GTMとは？仕組みや導入するメリット・デメリット、設定手順を解説！
GTMとは、Webサイト運用にかかわるタグを一元管理するためのツールです。導入することで管理が楽になったり、表示速度が速くなったりといったメリットがあります。しかし、GTMの仕組みがよくわからず、導入に踏み切れない場合もあるでしょう。
そこで本記事では、GTMとはどのようなツールなのかを徹底解説します。メリット・デメリットや設定手順まで解説しているので、GTMの導入を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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GTMとは？わかりやすく解説
GTMとは「Google Tag Manager」の略で、Webサイトで利用するツールや広告の「タグ」を管理するためのツールです。
本来、タグはWebサイトの対象ページへHTMLを埋め込む必要がありますが、タグの追加や削除をするには手間がかかってしまいます。とくに多くのページを抱えているサイトでは、更新の度に直接編集するのは業務効率を下げる原因になるでしょう。
HTMLの編集をせず、管理画面から簡単にタグを管理できるようにしたのがGTMです。無料で利用が可能で、Webサイトの規模による利用制限もないため、手軽に導入できます。
GTMの仕組み
GTMは、Google広告やGoogleアナリティクスなど、複数のタグを1つの管理画面で一元管理できる仕組みです。
Webサイトのすべてのページに共通となるコードを埋め込み、コードが動作する条件を「トリガー」として管理画面上で設定します。このトリガーに「コンバージョンした」「ページが表示された」などの条件を設定することで、タグを一元管理できます。
HTML上に設置するタグが増えていくことなく、スムーズにタグの追加・更新が可能です。
GTM（Googleタグマネージャー）とGA（Googleアナリティクス）の違い
GTMとGAはどちらもGoogleが提供しているツールですが、役割に違いがあります。
GTMがWebサイトに埋め込むタグを管理するツールであるのに対し、GAはWebサイトに訪問したユーザーを分析するツールです。GTMではタグを管理するという裏方の役割を担っており、GAによって実際のデータを収集できるようになっています。
それぞれ役割が異なるため、どちらか一方の代用をすることはできません。GTMとGAの両方を導入することで、分析をしやすくします。
Googleアナリティクスの基本や分析方法については、以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
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GTMを導入する5つのメリット
GTMを導入するメリットは、主に以下の5つです。
- タグの管理が楽になる
- 簡単にタグのカスタマイズができる
- Webサイトの表示スピードが速くなる
- バージョンを管理できる
- 公開前にプレビューモードで動作確認ができる
1.タグの管理が楽になる
GTMを利用すれば、HTMLの編集をしなくても、タグの設定や管理ができるようになります。HTMLにタグを設定する手間がなくなるため、どのページにどのタグを設置したのかが管理しやすくなるでしょう。
さらに、HTMLの編集や担当者への依頼を行っていた分の作業時間をカットでき、効率的なWebサイト運営にもつながります。GTMは、タイムパフォーマンスやコストパフォーマンスを改善するうえでも役立つツールです。
2.簡単にタグのカスタマイズができる
HTMLにタグを設置している場合、細かい計測をするには難易度の高いタグのカスタマイズが必要です。HTMLの知識が必要であり、気軽にカスタマイズしにくいでしょう。
GTMであれば、管理画面から比較的簡単にカスタマイズ設定ができます。たとえば「60秒以上滞在しているユーザーの数を計測する」「特定の条件をクリアしたユーザーにリンクを送る」といった場合にも対応しやすく、Webサイトの改善ヒントにもつながります。
細かい分析をすることでWebサイトの改善を目指す場合には、GTMを導入したほうが、より効率的な運用ができるでしょう。
3.Webサイトの表示スピードが速くなる
GTMを導入することで、Webサイトの表示スピードが速くなる可能性が高まります。GTMでは設置したすべてのタグを同時に読み込む「非同期処理」という読み込み方法を採用しているためです。
HTMLを直接埋め込む場合には、タグを1つずつ読み込む「同期処理」が採用されており、サイトの表示が遅くなる傾向があります。
タグの設置数が多ければ多いほど影響が出るため、とくに複数のツールを利用する場合にはGTMの導入がメリットになるでしょう。
4.バージョンを管理できる
バージョンとは、いつどのような変更が行われたかの記録のことです。GTMでは、最新バージョンで不具合が起きたときに、不具合が起きる前のバージョンにすぐ戻せるのがメリットです。
また、1つ前の変更だけでなく「◯月◯日時点の設定」のように分けられて保存されているため、過去に遡ったバージョンの変更もできます。
「動作がおかしい」「誤った情報が表示されている」といったトラブルが起きた際に、すぐに戻せるのはWebサイトを運営するうえで大きなメリットになるでしょう。
5.公開前にプレビューモードで動作確認ができる
GTMにはプレビューモードが備わっているため、実際に公開する前にタグの動作確認ができます。プレビュー画面で事前に確認できるため、設定ミスの削減につながるでしょう。
とくに、アクセス数の多いWebサイトでは、ミスが大きな影響を及ぼすことがあります。たとえば、更新時に掲載している商品の金額を間違えてしまった場合、多くの読者を混乱させてしまい、クレームにつながることもあるでしょう。
プレビューモードで動作確認をし、いつでも正しい状態のサイトを公開できる体制を整えられるのはメリットになります。
GTMを導入する3つのデメリット
GTMの導入には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。以下3つのデメリットも把握したうえで、導入を検討しましょう。
- タグの書き換えコストがかかる
- GTMの知識を身につける必要がある
- 対応していないタグもある
1.タグの書き換えコストがかかる
すでに大量のページにタグを設置している場合は、すべてのタグを書き換える作業コストがかかります。直接埋め込んでいるタグとGTMタグ両方を使用していると、二重計測になって正しくデータを収集できないため、元のタグの削除対応も必要です。
ただし、タグの書き換えは最初に行ってしまえば、あとの更新作業は楽になります。長い目でみたときにはメリットのほうが大きいでしょう。もしこれから構築するWebサイトがあるなら、最初からGTMを導入しておくのがおすすめです。
2.GTMの知識を身につける必要がある
GTMを利用するには、専門用語を理解している必要があります。タグの設定やカスタマイズができないため、GTMの用語の意味や使い方を理解し、操作できるようにしておきましょう。
とくに広告運用を始めたばかりの場合や、Googleアナリティクスも同時に使用し始める場合は、キャッチアップするべき知識が増えます。導入する際には学習にかかる時間も考慮しておくと、スケジュール通りに導入しやすくなるでしょう。
クロスリスティングでは、さまざまなマーケティング支援を行っています。無料相談も承っているので、データ分析の効率化にお悩みの方はお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
3.対応していないタグもある
GTMは、以下のようなタグには対応していません。
- SNSのシェアボタンを生成するJavaScriptのようなページ構造にかかわるタグ
- GoogleアナリティクスのWebテスト機能のような同期処理が必要なタグ
これらのタグは直接HTMLにソースを記述する必要があります。対象Webサイトで使用する予定であれば、GTMに対応していないため注意しましょう。
株式会社クロスリスティングでは、NTTグループの一員として、お客様のデジタルマーケティング戦略や運用をトータルで伴走・支援いたします。GTMやGA4の設定にお困りの際はお気軽にご相談ください。
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GA4の初期設定については、以下の資料で解説しています。これからGoogleアナリティクスを導入する場合は、ぜひあわせてご確認ください。
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簡単3ステップ！GTMの設定方法
GTMを導入するには、以下3つのステップで設定が完了します。
- Googleアカウントを用意してGTMの公式サイトを開く
- アカウントとコンテナを作成する
- GTMのコードをWebサイトに設定する
1.Googleアカウントを用意してGTMの公式サイトを開く
GTMを使用するには、Googleアカウントが必要です。Googleアカウントを持っていなければまずGoogleアカウントを作成し、用意ができたらGTMにアクセスする流れです。
もしすでにGAを利用している場合は、同じGoogleアカウントでGTMにアクセスすると、管理が楽になります。
2.アカウントとコンテナを作成する
GTMにアクセスしたら「アカウントを作成」というボタンをクリックします。
アカウントとは、GTMを利用するためのグループのことです。どのWebサイト用のGTMなのかがわかるよう、企業名やブランド名などでアカウント名を設定しましょう。
一方コンテナとは、1つのWebサイトを管理するグループのことです。コンテナでは1つのWebサイトを設定し、紐づけをします。もし同じアカウント内に別のWebサイトを追加したい場合は「コンテナを作成」で、コンテナを追加していきます。
コンテナ名は、TOPページから「https://」を抜いたURLを設定しましょう。
3.GTMのコードをWebサイトに設定する
アカウントの作成が完了すると、以下のように2つのコードが画面に表示されます。この2つのコードを、計測したいサイトの全ページのHTMLに記載すれば、GTMの導入は完了です。
WordPressから編集を行う場合は、管理画面のサイドバーから「外観」→「テーマエディター」→「header.php」と進み、GTMのコードを貼りつけましょう。ソースを直接修正するのが不安な場合は「Google Tag Manager for WordPress」のようなプラグインを使用することでも、GTMコードを設定できます。
簡単4ステップ！GA4タグの設置方法
データ分析をするうえで、GTMとGAを連携するケースは多いでしょう。ここでは、GTMとGA4（Googleアナリティクス4）を連携する場合の設定方法を紹介します。手順は以下の4ステップです。
- GA4タグを設置するコンテナを開く
- GA4の計測タグを設置する
- トリガーを設定してタグを公開する
- 問題なく計測できているか確認する
1.GA4タグを設置するコンテナを開く
GTM導入にあたって作成したコンテナにアクセスし「新しいタグ」をクリックします。
2.GA4の計測タグを設置する
タグの設定画面にアクセスしたら「新規」をクリックし、タグを設置していきます。タグには、何を計測するタグなのかがわかりやすいように名前をつけます。どのタグを設置するのか選択する画面が出てきたら「Googleアナリティクス」→「Googleタグ」を選びましょう。
測定IDを入力する欄が出てくるので、GA4の計測タグを入力します。
GA4の管理画面にアクセスして「管理」から「データストリーム」のページに進むと「G」ではじまる測定IDを確認できます。
3.トリガーを設定してタグを公開する
「トリガーを選択してこのタグを配信」をクリックして「All Pages」を選択しましょう。「保存」をクリックし、その後「公開」をクリックすれば、Webサイトにタグが反映されます。
4.問題なく計測できているか確認する
タグを公開してもきちんと計測できていなければ意味がないため、公開後に必ず確認をしましょう。GA4であれば、Googleアナリティクスの画面で確認が可能です。
まずは、シークレットモードで計測している対象Webサイトにアクセスします。次にGoogleアナリティクスを開き、リアルタイムでのアクセス数が表示されている項目（「レポート」→「リアルタイムの概要」）を確認します。ここで「1」と表示されていれば、問題なく計測できているでしょう。
Googleアナリティクスでは、さまざまなコンテンツ分析が可能です。Googleアナリティクスを使用している場合は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。
GTMはタグを管理する便利なツール！広告運用や計測に役立てよう
GTMを導入することでタグを一括管理できるようになり、追加・更新の際にHTMLを直接編集する必要がなくなります。サイトの表示スピードが上がったり、バージョン管理によってすぐに以前のバージョンに戻せたりといったメリットもあります。
最初にタグを書き換える際の作業コストはかかりますが、今後のWebサイト運営で効率的に分析・改善を行っていくのであれば、GTMは導入しておいたほうがいいでしょう。
今回ご紹介したGTMの設定方法も参考にしながら導入し、広告運用や計測に役立ててみてください。
弊社では、データ分析にかかわる支援事業を行っています。GTM以外にも課題を抱えている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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