マーケティングオートメーション(MA)とは?基本機能やツール選定のポイント、導入方法まで詳しく解説
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動の自動化と効率化を実現するツールです。見込み顧客の創出から育成、ホットリードの抽出に至るまで、マーケティングの各プロセスを支援してくれます。近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環としても注目され、普及しています。
この記事では、MAの概要や導入するメリット、基本機能、ツール選定時に知っておきたいポイント、そして効果的な導入方法について詳しく解説します。
- MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動の自動化と効率化を支援するツールであり、デジタルマーケティング全盛の現代において欠かせない存在
- MAは、メールキャンペーンの自動送信、SNS投稿のスケジューリング、顧客データの追跡などを自動化する
- これにより、マーケティングチームは日々の繰り返しタスクから解放され、より戦略的な作業に集中できる
- 導入前の必要な準備として、明確な目標設定、現在のマーケティングプロセスの評価、顧客データの整理、関連部門との連携、必要なスキルとリソースの確保などが挙げられる
- MAツール選定のポイントとして、ツールの特徴、導入費用、サポート体制の評価が重要
- 導入・運用時の注意点として、適切なツール選定、データ管理、継続的なトレーニングと教育が成功のカギとされる
マーケティングオートメーション導入のポイントとおすすめツール紹介
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- マーケティングオートメーション(MA)とは?
- マーケティングオートメーション(MA)が必要とされる理由・背景とは?導入しないことのデメリット
- マーケティングオートメーション(MA)を導入するメリット
- マーケティングオートメーション(MA)に備わっている主要機能
- マーケティングオートメーション(MA)ツール選定のポイント
- マーケティングオートメーション(MA)を導入する前に必要な準備
- マーケティングオートメーション(MA)の導入手順
- マーケティングオートメーション(MA)導入後の流れ
- マーケティングオートメーション(MA)導入・活用でよくある失敗例
- マーケティングオートメーション(MA)に関するQ&A
- MA関連のお役立ち資料をダウンロード
マーケティングオートメーション(MA)とは?
MAとは、マーケティングオートメーション(Marketing Automation)の略で、マーケティング活動の自動化や効率化を支援するツールのことです。
より詳しく言うと、MAはデマンドジェネレーションと呼ばれるプロセスを効率化するためのツールです。
デマンドジェネレーションとは、顧客の興味や需要を創出し、それを商機につなげる活動を指す言葉で、そのプロセスは以下の3つに分けられます。
- リードジェネレーション(創出):潜在顧客を見つけリードを増やす活動。これにはSNSや広告、オウンドメディアでの情報発信、展示会やイベントの開催などが含まれます。
- リードナーチャリング(育成):関心を示した潜在顧客に対して、定期的に情報を提供し関係を深める活動。メールマーケティングや電話などによる個別のフォローアップがここに該当します。
- リードクオリフィケーション(選定):潜在顧客の中から、実際に商品・サービスを購入する可能性(確度)の高いリードを見極め、選別する活動。リードスコアリングやセグメンテーションの手法が用いられます。
MAを活用する目的は、上記のデマンドジェネレーションのプロセスを効率化し、質の高いリード(ホットリード)を営業部門に引き渡すことです。営業活動の効率化や商談数の増加、コンバージョン数や受注率の向上などが期待でき、また、顧客体験の向上やマーケティング活動のROI(投資収益率)の向上にも寄与します。
現代のデジタルマーケティング全盛時代において、欠かせない存在だと言えます。
MAとSFAの違い
MAは、主にマーケティング活動の自動化と効率化を目的としています。
一方、SFA(営業支援ツール)は営業プロセスの管理と効率化を目的としたツールです。
SFAは営業活動の記録、リードおよび商談の管理、売上予測、タスク管理、パイプライン管理、営業レポート、顧客とのコミュニケーション履歴表示といったあらゆる機能を持ち、営業担当者が効果的にリードを追跡し、商談を進めるための支援を行います。
MAとCRMの違い
MAとCRM(顧客関係管理)は重なる部分もありますが、MAがリードの自動化および育成、そしてマーケティング活動の効率化に焦点を当てているのに対して、CRMは主に大量の顧客データ管理と分析に焦点を当てている点が大きな違いです。
CRMは顧客の全体像を把握し、顧客との長期的な関係を構築・維持することを目指し設計されています。顧客に対する全社的なアプローチを一元管理する手法やツール、と理解すると良いでしょう。MAとCRMを連携させることで、より包括的な顧客管理が可能になります。
マーケティングオートメーション(MA)が必要とされる理由・背景とは?導入しないことのデメリット
先ほどご説明したデマンドジェネレーションのプロセス自体は、MAがなくても実行可能です。特に、規模が小さいビジネスや個人レベルのビジネスの場合、顧客基盤が限られているため、手動でのマーケティング活動でも不都合はないでしょう。メール配信ツールで代替できることも多いです。
しかし、ある程度の規模の顧客基盤を持つビジネスなら、MAを使うことをおすすめします。
MAがない場合、マーケティング活動の効率性やデータ蓄積・活用、顧客関係の構築と維持、そして最終的な収益など、多くの面で不利益や損失を被るリスクがあるからです。
マーケティング活動の効率低下
MAがなければ、従来のマーケティング関連の多くのタスクが手動で行われることになります。これは非効率で時間も手間もかかり、特に大規模なキャンペーンや複数のチャネルを使用する会社の場合、作業の負担が大きくなります。
コミュニケーションの不一致
手動でのマーケティング活動ではコンテンツ管理が煩雑になり、異なるチャネルやキャンペーン間でのコミュニケーションの内容の一貫性を維持するのが難しいです。ブランドメッセージの混乱や顧客体験の低下が生じる可能性があります。
リード管理の不備
顧客データの管理とリードの追跡が手動で行われると、データの不整合や見落としのリスクが高まります。とりわけ、リードの管理に不備があると、営業部門に引き渡されるリードの質が低下し(購入検討に進む見込みがないリードばかり、等)、商談数や受注率に影響する可能性があります。
データ分析や効果測定の限界
手動でのデータ収集と分析は時間がかかるだけでなく、エラーの発生や分析の限界という問題もあります。MAが使えなければ、市場の動向や顧客の嗜好を正確に把握するのが困難になります。データの可視化ができないので、どのマーケティング戦略が効果的だったかの判断も難しくなるでしょう。PDCAも回せません。
スケールアップの困難
事業が成長するにつれ、手動でのマーケティング活動では、スケールアップが難しくなります。MAの活用を始めなければ、市場の拡大や新たな顧客層へのアプローチに制限が生じます。顧客ニーズや市場動向の変化にも追従しづらくなるでしょう。
以上の理由から、現代のデジタルマーケティング戦略ではMAが求められているのです。
なお、株式会社矢野経済研究所の調査結果によると、DMP/MA市場の市場規模は、2026年には865億5,000万円にもなると予測されています。
引用:DMP/MA市場に関する調査を実施(2021年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
今後も多くの企業が導入を進めるはずです。遅れを取らないためにも、今の段階から導入準備を進めることをおすすめします。
マーケティングオートメーション(MA)を導入するメリット
MA導入のメリットは多岐にわたります。上手く運用すれば、以下のようなメリットが生まれます。
マーケティング活動の効率向上
MAは、メールキャンペーンの自動送信、SNS投稿のスケジューリング、顧客データの追跡など、繰り返し行われるオンラインのマーケティング活動をほぼ自動化します。
これにより、マーケティングチームは日々存在する繰り返しタスクから解放され、新しいキャンペーンの企画、市場分析、戦略的な意思決定など、より高度な作業に集中しやすくなります。
定型作業の効率化は、全体的な生産性の向上に直結し、より効果的なマーケティング活動を実現します。
データ駆動型の意思決定の促進
MAは、一人ひとりの顧客の行動、反応、嗜好に関する豊富なデータを取得・分析します。このデータを閲覧・活用することで、マーケティング戦略をより精密に調整し、ターゲットオーディエンスに合わせたカスタマイズされたキャンペーンを展開できます。
このようなデータ駆動型のアプローチにより、対象顧客に適切なタイミングでアプローチすることが可能になり、マーケティングの効果が向上します。
リード管理の最適化
MAはリードの自動分類と育成が可能です。リードの行動や反応に基づいたスコアリングにより、営業チームには質の高いリードが提供され、成約可能性の高い顧客への営業活動を強化できます。結果として、営業効率が向上し、収益増加に貢献します。
パーソナライズされた顧客体験の提供
MAを利用すると、顧客の過去の購買履歴や購買行動パターン、状況に基づいて、個々の顧客に合わせたパーソナライズされたコンテンツやオファーを表示して提供することが可能になります。いわゆるOne to Oneマーケティングの実現です。
これにより顧客満足度が向上し、長期的な顧客ロイヤリティが構築されます。パーソナライズされた体験は顧客のエンゲージメントを高め、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得に繋がります。LTV(顧客生涯価値)向上にも繋がるでしょう。
コスト削減
MAによるマーケティングプロセスの自動化と効率化は、人的リソースの削減にも繋がります。日々の繰り返し作業に費やされていた時間と労力が減少し、マーケティングチームはより価値の高い活動に注力できます。
また、効率的なリード管理とターゲティングにより、マーケティングのROIが向上し、長期的にはマーケティングに関連するコスト全体を削減することが可能です。
マーケティングオートメーション(MA)に備わっている主要機能
メールマーケティングの自動化
顧客リストに基づいたメールキャンペーンの自動配信、セグメンテーション、パーソナライズされたメールの作成と送信。
リードジェネレーション
フォーム生成機能やランディングページ作成機能を通じてリードを集め、データベースに自動的に保存。
リードナーチャリング
リードの行動に応じた自動化されたフォローアップや、育成キャンペーンの案内を実施。
リードスコアリング
リードの行動やデータに基づいてスコアを割り当て、購入意欲の高いリードを特定。
ソーシャルメディア管理
ソーシャルメディア投稿のスケジューリング、監視、分析。
CRM(顧客関係管理)との統合
CRMとの統合による顧客情報の一元管理と、マーケティング活動との連携。
キャンペーン管理
マーケティングキャンペーンの計画、実行、追跡、分析。
データ分析とレポーティング
キャンペーンの成果や顧客行動の分析、カスタマイズ可能なレポートの生成。
マーケティング資産管理
コンテンツ、Webページのテンプレート、画像などのマーケティング資産の一元管理。
セグメンテーションとターゲティング
顧客データベースを基にした詳細なセグメント作成と、属性(ターゲットグループ)への特定のマーケティング活動の実施。
A/Bテスト
マーケティングキャンペーンの異なるバリエーション(例えばメールの件名、ランディングページのデザインなど)をテストし、パフォーマンスを比較。
各種ツールとの連携
ウェブ解析ツール、広告プラットフォーム、CMSなど、さまざまな第三者アプリケーションやサービスとの連携機能。
シナリオ設計
特定の条件(メールの開封、特定ページの訪問、購入など)やタイミングに基づいて自動的にマーケティング活動を展開するための一連のフローやプロセス。
その他
MAツールによっては、SEOキーワードの順位変動計測や、Facebook、X(旧Twitter)との連携による集客強化機能などがある。
マーケティングオートメーション(MA)ツール選定のポイント
ここまで見てきたとおり、MAは、様々なマーケティングのタスクを自動化して作業効率を上げるのが特徴のソリューションです。マーケティング活動に必要な機能を備えたMAを導入することで、自社のマーケティングの業務効率化が進み、生産性は大きく向上します。
以下では、MAの導入や乗り換えの際に、ツール選びで検討すべき3つのポイントをご紹介します。
1. ツールの特徴
最初に、自社のマーケティング業務において生じている課題や、現在使っているツールに不足している機能はないか考えてみましょう。課題や必要な機能を基に、どのようなMAが最適か検討していきます。
MAには様々な種類があり、搭載されている機能によってBtoB向けなのか、BtoC向けなのかが変わってきます。さらに、UIもツールごとに異なるため、まずは検討中の製品の機能や強みを把握したうえで、自社に適したMAを選ぶことが重要です。
2. 導入費用(初期費用・月額費用)
MAの導入と保守・運用に費用がいくら請求されるのかも、非常に重要なポイントです。
初期費用無料で導入できるツールもあれば、10万円以上かかるものもあります。また、月額費用も各種ツールで設定されているプランやコースによって異なります。
MAの導入によってどの程度のコストカットが期待でき、どれほどの利益が見込めるのかという、長期的な目線で予算を決定するのがおすすめです。
3. サポート体制
MAの導入や保守・運用をきちんとサポートしてもらえるか、ツールの使い方を学べるセミナーやツール導入相談会などが用意されているかなど、ツールの提供元のサポート体制が充実しているかも比較して探してみましょう。
特に、ツール使用時にトラブルが発生したときや、機能の拡張を行いたいときに、対応できるエンジニアが社内にいない場合は、提供元から手厚いサポートを受けられるMAを選ぶことをおすすめします。
マーケティングオートメーション(MA)を導入する前に必要な準備
MAは企業のマーケティング活動を効率化できますが、その成功は事前の準備に大きく依存します。
適切な目標の設定、現在のマーケティングプロセスの評価、顧客データの整理、関連部門との連携、必要なスキルとリソースの確保、そして最適なツールの選定は、MA導入の成否を左右する重要な要素です。
以下でそれぞれ、詳しく見ていきましょう。
1. 目標と戦略の明確化
MAを導入する際には、具体的なビジネス目標を設定し、それに基づいた戦略を策定することが大切です。
例えば、リードジェネレーションの目標を設定する場合、どれだけのリードを生成したいか、どのターゲット市場に焦点を当てるか、どのようなコンテンツやキャンペーンが必要かなどを考慮します。
売上の増加を目指す場合には、どの製品やサービスのプロモーションに重点を置くか、どのように顧客の購買プロセスを加速させるかなど、具体的な戦略を定めます。
2. 現在のマーケティングプロセスの評価
既存のマーケティング活動を詳細に分析し、どのプロセスに効率化の余地があるか、どのタスクが自動化によって改善されるかを評価します。
例えば、手動で行っているメールマーケティングや顧客のフォローアップがMAによってどのように改善されるかを検討します。
また、顧客データの収集や分析プロセスが現在どのように行われているか、そしてMAによってどのように最適化できるかも考慮します。
3. 顧客データの整理と分析
既存の顧客データベースを精査し、必要なデータが完全かつ正確に収集されているかを確認します。
顧客の連絡先情報や購買履歴などのデータなどが適切に整理されているかを検討します。不足している情報がある場合は、追加のデータ収集方法や戦略を計画し、データの有効性・完全性を高めるための手段を検討します。
4. 関連部門との連携
MAの導入はマーケティング部門だけでなく、営業、カスタマーサービス、IT部門など他の部門にも影響を与えます。各部門の代表者と連携し、MAの導入が全社的な取り組みになるようにしましょう。そのためには、目標の共有、プロセスの整合性の確保、および必要なリソースとサポートの提供が重要です。
5. 必要なスキルとリソースの確保
MAを効果的に運用するには、特定の技術的なスキルやマーケティングの知識が一定程度必要です。既存のチームメンバーがこれらのスキルを持っているかを評価し、必要に応じてトレーニングプログラムを提供するか、新たなスキルを持つ人材を雇用します。
6. 適切なツールの選定
自社のニーズと目標に最も適合するツールを選択しましょう。機能、価格、ユーザビリティ、サポート体制、他のシステムとの互換性などを詳細に比較検討することが重要です。競合他社の導入事例も参考にしましょう。
なお、市場で実績のある人気のMAツールを以下の記事にまとめています。よければぜひご覧ください。
7. 試験的な小規模プロジェクトの実施
実際にMAを導入する前に、期間を区切り、小規模なプロジェクトやキャンペーンでツールを試用します。これにより、ツールの機能性や運用上の問題点を事前に特定し、適切な対応策を講じることが可能になります。
また、初期段階で得られた学びを活用して、全面的な導入をスムーズに進めることができます。
マーケティングオートメーション(MA)の導入手順
小規模プロジェクトの実施で良い感触が得られ、全面的な導入が決まった場合、どのような手順で導入を進めればいいのでしょうか?大まかなステップをご紹介します。実施時は、専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。
1. 詳細な導入計画の策定
MAの全面的な導入には、総合的な計画が必要です。ツールに期待する具体的な機能(メールマーケティング、リード管理、ソーシャルメディア統合など)を定義し、それぞれの機能がどのようにビジネス目標に貢献するかを明確にします。
また、目標達成のために必要なKPIを設定し、これらのKPIを達成するために必要なリソース(人材、予算、時間など)を特定してください。
加えて、導入のタイムラインを設定し、各フェーズの期限やマイルストーンを明確にすれば、プロジェクトの進行をスムーズに管理できます。
2. チーム編成と役割の割り当て
MAの導入と運用には、異なる専門知識を持つ人材が必要です。
具体的には、プロジェクトマネージャー(全体の進行管理を担当)、データアナリスト(データの分析とレポート作成を担当)、コンテンツ作成者(メールマガジンやランディングページ、ホワイトペーパーなどのコンテンツ作成を担当)、ITサポート(技術的なサポートとシステムの問題解決を担当)などです。
各メンバーに具体的な責任と期待される成果を明確に割り当てることで、MAを効果的に運用するためのチームワークを促進できます。
3. トレーニングと教育
MAを効率的に使用するためには、適切なトレーニングが不可欠です。ツールの基本操作、データ分析方法、キャンペーン管理技術など、ツールの機能を最大限に活用するためのトレーニングをチームメンバーに提供しましょう。
必要に応じて、ツール提供ベンダーのサポートを受けたり、MAの専門知識を持つプロにレクチャーを依頼したりするのもいいでしょう。
4. データの移行と整理
既存の顧客データベースからMAへのデータの移行は、慎重な計画と実行が必要です。データの移行には、データのエクスポート、整合性チェック、フォーマット調整、そして新システムへのインポートが含まれます。
データクレンジング(重複の削除、不正確なデータの修正など)を行い、データの正確性と効率的な利用を確保しましょう。
マーケティングオートメーション(MA)導入後の流れ
MAツール導入後の大まかな流れをご紹介します。
1. 利用開始
通常、オンプレミス型のMAを選んだ場合、まずは自社のサーバーにツールをインストールします。この場合、適切なハードウェアの準備とソフトウェアの設定が必要です。
一方、クラウド型の製品を選んだ場合は、アカウントを発行し、インターネットを通じてツールにアクセスします。クラウド型の場合、迅速かつ簡単に導入できる利点があり、インストール作業は不要です。
2. 運用開始の初期設定
MAを実際に運用するためには、いくつかの初期設定が必要です。
例えば、Webサイト訪問者の行動を追跡するトラッキングコードの設置、メールキャンペーンのための配信設定、既存のCRMや他のマーケティングツールとの連携設定が含まれます。
また、初めてのセットアップでは、多くの場合、ベンダーからの専門的なサポートやトレーニングを受けながら進めることが一般的です。
3. 顧客データの登録
MAを最大限に活用するためには、既存の顧客データベースをツールに登録する必要があります。これには、顧客の基本情報、過去の購入履歴などが含まれます。データが事前に適切に収集され、整理されている状態なら、このプロセスはスムーズに進行します。
4. MA運用の個別設定
MAの導入後、特定の機能に対して細かい設定を行います。
例えば、顧客セグメントの設定、シナリオ(自動化されたマーケティングアクションの流れ)の作成、リードスコアリングの基準設定などが含まれます。
これらの設定は、企業の具体的なマーケティング戦略や目標に基づいて行われ、MAの運用を最適化します。
5. データの品質管理
MA導入後も、顧客データの品質を維持し、必要に応じて更新することが重要です。不正確または古いデータはマーケティングキャンペーンの効果を低下させる可能性があるため、定期的なデータレビューとクレンジングが必要です。
6. キャンペーンの評価と改善
実際にキャンペーンを実施した後は、その成果を評価し、必要に応じて戦略を調整します。キャンペーンのパフォーマンスを分析し、次回のキャンペーンに活かすためのノウハウ、学びを得ることが重要です。
マーケティングオートメーション(MA)導入・活用でよくある失敗例
最後に注意点として、MA導入・活用でよくある失敗例と、それに対する対策をご紹介します。
過度な自動化への期待
- 失敗例:「MAの導入でマーケティングが完全に自動化される」という誤った期待を持ち、本質的なマーケティングではなくツールの操作や設定に注力してしまう。
- 対策:MAによる自動化は、繰り返し行うタスクやプロセスに焦点を当てるべきで、マーケティング戦略策定やコンテンツ制作は人の介入が必要だと心得る。
明確な戦略の欠如
- 失敗例:初めてMAを導入したものの、明確なマーケティング戦略や目標が設定されていないため、ツールの機能を活用しきれない。使いこなせず終わる。
- 対策:導入前に具体的なマーケティング目標を設定し、それに基づいた戦略を策定する。MAの機能を戦略的に活用する計画を立てる。
不適切なツールの選定
- 失敗例:企業のニーズやリソースに合わないツールを選んでしまい、十分な成果を上げられない。
- 対策:企業の規模、ニーズ、予算に合ったツールを慎重に選定する。デモやトライアルを利用して機能を評価し、適切なサポートが提供されるかも確認する。
データ管理の問題
- 失敗例:不完全または不正確な顧客データに基づいてキャンペーンを実施し、効果が低下する。
- 対策:データのクオリティを定期的にチェックし、必要に応じてクレンジングやアップデートを行う。データ収集と管理のプロセスを確立する。
トレーニングと教育の不足
- 失敗例:スタッフがMAの仕組みや使用方法を十分に理解しておらず、機能を活用しきれない。
- 対策:MAの導入時および継続的に、スタッフに対して適切なトレーニングとサポートを提供する。
当社では、ツール選定・導入から施策の策定・運用までの、MA活用をトータルでサポートいたします。
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マーケティングオートメーション(MA)に関するQ&A
Q:MAとは何ですか?
A:MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動を自動化し効率化するためのツールやソフトウェアの総称です。メールキャンペーンの自動送信、リードの管理、顧客データの分析など多岐にわたる機能を提供します。
Q:MAの主なメリットは何ですか?
A:MAの利点には、マーケティングプロセスの効率化、リードジェネレーションとナーチャリングの最適化、ターゲット顧客へのパーソナライズされたコミュニケーションの提供、データ分析に基づく戦略的な意思決定が含まれます。
Q:有名なMAツールにはどんなものがありますか?
A:セールスフォースが提供する「Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)」や「Salesforce Marketing Cloud Engagement」、HubSpotの「Marketing Hub」は世界的に有名なTOPクラスのMAです。日本国産では「SATORI」や「SHANON MARKETING PLATFORM」などが代表的です。詳しくは以下の記事を参照ください。
Q:どのような企業がMAを利用すべきですか?
A:BtoB、BtoC、ECサイトなど、さまざまな規模や業種業界の企業がMAを利用できますが、特にリードジェネレーション、顧客エンゲージメント、セールスプロセスの効率化を重視する企業に最適です。もちろん、完全オフラインのビジネスや、少ない顧客数のビジネスには必要ありません。
Q:MAの導入において重要なことは何ですか?
A:MAの導入には、明確なマーケティング戦略の設定、適切なツールの選定、社内スタッフのトレーニングと教育、データの準備と整理、適切なシステム統合が重要です。
Q:MA導入後の一般的な課題は何ですか?
A:導入後の課題には、適切なデータ管理、継続的なトレーニングと教育の必要性、ツールの完全活用の難しさ、戦略の継続的な調整などがあります。サポートやトレーニングは充実しているか、マニュアルどおりに進めれば確実に設定が完了するか、といった点を事前に確認しましょう。
Q:MAを選ぶ際の重要なポイントは何ですか?
A:ツール選定時の重要なポイントには、ツールの機能範囲、ユーザーフレンドリーさ、コスト、サポートとトレーニングの質、既存システムとの互換性などが含まれます。また、現在のMAツールのトレンドである、AIと機械学習への対応度もチェックすると良いでしょう。
Q:MAの効果を最大化するためのヒントは何ですか?
A:効果を最大化するためには、定期的なデータ分析と戦略の見直し、パーソナライズとセグメンテーションの活用、顧客との継続的な対話、組織内でのMAの理解と利用促進が重要です。また、カスタマージャーニーマップの作成も、シナリオ設計時に役立つのでおすすめです。