール選びや運用方法が曖昧になり、効果が薄れてしまうことがあります。
例えば、「顧客リピート率の向上」を目的とする場合、リピート購入を促すためのキャンペーンやターゲティングを強化できる機能が必要です。
一方「広告運用の効率化」を目的にするのであれば、広告の配信状況や費用対効果をトラッキングできる機能が必要でしょう。
目的が明確であれば、最適なMAツールを選定しやすくなり、その後の運用に関しても無駄を減らすことができます。
目標を明確にすることで、導入後も効果的に運用でき、マーケティング活動全体の効率化にもつながるでしょう。
効果を最大化するためのEC向けMAツールの選び方

MAツールは、ECサイトでの成果を最大化するために非常に有効です。しかし、数多くのMAツールがある中で、どのツールを選べばよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、ECサイトに最適なMAツールを選ぶためのポイントを詳しく解説していきます。
直観的に操作しやすいツールを選ぶ
MAツールを導入する際に最も重要なのは、ツールの操作性です。ツールが使いにくいと、運用がスムーズに進まず、せっかくの投資が無駄になってしまう可能性があります。
特に、初心者やツールを初めて使う従業員がいる場合は、直感的に操作できるものを選ぶのがよいでしょう。
操作画面がわかりやすく、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でキャンペーンの設定やレポート作成ができるツールが理想です。簡単に操作できるツールなら、教育や研修にかかるコストも少なく済むでしょう。
メルマガ機能が充実しているツールを選ぶ
メールマーケティングは、ECサイトの売上アップに大きく寄与する施策の一つです。そのため、MAツールを選ぶ際には、メルマガ(メールマガジン)機能が充実しているかどうかをしっかりチェックしましょう。
例えば、顧客のセグメントごとにパーソナライズされたメールを送れるかどうかや、配信時間を設定できるか、開封率を確認できるかなどは非常に重要です。
また、ABテスト機能があれば、メールの内容やデザインについてPDCAを回すのにも役立つでしょう。
管理できるデータの種類が豊富なツールがおすすめ
マーケティング活動を効果的に行うためには、さまざまなデータを統合的に管理して活用することが不可欠です。
購入履歴や行動データ、問い合わせ履歴など、顧客に関するさまざまなデータを一元的に管理できるツールを選ぶと、マーケティング施策の幅も広がります。
Webコンテンツを作成できるツールだとなおよい
ECサイトでキャンペーンを行う際には、ランディングページやフォームの作成が必須です。
これらを簡単に作成できる機能が備わっているMAツールを選ぶと、キャンペーン施策を迅速に実行できます。
特に、デザインやレイアウトを自由にカスタマイズできるツールだと、ブランドイメージに合わせたコンテンツも作成しやすくなるでしょう。
CRMやSFAとの連携を見据えてツールを選ぶ
MAツールを最大限に活用するためには、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)との連携が欠かせません。
これらのツールとの連携ができるMAツールを選ぶことで、営業活動や顧客対応に活用できるデータの幅が広がり、より効果的なマーケティング施策を展開することができます。
導入前後のサポートが充実しているツールがおすすめ
MAツールを導入したあともスムーズに運用を進めるために、サポート体制が充実しているサービスを選びましょう。
特に、導入初期や運用段階でのトレーニングやサポートが充実しているツールを選ぶのがおすすめです。
例えば、導入時に必要な設定やカスタマイズをサポートしてくれるサービスがあると、初心者でも安心して使い始められるでしょう。
また、定期的な運用サポートやフォローアップがあれば、効果的にツールを運用し続けることができます。
ECサイト向けMAツールの導入にかかる費用
MAツールの導入にかかる主な費用は、以下のとおりです。
項目 | 費用相場 | 項目概要 |
---|---|---|
初期費用 | 200万円〜500万円程度 | システム導入時に1度だけ入金する費用。MAツールの初期カスタマイズなどに関わる |
月額利用料金 | 高価格帯:70万円~100万円 中価格帯:30万円~50万円 低価格帯:10万円前後~ | ライセンス費用。MAツールを利用するための料金 |
導入コンサルティング費用 | 数十万円~ | MAツールを取り入れる仕組み構築や、使い方のアドバイスをしてもらうための費用 |
運用コンサルティング費用 | 月額数万円~ | MAツールを効果的に使うアドバイスをしてもらうための費用 |
特に、月額利用料金は、利用できる機能や扱うデータ量に応じて従量課金制を採用しているサービスも多いので、注意してください。
ECサイト向けのおすすめMAツール3選
ここからは、ECサイト向けのおすすめMAツールを3つ紹介していきます。
Marketing Cloud
Marketing Cloudは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供しているMAツールです。
AIを活用した高度なパーソナライゼーション機能のほか、顧客の一元管理、メールやSNSを活用したキャンペーン配信など、さまざまな機能を備えています。
運営会社 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
料金 | 月額15万円~ *プランによって異なる |
HubSpot
HubSpotは、アメリカのマーケティング会社のHubSpot社が運営するCRMツールです。
CRM機能を中心にさまざまな機能を備えており、MAツールとしても使用することができます。
無料プランが用意されているほか、多くのツールと連携・統合できるので、マーケティングだけでなく、営業活動などにも活用できるでしょう。
運営会社 | HubSpot, Inc. |
料金 | 無料~ *プランによって異なる |
Adobe Experience Cloud
Adobe Experience Cloudは、Photoshopやillustratorでも有名なAdobeが提供するMAツールです。
MAツールとしての基本的な機能のほか、コンテンツに関するMA機能が豊富で、ランディングページのA/Bテスト機能などを搭載しています。
運営会社 | Adobe Inc. |
料金 | 要問合せ |
ECサイトでMAツールを導入する際の注意点

ECサイトでMAツールを導入する際には、いくつかの注意点があります。導入前にしっかりと確認し、準備しておきましょう。
サイトの規模によっては効果が限定的な場合もある
MAツールは機能が豊富ですが、サイトの規模によっては導入効果をあまり感じられないケースがあります。
特に、小規模なECサイトでは、導入コストが高くつく割に十分な効果を得られない確率が高いでしょう。なぜなら、MAツールで分析するそもそものデータ量が少ないからです。
サイト規模が小さいうちは、社内で分析などを行い、毎日数千人・数万人が利用する規模になってから、MAツールを導入するのもよいでしょう。
導入後も定期的な研修やデータ整理が必要
MAツールを効果的に運用するには、担当者のスキルアップとデータの管理・整理が必要です。
せっかくのMAツールも使いこなせなければ、導入費用が無駄になってしまいます。定期的な研修を実施し、操作方法を習得しましょう。
また、データが膨大になる前に整理し、正確な分析ができる状態を保つことも大切です。
まとめ
本記事では、ECサイト向けMAツールの特徴や、導入時の注意点などについて解説しました。
MAツールはマーケティングの効率化と顧客関係の強化に欠かせないツールです。データを活用することで、これまで以上にパーソナライズされた施策が可能になり、顧客のリピートや売上向上が期待できます。
導入には少し手間がかかりますが、自社にあったサービスを選ぶことで効果を最大化できるでしょう。