Cookieの代替手段には何がある?「Topics」とは何か
Cookieの利用制限が厳しくなる中、サードパーティCookieの代替手段として、ゼロパーティデータやファーストパーティデータの活用が必須となりつつあります。
しかし、これらはCookieの代替手段というよりは、今までも存在していた情報をより有効に活用していく話に近いものです。
そうではなく、Cookieの代替になり得る手段としてGoogleが提唱しているのがTopicsです。
ここでは、一般的にサードパーティCookieの代替手段とされていることとGoogleが提唱しているTopicsについて解説します。
サードパーティCookieの代替手段とは
ユーザーの行動を追跡し、Webサイトを横断して情報を収集するサードパーティCookieは、マーケティングに欠かせない情報源でした。Cookieの利用制限によりサードパーティCookieを利用してのマーケティング活動が不自由になってきています。
一般的にはサードパーティCookieの代替手段として「ゼロパーティデータ」「ファーストパーティデータ」「コンテクスチュアル広告」「共通IDソリューション」などが上がっており、これらを利用したマーケティング活動が検討されています。
- ゼロパーティデータ:ユーザーが企業に積極的に提供したデータ
- ファーストパーティデータ:自社が収集したユーザーデータ
- コンテクスチュアル広告:AIによる自動文脈判別により関連性の高い広告を配信可能
- 共通IDソリューション:サイトやデバイスをまたいだトラッキングが可能
これ以外には、GoogleがサードパーティCookieの代替手段として提唱している独自の技術「Topics」があります。「Topics」は米国時間2022年1月25日にGoogleにより発表されたものです。「Topics」以前は「FLoC」がサードパーティCookieの代替手段として試験的に運用されていました。
Cookieについては、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。
Cookieの代替としてGoogleが提案するTopicsとは
Googleが提唱する「Topics」とは、ユーザーのWebサイト閲覧履歴を参考にユーザーが興味・関心を持つトピックを推測するアルゴリズムのことです。
Topics以前に提唱されていたサードパーティCookieの代替手段「FLoC(Federated Learning of Cohorts)」へのフィードバックなどを統合し、2022年1月25日に新たに発表されました。
Topics以前に提唱されていたFLoCは、サードパーティCookieのようにWebサイトを横断してユーザー情報を収集可能なものでした。しかし、ユーザーの特定につながる可能性を指摘されるなどしており、問題点もあったのです。
Topics APIでユーザー分類に使われるTopicsとは
Topicsアルゴリズムでユーザー分類に使われるトピックとは、ユーザーが訪問したWebサイトを分類するラベルのようなものです。
例えば、プロスポーツチームのオフィシャルページなら「スポーツ」、大手ショッピングサイトなら「ショッピング」のようにトピックに分類されます。
トピックの種類は、発表当初は350に限定されていますが、徐々に増える予定です。また、プライバシーに関わるトピックは除外されます。
Topicsはどのように動作するものなのか
Topicsでは、まずブラウザがWebサイトをトピックに分類します。例えば、ショッピング系のWebサイトなら「ショッピング」というトピックが付けられるのです。
そして、ユーザーがアクセスしたWebサイトで最も頻出するトピックを収集し、ユーザーが訪問したWebサイトと共有します。
このことによって、広告主はユーザーの個人情報を知ることなく、どんなことに興味・関心のあるユーザーが自社サイトに訪問しているのかの情報を得ることができます。
簡単な流れはこのようになります。
- 前提としてユーザーの使用ブラウザとWebサイトがTopicsに対応している
- ブラウザがユーザの閲覧履歴からWebサイトをトピックに分類
- ユーザーが閲覧したWebサイトの中で頻出するトピックを収集
- Webサイト側に頻出しているトピック名を提供
Topicsが返答するのはあくまでも頻出するトピック情報のみです。
ユーザー個人に関する情報は返答しないため、ユーザーは個人の趣味・嗜好や閲覧履歴が明らかになることはありません。
ちなみに、Topics以前のFLoCでは、FLoCがユーザーをWeb閲覧傾向により分析し、予め指定していたグループにわけるというものでした。
Topicsはユーザーがブラウザの設定で制御できる
Topicsは、ブラウザがWebサイトをラベリングし、ユーザーの訪問履歴に最も頻出するトピックを訪問先のWebサイトへ通知します。
しかし、ユーザーの中にはそういったトピックでさえ通知されたくない人も多いでしょう。Topicsは、ブラウザの設定から見つけることができ、通知されたくない特定のトピックをブロックすることが可能です。また、トピックの利用自体をやめることもできます。
Topicsを利用しているWebサイトへ提供する情報を、ユーザー自身が選べる余地があるということです。
Topicsはプライベートな分類は実施しない
Topicsは、ユーザーのプライベートなトピックを弾く仕様になっています。例えば、人種や性別、宗教や病歴などはトピックの分類の対象外です。
この点は、プライベートな話題を扱うWebサイトを対象外としたFLoCと同様です。
Topicsに関連して広告出稿主が覚えておきたいこと
Topicsの利用ができるのは、Topicsを利用しているWebサイトかTopicsのAPIを使用可能な組み込みサービスが入っているWebサイトのみです。
もし、自社サイトをトピックに分類されたくない場合は、Topicsを利用しなければ分類を防ぐことができます。
トピックはブラウザが分類するため、自社サイトに割り当てられるトピックのコントロールについては今後の課題になるとのことです。
また、ユーザーがどういったトピックに分類されるWebサイトに訪問しているのかの計算は、ブラウザ内部で実施されます。サーバーなどに送信される可能性があるのは、最も頻繁に出現するトピックが判明した後です。
Cookieの代替手段を模索しながら頼らないマーケティングの実施を
Topicsなど、サードパーティCookieの代替手段は出現してきてはいるものの、まだ試験段階です。今後どの程度広まるのかは未知数になっています。
まずは、自社にあるゼロパーティデータやファーストパーティデータの有効活用を検討しましょう。サードパーティCookieの代替手段が広まったとき、Cookieに頼らないマーケティング活動と並行できれば、より強固な販促活動が実施できるでしょう。
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Cookie規制については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。